特集1
アルティメットなバストーナメント
バスマスター・クラシック レポート その1
どんな試合でも必ずといっていいほどチェックを手にする無類のシュアーアングラー、クリフ・ペイスのWire to wire(初日からトップをゆずらない)優勝で幕を閉じた2013年のバスマスター・クラシック。今年も実に話題豊富な内容だった。
スタート時には氷点下をはるかに下回り、午後になっても5℃前後の極寒のグランドレイクは、当然水温も低く激タフなコンディション。そんな中で果たしてどんな試合が展開されるのか、世界中のアングラーは目を皿のようにして53人の選手の戦いぶりに注目したが、優勝ウェイトはご存知のように54LBをマークするという、まさにプロ中のプロが集うトーナメントにふさわしい華々しい結果となった。
この結果ははからずもグランドレイクの高いポテンシャルを証明することとなったが、同時にこの試合にクォリファイされたアングラーの底知れぬ実力を如実に物語るものでもあった。
そう、バスマスター・クラシックは世界最高峰のバストーナント。参加選手のレベルの高さ、それにふさわしいフィールド、ウェイインの壮大さ、集まるファンの数などで、誰もが認める世界一のバストーナントなのである。
だから、この試合に出場することは、アングラーとしての最高の栄誉。誰でも一度は経験してみたい晴れ舞台なのである。
そんな檜舞台に今年は4人のDAIWAメンバーが出場した。ランディ・ハウエル、イッシュ・モンロー、そして大森貴洋、宮崎友輔である。いずれもトッププロが鎬を削るエリートツアーからのクォリファイで、堂々たる出陣といえる。
とくに宮崎友輔選手は努力の末に悲願の初クォリファイを果たし、まさに「夢が叶った」出場。万感の思いを込めてクラシックを戦ったに違いない。メディアデーのインタビューでも「My dream has come true」と正直に胸の内を語っていた。
タルサ市内のBOKセンターで開催されるウェイインショーにおいて、40,000もの瞳が凝視する中、「DAIWA」とラッピングされたタンドラとボートとともにやってくる宮崎選手が満場の喝さいを浴びる瞬間は、日本人として実に誇らしい瞬間だった。
これが会場のBOKセンター。デカイ。
とくにトラックへのラッピングは盲点ともいえ、見方によってはボートよりも目立ち全米中、いや世界中のアングラーに「DAIWA」を強烈にイメージづけたといえる。
DAIWAラッピングが世界中にインパクトを与えた。
それだけではない。勝ちを狙ったゲームを推し進め、2日目には5.5lbフィッシュを観客に見せつけたパフォーマンスは圧巻で、アングラーとしての実力も十分に認められたものと考えられる。
2日目の5.5lbフィッシュは観客を魅了した。
こういうシーンは、ネットなどでも見られるものの、やはりナマでみると迫力は段違い。その音と光は経験したものでなければ味わえない圧倒的な空気感。現場でなければ感じ取れない雰囲気である。そんな意味でも、今回の取材は意義のあるものだった。
それでは、試合の模様を初日から振り返ってみよう。
2月22日、金曜日、7時。オクラホマの空が白み始める。桟橋に横付けされたボートが所定の位置にスタンバイする。そしてアメリカ国家斉唱。歌い終わると、地響きのような歓声がどこからともなく湧き上がる。ヘリコプターやジェット機がウルフクリーク・マリーナの空を飛びかう。いよいよ2013年のクラシックが始まる。初日のランチングが始まると、マリーナはいきなり熱狂の坩堝と化す。
こうした情景はこのイベントが国家的規模で行われていることを証明している。
宮崎選手にとって、この瞬間は万感胸に迫るものがあったことだろう。
トップは2012年のA.O.Y.ブレント・チャップマン、そしてディフェンディングチャンピオンのクリス・レイン、以下、抽選で決められた選手がコールされて次々と観客の前を通ってプレーニングラインに進む。4番目は大森貴洋選手、そして宮崎選手は43番目だ。
ついに2013年バスマスター・クラシックの火蓋は切って落とされた。
どちらの選手の表情にも気負いはない。淡々とボートを進めている。それにしても寒い。氷点下のグランドレイク。ライブウェルチェックでは凍ったフタが開かず、多くの選手が苦労するほどだった。
こうして2013年のバスマスター・クラシックはスタートした。どこから集まったのか、マリーナには立錐の余地がないほどの観客が犇めいている。一般道路にはCLASSIC LEFT などと表記された電光掲示板があちこちに設置されており、マリーナへと誘導してくれる。まさに国家的なプロジェクトを印象付ける。
我々はメディアボートを申請して湖上に出た。空は青いが冷たい風が吹きまくり、強烈に寒い。波はそれほどなく、したがってボートは全開。アメリカのドライバーはホントにスピードが好きだ。限界まで踏み込む。スタート地点はほぼレイクの中間点に位置しており、最下流まで全開で20分、最上流まで同じく30分という規模だ。
当然、大森・宮崎両選手を追いかけるが、なかなか見つからない。
事前にグランドレイクは日本の相模湖のようなリザーバーと書いた記憶があるが、オクラホマはもともとフラットな土地だけに、レイクにもそれほど起伏がない。いってみれば高滝湖を大きくしたような感じ。しかし護岸はされておらず、周囲はほとんどゴロタ場である。岸は別荘地になっており、なかなかエントリーできない。だから岸からの取材はほぼ不可能。下手をすると泥棒と間違われてしまう。
