Ultimate 8月23日号

特集1

佐藤健人プロの

僕の夏休み

四国、徳島をベースにJBトーナメントをトレイルしている若手の佐藤健人(けんと)プロは、今年のお盆休みはガイドに専念するはずでした。ところが、台風10号の影響で後半はすべてキャンセル。新幹線が運休になり、阿波踊りも中止になるくらいですから致し方ありませんが、本人にとっては残念の極みだったでしょう。釣りの世界に限らず、台風による経済効果のロスは甚大だったようです。

そんな佐藤プロですが、前半はしっかりガイド業をこなし、ゲストさんの信頼を勝ち取っていました。佐藤プロのホームは言わずと知れた旧吉野川。そこで佐藤プロは夏の釣りをメインにガイドしていました。

以下は佐藤プロのガイドレポートです。

●フッキング率を高めてくれるタックル

「8月の旧吉野川の釣りはフロッグかバックスライド系ワームのカバー撃ち、この二つがメインになります。両方使い分けるのもアリですが、フロッグで押し切る手もあります。先日のガイドでは、一日フロッグで釣ってもらいました。

というのは、フロッグというルアーは競技でも十分通用する破壊力があることを証明したかったからです。

2019.8.23.1.jpg

夏の旧吉野川ではフロッグの釣りがメインになります

ですがフロッグの釣りは難しさもあります。バイトは頻発しますが、残念ながらバラすことが多いのです。ガイドゲストさんも大きいのを5回ほどミスしていました。フックアップに至らないのです。

ですからその時のガイドにおいては『どうしたらフッキング率を上げることができるのか!』それがテーマになりました。

要はラインスラックをとらずに一気にアワセればいいんですが、それにはタックル、とくにロッドが重要になります。

ゲストさんはSTZ 701MH/HFB(ハスラー)を使われていましたが、少し長いので近距離戦のフロッグゲームではアワセにくいこともありました。

そこで私が使っていたエアエッジ661MHBをお貸ししたところ『すごくいい』と気に入っていただけました。ちなみにリールはSV ライトリミテッドです。

2019.8.23.2.jpg

エアエッジ661MHBは近距離戦のフロッグゲームに最適です

2019.8.23.22.jpg

旧吉野川のフロッグゲームはせいぜい10メートルぐらいのディスタンスですから、短めのロッドの方が使いやすい。フッキングだけでなく、キャスティングからアクションにいたるまで、スムースに行えます。

ロッドを下に向けてアクションさせるわけですが、そこでバスが出たらラインが真っ直ぐになっていますので、瞬時に思いっきりアワセることがバラシを減らします。あとは一気に抜き上げるだけです。

その辺のコツを理解していただいた後は、ゲストさんにいい魚を釣ってもらうことができました。

『感動した』とおっしゃっていただけました。

2019.8.23.3.jpg

ゲストさんの感動フィッシュです

そもそもスティーズ ポッパーフロッグ ジュニアは若干浮力を抑えて吸い込みを良くさせているので、フッキング率はいいはずです。Saqsasのフックもササリがいいし...。

使い分けもキモで

 フロッグの釣りをガイドしながら、使い分けもご理解していただきました。旧吉野川の場合、例えば流れがある時は通常のフロッグよりアピール力があるポッパータイプが向いているとか、水が高ければ下からバスが突き上げやすいポッパータイプ、減水時なら通常のフロッグがいい、何故ならポッパータイプだとアピールが強すぎるから......などもレクチャーさせてもらいました。

2019.8.23.4.jpg

フロッグは状況に応じた使い分けも大切です

 ゲストさんはフロッグの釣りはリザーバーでしか経験がなかったようで、ガイドの後はすぐに川で使ってみるとおっしゃっていただけました。

 私がガイドを通じてゲストさんに訴えたいことは、その日に釣果を出すことだけではなく、将来の釣りに役立つ経験をしてもらうことです。その点に気を付けていると、自分でも学ぶことが多いんですよね」

