Ultimate 12月27日号

特集

藤田京弥の総括

Kyoya Looking back 2019

 今回が今年最後のアルティメット。一般的には今年一年を振り返って「名場面集」的な記事でまとめるのが定番です。

 たとえば、アメリカのトーナメントから引退した清水盛三プロが二日間、実釣取材のために関東にやって来てくれたとか、つい最近の話題ではオリキンがH-1グランプリのマスターズカップに2連勝した......などのシーンをダイジェストする企画です。

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清水プロの実釣取材、オリキンのH-1マスターズ2連覇などの名場面もたくさんありましたが......

 ですが今回はあえて藤田京弥プロ一人にフォーカスしてみました。というのも、今年のトーナメントにおいてDAIWAチームの中で文句なしに今年一番活躍したのが同プロ。あらゆる組織を横断して眺めてみても藤田プロの実績はひときわ輝いており、焦点を当てることは当然すぎるほど当然だからです。

 そこで編集部では現在、オフ真っ只中の藤田プロに電話させていただき、ご本人に今年を総括していただいた、というわけです。

2019年の目標は達成した

 あらためておさらいしますが、JBトップ50における藤田プロの今年の成績は

初戦  七色ダム    6位

第二戦 遠賀川     16位

第三戦 旧吉野川    優勝

第四戦 霞ケ浦・北浦  2位

最終戦 桧原湖     2位

という実に安定したもの。5戦中シングルフィニッシュが4回という結果は同選手の場所を問わない総合力が証明されたといえましょう。

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初戦の七色ダムでいきなり6位入賞。今年はやってくれそうな雰囲気が充満していました(Photo:JBNBC)

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 そして第3戦、7月の旧吉野川戦では堂々の優勝! (Photo:JBNBC)

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  北浦で行われた第4戦では準優勝! (Photo:JBNBC)

 とくに印象的だったのは年間1位をもぎ取った最終戦の戦い方。11時過ぎから10本の魚を釣り切った姿は鬼気迫るものがありました。

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 藤田プロが当初の目標として掲げていた年間1位。それを達成できたことには納得しているようでした

 「クラシックなど惜しい試合もありましたが、トップ50で年間1位を獲ることは最初からの目標だったので、それを達成できたことはよかったかな、と思っています」

 メーカーへの挨拶回りやメディア取材の合間を縫ってインタビューに答えてくれた藤田プロは、いつものように静かな口調でこう語り始めました。

 「トーナメントを闘う上で、今年の具体的なテーマは『ミスを減らす』ということでした。それもある程度は達成できたと思います。自分でも成長できたと実感しています」

 「逆にダメだった試合では、やっぱりミスをしています。掛けた魚をバラしたりしました。来年はもっとミスを減らすように努力します」

反省点、改善点は?

 藤田プロといえども人間です。ミスもするでしょう。そこで藤田プロに、だとしたら今年の反省点、改善点があるのか伺ってみました。

 「反省点はいろいろあります。といってもテクニックなどの面ではマスターしなければならないことは見当たらないんですが、やっぱり戦略面ですね。結果論かもしれませんが、ダメだった試合は戦略が噛み合っていませんでした。釣れなかった時は釣り方がどうこうよりも、そっちが原因だと思います」

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「釣れなかった試合では戦略面で問題があった」と藤田プロは反省点を挙げていました

 そんな藤田プロの「もう一つの」強みはフィジカル。タイトスケジュールの中で過酷なトーナメントを闘い続けていても、

 「風邪をひいたことはないですね」というほど頑健な身体を持っています。

 「確かに疲れはありますが、体力面、健康面での心配はありません」

 といいます。これはアスリートにとって最大の武器でしょう。

さらに楽しみなタックル

 武器といえば藤田プロが愛用したタックルが連想されます。

 以前このアルティメットでもご紹介したように、藤田プロが今年とくに多用したリールが

ハイギアのアドバンテージを痛感しているというスティーズ 1012SV-XHL 

絶妙なドラグパフォーマンスを持っているイグジスト FC LT2500S-CXH の2機種

「年間チャンピオンを獲得できたのはこれらのリールのおかげです」

 と語ってくれました。

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 フィジカルの強さとともに藤田プロの武器となっていたのがタックルです

 すでに各方面で話題になっていますが、2020年も新しいリールがデビューします。それらがトーナメントにおいて藤田プロをどうサポートできるのか、藤田プロの戦略に貢献できるのか、とても楽しみであります。

 来年も藤田プロは「JBトップ50をメインに活動する」とおっしゃっていましたが、そうなると目標は当然、連続年間1位。今年の反省点を生かし、頑健な肉体を駆使して是非とも目標を達成していただきたいと思います。

 というわけで皆様、今年一年ご愛読ありがとうございました。2020年もよろしくお願いいたします。

Have a Happy New Year!