Ultimate 2月22日号

特集

赤羽プロの一日

......霞ケ浦の冬から春をどう釣る!?

 横浜、大阪のフィッシングショーも終え(3月にはキープキャストなどもありますが)、一段落の感があるDAIWAメンバーですが、オフにはそれなりにやることも多いようで、皆さん相変わらずバタバタしているようです。バスプロには「忙中閑あり」という言葉は死語のようです。 

赤羽修弥プロもその一人。ボート関係の手続きなど、この時期にしか出来ないことを片付けるべく、日々飛びまわっています。

ですが、そんな中でも寸暇を見つけて積極的にフィールドに出るのも赤羽プロたる所以。来たるべきシーズンインに向けての肩慣らしとでもいいましょうか、とにかく水に馴染むことを自らに課しているからこその行動です。

釣行の目的は霞ケ浦NOWを知ることはもちろんですが、タックルのチェックも重要なテーマ。とくに新製品がらみのテストは実際にフィールドに出ないと始まりません。

というわけで、今回はそんな赤羽プロが霞ケ浦にボートを浮かべた日に同船させてもらい、冬から春の釣りを解説していただきました。

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寸暇を惜しんでボートを浮かべる。だから赤羽プロは「霞ケ浦の鬼」と称されるのです

2月7日、気温がグーンと上がるという嬉しい予報の日、赤羽プロは大山スロープからボートを降ろしました。

風もなく寒さもそれほどでもありません。湖面もいい凪です。

赤羽プロはボートを降ろしながらこう語り始めました。

「今日は気温は10℃ぐらいまで上がりそうですが、水温は5℃から7℃程度でしょう。ですからまだまだ巻き物がメインになりますね。冬から春先は釣れるルアーが限られます。3月も後半になればワームの釣りも良くなりますが......。この時期はベイトのワカサギがキーになりますので、弱ったワカサギをイメージさせられるミノーシェイプのルアーが効果的です。あ、3月はバイブレーションもいいですね」

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デッキに固定されたケースには使用頻度の高いフックやシンカーが納められている

 そういう赤羽プロのデッキにはシャッドやジャークベイトなどがリグられた4タックルがスタンバイしていました。

 とりあえず大山の石積みに入ります。そしてスティーズシャッド60 SP MR赤羽ライムを投げ始めました。

 「シャッドは基本的にタダ巻きです。2月は止める釣りもアリですが、暖かくなるにつれタダ巻きの比重が増えます」

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大山の石積みと平行にスティーズシャッド60SP MRを引いていきます

 こういって赤羽プロは石積みと平行に、そして突端では角をなめるように、さまざまなラインを引いていきます。

 シャッドのタックルは

●ROD STZ 651MLRB-LM BLITZ

●REEL SV LIGHT LTD 6.3

●LINE STEEZ フロロ10lb

 「冬の釣りはセッティングがキモです。冬から春先はどうしても魚の動きが鈍いので、リトリーブもゆっくり目になります。そして食いも浅くなるので、スティーズだったらこのブリッツのように乗り調子のローモデュラスがいいですね。ラインは10lbメインで8lb、12lbあたりまでです」

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冬から春先はバスの食いも浅いのでロッドは乗り調子のローモデュラスがオススメ

●スティーズミノー SP MR!

 大山の石積みをしばらく攻めた赤羽プロはエレキを上げて出島を目指しました。あたり一面ガスっていて、目の前5mも見えません。アイドリングで進んでいくと、ようやくうっすらと見えるようになってきました。

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出島に向うも靄で何も見えません

とりあえずチャートリュース前でエレキを降ろして、スティーズミノーがリグられたタックルを手にしました。ん? スティーズミノー? それにしてはビル、つまりリップが少し大きいような......

「あ、コレですか? これはMRのプロトです。いま、作り込んでいる最中のルアーです」

ということは2018年秋に発売になったスティーズミノーSP SRの兄弟機種ということか。

「そうですね。コンセプトは同じですが、レンジが違います。より深いタナを攻めるべく開発されました。タダ巻きで1.5m、ジャークで1.7m潜る感じです。たとえば水温低下とともにディープに落ちかかる魚にコンタクトさせたい場合や、そうでない時期でも例えば琵琶湖のウィードに届かせたい時、オカッパリで水深があるスポットを釣りたい時などに有効です」

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往年の名所、出島のチャートリュースです

ここでスティーズミノーSP SRの特長をもう一度おさらいしておきましょう。

開発者の赤羽プロがこだわったのは

① 飛び

② リトリーブにおける泳ぎのキレ

③ ジャーク性能

の三要素。そのために細長いボディを採用し、最適な内部の空気量を模索し、アクションを司るリップの大きさを追求。3タングステンボールを採用したのも飛びを優先したため。3つにすることで径を小さくでき、細いボディの中でもテールの方まで目一杯移動させられる。

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スティーズミノー SP MRも飛距離は抜群

特徴的なのはダート幅を減らし、ロール主体のアクションを実現したということ。水温が高い時期なら魚はルアーの横っ飛びにも反応できるが、活性が落ちるとあまり大胆な動きには追いつけない。そこにダート幅を減らした理由がある。ここぞというスポットをタイトに狙い撃ちできる。  

さらにタダ巻では一般的にウォブル系が多いミノーのアクションの中で、スティーズミノーはロール主体。それも低水温期のポーズで食わせる釣りにマッチしている。

以上がスティーズミノーSP SRの概要だった。  

 「SP MRも同じです。ほぼ完成に漕ぎつけましたが、現在、細かい部分を詰めている最中です。SRと同じように時間をかけて作り込んでいこうと思っています。アクションも今日の釣りにおいてイメージ通りに動いてくれています」

 赤羽プロの釣りを見ていると2回、ロッドをタテにリズミカルにトゥイッチして止め、そして再び2回トゥイッチする、その繰り返しです。そして違和感があれば聞いてみる。ジャークのリズムが限りなく一定なので、それだけ違和感を察知しやすいといえます。

 赤羽プロの巻き物の釣りはクランクベイトなども特別に変わったことはせず、機械的に同じ動作を繰り返します。

 ただしトレースコースには細心の注意を払っているようです。それがシステマチックに釣る秘訣なのでしょう。

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赤羽プロのトゥィッチは実にリズミカルだ

 ちなみにミノーのタックルシステムは

●ROD エアエッジ 661M/MLB

●REEL STEEZ SV TW 6.3

●LINE STEEZ デュラブラ1500 16lb 

というものですが、赤羽プロはブラックレーベルのLG 651M/MLFBもこの釣りにベストと語っていました。

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現在、細かな作り込みの最中というスティーズミノー SP MR。乞うご期待です

赤羽プロは出島から再び大山に戻り石積みをチェック。そこで冬の定番、爆風が吹いてきたので安全第一でストップフィッシング。一日スティーズシャッド60 SP MRとスティーズミノー110 SP MR(プロト)を投げ続けました。途中 ? というバイトらしきものがありましたが、結局ノーフィッシュ。

ですが、スティーズミノー110 SP MRのプロトの出来に確かな感触を得たという点で、収穫の多い一日となりました。やはりフィールドに出れば何か得るものがあるものです。

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大山の石積みの突端にスティーズミノー110 SP MRをなめるように引く赤羽プロ