 こう語ってくれた佐藤プロ、台風に邪魔はされましたが、充実した夏休みを過ごしたようですね。

特集2

草深幸範プロの

今時のヘビーキャロライナリグ

 世間の人々が思い思いに夏休みを満喫している8月中旬、DAIWAチームの草深幸範プロは、毎日のように取材にテストにあちこち飛びまわっていたようです。

 でも「忙しいうちが華」とばかりに同プロは充実した毎日を喜んでいるようでした。

 そんな草深プロにとって、とくに印象的だった夏休みの釣りが、相模湖でのヘビーキャロライナリグ(以下ヘビキャロ)ようで、その理由を同プロはこう解説してくれました。

 「いつも夏の相模湖には朝練を含めて積極的に釣行していますが、今年は変わった点がありました。シャローに魚が居ないんですよね。いても小さい。ならば、ということで久々に相模湖のディープを真面目に釣ったんですが、あらためて自分のヘビキャロの釣りに確信を持ちました。

 というのは、今どきのヘビキャロでは昔のように、フワフワ漂うワームを魚がくわえて走る様なバイトは期待できず、微かなバイトを感じて掛けなければ釣れない時代に入って来ているんです。向こうアワセの釣りは過去のものになりました。それは相模湖も変わりありません。

2019.8.23.5.jpg

相模湖でもピンポイントを狙って魚を掛けるヘビキャロが有効でした

 そんな意味で今回の相模湖釣行で重宝したのがBLX SG 701 MHXBというロッド。ワームロッドなんですがBLXの中ではヘビキャロにベストと感じました。

 その理由は第一に7フィートというレングス。私はヘビキャロのリーダーは長いほどよく釣れると考えていますので、ロングリーダーを扱えるロッドには適度な長さが必要と考えています。その点、このロッドのレングスは私のヘビキャロにジャストだといえます。

 第二に感度。これも私のヘビキャロに特有なことですが、使うワームが3インチ程度の小さいもので、一般的な重いワームは使いません。いわばフィネスなヘビキャロというべきで、それゆえ繊細なティップが重要になってくるわけです。

 その点、このロッドはティップがXBという繊細さを持っており、しかもバットはMHでしっかりしています。

2019.8.23.6.jpg

シンカーの半スタック状態をキープできるティップをこのロッドは持っています

 私のヘビキャロの場合、シンカーとロッドティップの間のラインにある程度のテンションを掛け、そこでバイトをとります。この場合、ロッドティップが繊細でないと、ラインを張った時にシンカーが動いてしまいます。その点、このロッドのラインを張ってもティップが少し入ってくれ、シンカーの半スタック状態を作ってくれます。これがキモです。だから微かなバイトを感じることができるわけです。

 そういう今時のヘビキャロの釣りができるティップ、テーパーをこのロッドは持っているというわけです。

 また、そうした繊細なティップ、しっかりしたバットはテキサスリグやリーダーレスダウンショットの釣りなどでも、類まれな適性を発揮します。

 私はヘビキャロにはSTZ 721MH/HXB-SV=ストライクフォースというロッドをエースとして使っていますが、BLX SG 701MHXBはそれにヒケをとらないパフォーマンスを秘めていると思います。

タックルデータ

●21gヘビキャロ

ROD:BLX SG 701MHXB

REEL:スティーズ SV TW 1012SV-XHL

LINE:スティーズ フロロ Typeモンスター14lb. (ヘビキャロ、リーダーレスダウンショット、テキサス共通)

リーダー フロロ8lb.

●3.5gリーダーレスダウンショット

ROD、REELは共通

LURE:スティーズホグ3.6インチ

SINKER:バサーズワームシンカーTG スリムゼロ3.5g

HOOK:スティーズワームフックSS ワイドオフセット #1

2019.8.23.7.jpg

BLX SG 701MHXBはヘビキャロだけでなく、テキサスやリーダーレスダウンショットにも使える汎用性も秘めています