グランドレイクの典型的なショアー風景。たくさんのボートが浮かんでいるが、ほとんどはスペクテイター。(観客)
ちなみに今回のクラシックには日本のNHKの取材も組まれており、6月頃にBSで放送される予定。大森選手もウェイインステージで「こういう局が取材に組まるのは異例のことだ」と語っていたように、エポックメーキングな出来事だといえよう。
レイクの環境としては季節がらベジテーションはまったくなく、一見プアな印象。だが、ボートが停泊しているドックや桟橋など、マンメイドは非常に多い。
2月下旬なので平均水温は摂氏5度前後。まるっきりミッドウィンターだが、印象としては春はそこまでやって来ており、プリスポーンの手前という感じ。話は前後するが、釣れてくる魚はどれも立派なプロポーションだった。
B.A.S.S.のサイトで紹介されていた有望ルアーには、クランクベイトやジャークベイト、「ダークホースルアー」としてはジグやスイムベイトなどが挙げられていたが、宮崎選手がチョイスしたのはクランクベイト。プラではRPMクランクベイトのMID-10でかなりいい感触を得ていたようだ。
大森選手のタックル
宮崎選手のタックル
「上流へ行く」と宣言していた宮崎選手だが、その狙いはズバリ一日5LB×5本。プラでは一応の手ごたえを掴んだようだ。ということは優勝を狙っているということで、出場するだけでは満足していない様子。迷わずクランキングパターンを追い求めた。試合直前に急激に水温が低下したことが不安材料だったが、あえてリスクをとって上流域を攻めることにしたようだ。「下流の安定性はわかっていたが、勝てるのは上流、そう読んで決断した」と語っていた。
一方、下流域を選択した大森選手はジャークベイトをメインに各コーブのバンクを流し、リミットを揃える作戦に出た模様。若干、水温が高い下流域には多くのボートが犇めき合っていた。
大森選手は下流域でゲームを進めた。
そんな中の一人、ケビン・ヴァン・ダムは数多くのスペクテイターボートを従えて釣りをしていた。圧倒的な存在感である。ケビンが動けば船団が動く......異様な光景であった。
おびただしい数のスペクテイターを従えて釣りをするKVD
下流域では幸運にもランディ・ハウエルがハウスの下から魚を抜きあげる瞬間に遭遇した。
さて、メディアボートを降りた我々は、ウェイインが行われるタルサ市内のBOKセンターに戻った。その距離、なんと130km!! 気が遠くなるほどの距離である。霞ケ浦で釣れた魚を横浜辺りまで運ぶ感じである。それを三日間!! アメリカでなければ絶対にできない芸当である。それにしてもブッ飛ばして1時間半のドライブを三日間となると、かなり大変である。我々取材班も大変だったが、選手はもっと大変だったことだろう。
そんなこともあって宮崎選手は試合中の宿をスタート地点近くのGLOVEに決めたようだ。これならタルサ市内でウェイイン終了後その日のうちに戻ることができ、翌日のレジスト(受付)に備えることができる。遅刻の心配もない。集合時間に遅れることなど、選手としてやってはいけない最低のことだからだ。こうした準備もプロとしての当然のことだろう。
さて、BOKセンターのウェイイン会場では初日のウェイインが始まった。例によって国家斉唱。何回経験してもシビレル感動である。金曜日にもかかわらず座席はほぼ8割がた埋まっている。普段はバスケットやアイスホッケーなどの試合が開催されるアリーナのようだが、かなりデカイ。そしてB.A.S.S.名物のサウンド、イルミネーションがこれまた派手で雰囲気最高。ステージも広く、後方のスクリーンは巨大である。ここに各選手が持ち込んだビッグバスが大写しにされるのだ。盛り上がらないわけがない。
この場に立つことはバスアングラーの究極の目標といっても過言ではない。
余談になるが、この三日間、130kmの道程を魚が運ばれて来たわけだが、死魚はまったくでなかったという。B.A.S.S.の魚に対するケアの手厚さを物語る出来事だが、それをタルサのホテルの人間が自慢している事実を考えても、みんながバスに対して深い愛情を持っていることを思い知る。
そして各選手がトレーラーにTOWされたボートにのってやってきた。クラシック名物である。
注目の宮崎選手は......4本で7.7lb、やっぱり水温低下が響いたか。そして大森選手は5本ながら9.8lb。ちょっと出遅れたカタチとなってしまった。
だが、このステージに立つことだけでもスゴイこと。選ばれた「世界の53人」の一人なのだ。誰ひとりうつむくものはいない。
大森、宮崎両選手の入場に際しては、日本人応援団は声をからして声援を送った。
日本から駆け付けた応援団も精一杯の声援を送った。その姿勢にはアメリカの人々も称賛を送っていた。
それにしてもみんな釣ってくる。KVDやアイコネリは存在自体が目立つが、数字も目立っている。水温5℃でどうやって釣ってくるのか!? 信じられない思いだ。
果たして2日目以降はどうなるのであろうか......。
注目のファイナルウェイイン以降のレポートは次号までお待ちいただきたい。
特集2
Kanegon report
今回のツアーに参加したKanegonからもホットなレポートが送られてきました。早速ご紹介しましょう。
こんにちはカネゴンです。
さて、私は2月21日~3月1日のスケジュールで渡米して来ました。理由は、バスマスター・クラシックの観戦です。
大袈裟ではありますが、一生に一度はと思っていたので迷わず決めました。
初出場を決めた宮崎さんの応援へ!
