「SALTIGA15開発秘話。その② ~大きな路線変更編~」
清水一成です。
前回は、全体を見渡し、現状を把握し、先々みなさんが楽しんでもらえるような姿を想像して開発をスタートした内容をお伝えしました。
今回は、
その先で発生した、大きな路線変更編です。
以前、ブログで
「SALTIGA ICのこだわりポイント『親指編』」(←ここから読み返せます!)
を書いたことがありました。
そう、これがのちの「サムホールディングフレーム」の形状に至った大きな分岐点でした。
正直、最初にサムホールディングフレームの原型を見た誰もが
「理解しがたい、尖がってて握りにくいフレーム形状」という評価を受けました。
それが、こちらの写真比較です。
当然ですね、今まで誰も見たことの無い形状だったので、反発は大きかったです。
そもそもシルエットが大きすぎてダメ。
痛くて握れない形状はありえない。
どうやって握ればいいかわからない。
奇抜過ぎる。
大事なキーワード「軽量」から遠のくため、困りました。
説得をする。
この難しさと常識を覆すのに無力さを感じた瞬間でした。
ココだけの話。
当初は、15SALTIGA15サイズのように、堅牢かつコンパクトなリールサイズを目指して進めていました。
ここが失敗でした。だって、最初にキーワード「軽量」を置いてしまったから。。。。
改めて、小さく作り過ぎると「余計に握り込む」必要が出てきます。
ちょうど良い!って感覚を失ったまま、突っ走っていました。
普通ならそんなこと気にしません。小さく作って軽くなる方が良いに決まっています。
ジギングリールは特殊なサイズのリールなので、
世の中、ジギングリールは大きいから重い。だから軽くしたい。
普通の発想だとそうですが、そんな常識をひっくり返しちゃうような今までに無いモノに仕上げたかったんです。
とにかく、何かが足りない状況が続き、モヤモヤしていました。
そこで形状サンプルを数種類持って、知見を持った方々に助けを求めて動き回りました。
不思議と、無意識に触るのは「サムホールディングフレーム」の原型となった形状でした。
皆さん、目をまん丸くして、不思議そうに触ってる姿を見て、確信しました。
「握り方が、みんな同じだ。」
ジギングリールを持つ時、親指の置き位置が同じポジションになってる。
驚いた、とかではなく、衝撃でした。
その瞬間。
絶対に傾斜フレームを採用する!と心に決めました。
このアドバイスを元に、サムホールディングフレームの最終形状決定に至りました。
これもすべては開発協力いただいた方々のおかげです。間違いありません。
この発想、すべては「親指の置き場」に気付いたからこそ、研ぎ澄ませた大事なところでした。
堂々とデビューを飾った22SALTIGA15ですが、
新たな機能がたくさん「乗っかってる」風に受け取られるかもしれません。
ですが、大変多くの方に開発協力をいただけた末、完成度が高まったジギングリールです。
高額リールですが、絶対に裏切りません。
それほど、やりきったと自信を持って言えます。
こういう、ある時を境に全く真逆の方向へシフトした22SALTIGA。
一度手に取ってもらえるだけでも、ハッ!とするほどシンプルに伝わるはずなのでまずは握ってみてください。
今日はここまで。
次回からスプールに関する内容に触れていきます。
お楽しみに。
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