Ultimate 10月22日号

特集1

篠塚亮、

驚異のマクリで準優勝!!

47位から45人をゴボー抜き

 去る10月15日から17日までの三日間、奈良県の七色ダムで行われたJBトップ50第5戦において、DAIWAチームの篠塚亮がトータル12,248gを持ち込み、堂々準優勝いたしました。

 バストーナメントにおける入賞の過程は様々です。初日からまずまずの成績で最終日も安定したウェイトを記録してお立ち台に立つ......そんなパターンが一般的ですが、今回の篠塚プロのプロセスはまさに驚異的でした。

 ひとことでいえば大逆転だったのですが、そのマクリ方がハンパなかったのです。

 初日は3本1550gで47位。全58選手中の47位です。これはつまり、わかりやすく表現すると「やっちゃった」という成績です。この時点でお立ち台は絶望的。それどころか予選通過も危ない位置です。

 ところが2日目は単日8位の5本3758gを持ち込み21位にジャンプアップ。決勝への切符を手にしました。初日の成績から考慮すれば上出来の結果です。しかしこの時点ではお立ち台など夢のまた夢。まあ決勝に残ることができただけでも良しとするか、そんな感じだったことでしょう。

 それが最終日に単日1位の6940gを持ち込み、一気に19人をゴボー抜き、2位にまで順位を押し上げてしまったからオドロキです。初日47位からスタートして結果的に準優勝! 詳しい歴史は不明ですが、JBトップ50においても稀有の出来事だと思われます。

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最終日にトップウェイトを持ち込み、初日47位から一気に準優勝まで急上昇した篠塚プロ

●クィックドラグが準優勝をもたらしてくれた

 大会翌日の10月18日、篠塚プロに試合後の感想を伺うために電話すると、氏はいきなり「クィックドラグのおかげで準優勝できました」と語ってくれました。

 篠塚プロのメインパターンはボートポジションで水深15メートル、ボトムに向かって斜めに下る岩盤に点在するエグレや窪みにダウンショットやネコリグを落とし、フォールで食ってくる魚に口を使わせるというもの。ハイピッチでその行為を繰り返し、手数を増やしていったとのこと。

 篠塚プロはその時の模様をこう語ってくれました。

 多くの魚はダウンショットで釣れたようですが、圧巻だったのが最終日に釣った2400gフィッシュ。事実上、この魚が篠塚プロを2位に持ち上げてくれたのです。

 「食ってくるのは2メーターから3メーターラインなんですが、どの魚も急に下に突っ込むんです。水深があるのでどこまでも下に潜ろうとするんです。とくに最終日に掛かった2400gフィッシュのダイブは強烈でした。最初は大人しかったんですが、いきなりググーッと潜られました。

 その引きの強さから只者ではないサイズと感じました。ラインはフロロの4lb。そこでイグジストFC LT2500S-C(SLPクィックドラグ仕様)がいい仕事をしてくれたのです。ドラグを瞬時に緩めたり締めたりすることが出来たから無事に獲れた2400gだと思います。結果的にこの魚が私を準優勝に導いてくれました。

 クィックドラグのパフォーマンスは単にラインブレイクを防いでくれるだけではありません。ビッグバスとのやりとりにおいて、アングラーに主導権をとらせてくれる点が素晴らしく、他のリールには真似が出来ないと思います。

 急な突っ込みにはクィックなドラグ調整が絶対に必要です。ですから魚の動きにリニアに対処してラインの出入りを繊細に調整できることは、何より有難い機能です。それは言葉に表しにくいやりとりですが、要するに阿吽の呼吸。引けば緩める、止まれば締めるといった行為を連続で繰り返すことができるから、魚も諦めてくれるのです。

 とくに七色ダムのようなバカデカイ魚がいるフィールドでのライトラインを使った釣りにおいては、クィックドラグは絶対に必要な機能だと改めて感じました」

 こうまとめてくれた篠塚プロ、この結果年間暫定ランクも20位に上昇。最終戦が大いに楽しみになりました。

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篠塚プロはイグジストFC LT2500S-C(SLPクィックドラグ仕様)とバリスティックLT2500SS-CXH(SLP αスプール)を使用。ほとんどの魚をイグジストで獲ったようです

 ちなみにこの試合を年間暫定トップで迎えた藤田京弥プロは28位に終わりましたが、それでも暫定順位は2位。A.O.Y.獲得を目指して最終戦にすべてを賭けることになりました。ぜひ注目したいところです。

特集2

今年最初で最後のW.B.S.トーナメント開催

 コロナ禍に翻弄された今年のW.B.S.トーナメントですが、JBトップ50七色ダム戦最終日と同じ日に今年の初戦が行われました。そしてこれが最終戦、なんとか1戦だけでも開催しようという熱意から実施されたようです。

 当日はいうまでもなく無観客試合。選手、スタッフ全員がPCR検査を経た上で土浦新港に参集しました。

 またこの試合は先日亡くなった選手のメモリアルトーナメントという意味合いもあり、表彰式後、追悼イベントも行われました。

 DAIWAチームからは中根亘、赤羽修弥、橋本卓哉、草深幸範、島後英幸らのプロが参戦。雨と風で凍える寒さの中、霞ケ浦の魚を求めて競技に専念しました。

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ベテランの中根亘プロもしっかり釣って来ました

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赤羽プロは馬路選手と組んでナイスサイズを持ち込みました(PHOTO:さとうじん)

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久しぶりのトーナメントを目一杯楽しんでいた橋本プロ(PHOTO:さとうじん)

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大風で浚渫が機能しなかったことが悔やまれる草深プロ(PHOTO:さとうじん)

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今回はノンボーターとして参加した島後プロ。霞ケ浦の釣りの奥深さに感動していました