「第44回 JIBT国際カジキ釣り大会参戦! ~12年越しに叶った一つの夢~」金子新
7/22(金)~24(日)、3日間の競技日程で静岡県下田市にて、日本最高峰のカジキ釣り大会「第44回JIBT国際カジキ釣り大会」が開催された。日本全国各地から、今年は総勢94チーム。多数のビルフィッシャーが集う、歴史ある大会、カジキの祭典である。
遡ること12年前の2010年9月。テレビ東京系列「THEフィッシング」で、カジキ釣り大会の模様が放送された。チーム・DAIWA+プレデターが10SALTIGA5000Hのフィールドテストにて、カジキ釣りで使用するには高い技術を要するライトラインである30lbラインでカジキ大会に挑むというものだ。アングラ―であるSALTIGAスピニング設計者・永山氏の5時間に及ぶブルーマーリンとのファイト、8時間に及ぶ200kgオーバーのブラックマーリンとのファイト、SALTIGAベイト設計者・野上氏がリーダーマンをする姿など、壮絶なカジキとの死闘を目の当たりにし、青島キャプテン率いる、チーム・DAIWA+プレデターに対する憧れと、自分もいつかはSALTIGAスピニングタックルでカジキを釣りたいと言う思いが芽生えた。
そんな、憧れのダイワとの接点を持つ為には、と色々考えた結果、当時、中学生だった自身はD.Y.F.C(ダイワヤングフィッシングクラブ)に入会。その4年後にはD.Y.F.C会員を卒業し、SFA(スーパーフレッシュアングラー)としてD.Y.F.Cプロコーチ活動。2020年からオフショアのフィールドテスターとして現在に至り、今年の春、ついにDAIWAから念願の「DAIWA+プレデターのアングラ―としてJIBT出場」の話を頂いた。カジキ釣りの経験の豊富さとキャスティングマーリンでの実績がアングラ―選定の決め手とのことであった。
DAIWAブランド、そして、SALTIGAブランドを背負ってJIBTに出場することは、プロ野球選手やプロサッカー選手がチーム一丸となり試合に臨むことと同じ意気込みレベルだと思っている。元々、細身であった自身であるが、数年前から始めた大型魚とのファイトの為のトレーニングを日々の日課とし、カラダを大きくしてパワーアップを果たし、体調も万全に整えJIBTに挑んだ。
迎えた 2022年7月22日(金) いざ本番の大会初日。午前7時半にスタートフィッシング!!チーム全員の意気込みはMAX、周りのボートからもヒットコールも頻繁に入り、終日、いつヒットしてもおかしくない雰囲気。しかしながら、この日は空振りに終わり、シイラ1匹と厳しい釣果でのスタート。
大会2日目は準備万端で船に乗り込み、これからもやいを解いて出航というタイミングで大会本部より無常の「大会二日目は強風の為、大会中止」のアナウンスが。。。この日は時間を有効活用する為、コンビニで買い込んでしまった大量の食料で朝食を済ませた後、陸上でのドラグチェック、ドラグテストなどに時間を費やした。
3日目 大会最終日。初日のカジキストライク数が50回もあった事から、今日こそ我がチームの番だと決意を胸にボートに乗り込んだ。海は快晴ベタ凪というグッドコンディション!午前7時のスタートフィッシングで全艇が一斉に沖へ!モノによっては数億円もザラ!!という豪華でカッコ良いカジキ釣り用の大型クルーザーがポイントへと向かう風景は、大会が盛り上がるシーンの一つで壮観!
我々は30分程 真南に走ったポイントから利島方面に向け6本のルアーを流し始めた。海面の様子や潮目、鳥の動きを観察しながら、海水温の変化、魚探によるベイトや海中の様子を伺い、カジキを探していく。途中、ルアーの動きも見ながら、ゴミ等の漂流物がルアーに絡まっていないか入念にチェック。カジキヒットに欠かせない重要なチェックとなる。
30LBラインクラスという事から、15分おきにリールに巻かれたラインとロッドのガイドに水を掛け、常にウェットな状態としタックルをケアする。いつヒットしても良い状態にし、万全の体制でカジキのヒットを待った。
朝一、朝二のヒットは残念ながらシイラとサメであったが、この魚たちとのファイトで適度にウォーミングアップが完了した午前10時頃、コバルトブルーのいい潮目の境を通過した瞬間!ラインを留めていた左舷アウトリガーのリリースピンが「バチンッ!」と力強く外れた!!
SALTIGAスピニングのスプールから一気にラインが「ジャァァァー!」と超高速で引き出され、みるみるうちにラインが減っていく。糸が引き出される勢いは正にカジキのファーストランのソレ。ここでカジキならジャンプするはずだが、何故か跳ねない。跳ねない個体なのか?と不思議に思いながらも慎重にファイトして距離を詰めた。
15分程でリーダーまで寄せると、推定100キロのブルーマーリン(クロカジキ)が目の前に!ここでようやく異変に気付いたカジキ!ここから本気の抵抗が始まった。今度は一気に200m程走られる。それに耐え、止まったところでファイトを再開。50m程寄せるが、また更に100m走られる。。。
寄せては出されてを繰り返すこと約2時間、ようやくリーダーが見えてきた。青島キャプテンがリーダーを掴み一気に寄せ、永山氏もリーダーを掴みカジキを制御、野上氏がタグを打った。タグ&リリース成功!!!カジキは元気に悠々と海に帰っていってくれた。炎天下でのカジキとのロングファイト。正に死闘とも言える内容であった。
録画した「THEフィッシング」で何度も何度も見返したスピニング 30LBでのカジキとのファイト。想像していたことではあるが、通常のトローリングリールでの50LBや80LBでのファイトと比較するとドラグを上げて勝負が出来ないという点が最もファイトで難易度が高いところ。利点はスピニングタックルの手持ちロッド、ギンバルファイトであるが故、カジキの不意な動きにも即座にアングラーが船内を動け、対処しやすいことと、最もスリリングでダイレクトにカジキの引きを全身で受け止める事が出来ること。今回のJIBTでのファイトはアングラ―としての自身を大きく成長させてくれる、一生の記憶に残るファイトであった。
最終結果は、94チーム中、団体総合6位。表彰台に上がることは出来なかったが、自身の力を出し切った上での納得の成績。
次の目標は来年も「チーム・DAIWA+PREDATOR」でJIBTに参戦し"優勝"すること!目標実現の為、日々、オフショアビッグゲームアングラーとしての心技体を磨いていきたい。
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