本場の空気・雰囲気・規模・・・どれをとっても別世界。その中で戦う日本人アングラー。ホント感動しました。僕にとっては貴重なアメリカツアーでありました。
しかも、宮崎さんにはClassicでお疲れの中、現場で稽古までしていただきました。
TDバイブType-Rを使い実戦。やはりバス釣りはアメリカだよ!と思いながら後ろ髪引かれる思いで帰国しました。(笑)
気持ちも新たに4月から始まるW.B.S.トーナメントを頑張りたいと思います。
毎日が最高に充実していました。
特集3
三宅貴浩のウェスタン・レポート
その50
リールメンテのお話 の巻
DAIWAファンの皆さんこんにちは!
2013年も早くも3月を迎えましたが、いよいよバスフィッシングも本格的なシーズンインを迎える時期となりました。
また3月は名古屋バスフェスタ、横浜での国際フィッシングショーとまだまだイベントが目白押しです。両会場に自分も行く予定にしておりますので、セミナーやイベント、DAIWAやSLPブース等で皆様にお会いできるのを楽しみにしていますね!
さてそんなシーズンイン直前の現在、バタバタの合間をぬって各リールのメンテナンスをドンドンしております。
自分の場合、ベイトリールなんかは完全にバラバラにしてメンテ、カスタムする場合もあります。ただ、慣れない方はあまりオススメできませんので、ベアリングのオイル注油、主要各部の清掃、グリスアップ程度でも使用感が根本的に変わってきますので超オススメです!
またスピニングリールに関しては更に自分で触るのはオススメできません!
スピニングリールはベイトキャスティングリールとは異なり、キャスティングの飛距離やレスポンスに対してリール自体のギア、ベアリング等のパーツが影響をしないので巻き取り、ファイト時以外の部分で劣化や逆にレスポンスの向上を感じにくいのですが、自分で分解・メンテをした場合高確率でレスポンス、機能が低下する場合が過去の例からも非常に多いです。
各部に使用されているオイルも様々で専門性が高く、専用の道具、知識なしで細かくバラシて組み上げるとたいがい元より性能低下します。長く高い性能を維持したい場合、マメな簡易メンテと1年に1回はSLPにOHに出されることを強くオススメいたします☆
現在ベイトリールに関しては、SLPでOHキャンペーンを実施中ですのでぜひこのオフシーズン中に活用してみてくださいね(*^-゚)(※キャンペーン期間は3月末まで)
OHキャンペーン詳細→ http://www.sl-planets.co.jp/home/news/0016.html
またSLPのカタログを手に入れた方は、内容をよく読んでいただいてメンテナンスやカスタム全般についてもどんどん知ってくださいね♪
シーズン前のリールのメンテ、ぜひオススメです。
メンテ全般はカタログをご参照。よく理解できますよ。
特集4
三村和弘の関西便り
この時期のスピナベ、
ええバス釣れますよ~ の巻
皆さんこんにちわ。スピナベ馬鹿一代三村和弘です。
もう春ですよ~。
ボチボチなんて言わんと今すぐにでも湖に出て下さい。
その証拠にええバス釣れてます。
いつもの得意の釣りです。
当然スピナベです。
このタイミングでスピナベで出るバイトって「ガッん」と出ないんです。
「フッ」と軽くなったり、「ファッ」とするバイトが多いんです。
ロッドの先が強すぎず、柔らかすぎることなくその微妙なロッドが必要です。
ハイ、いわずと知れたマシンガンキャストタイプIIですワ。
当然、バットパワーは申し分ないんでフッキングも安心でモンスターバスが来てもいけます。
カタログにも確かワイヤーベイトスペシャルと明記されているはずです。
ワタクシはいつも2本のマシンガンキャストタイプIIをボートに乗せてます。
タックルシステムは、
スティーズ 661MHRB-XTQ マシンガンキャストタイプII+スティーズ100H
ラインはモンスターブレイブ14ポンド+1/2オンススピナーベイト
さー、春はじまってますよ~。
この時期のスピナベはマシンガンキャストIIでええバスが釣れますよ。