特集1
「適材適所」
小池貴幸プロのタックルチョイス
DAIWAには非常に多岐にわたるバスタックルがラインナップされています。とくにロッドの種類は豊富です。リグや釣り方の違いによって特有のパフォーマンスが要求されるので、ある程度種類が増えるのは当然ですが、釣りが先鋭を極めつつある現状においては、さらに専門性を極めたタックルが必要になってきます。体格や好みなどアングラーの個性によっても望まれるタックルは千差万別です。
とくに熾烈を極める昨今のトーナメントでは、それぞれの釣りに適したタックルシステムを組むことが釣果に大きく影響してきます。
こんなことを書くのも、7月22,23の両日、霞ケ浦で開催されたJBマスターズ霞ケ浦戦で3位に入賞した小池貴幸選手のタックルチョイスが実に理に適っていたからです。
ご本人も
「それぞれの釣りにそれぞれのタックルが最高の仕事をしてくれました。今回の入賞はタックルのパフォーマンスによるものです」
と述懐していました。
適材適所のタックルチョイスでクォリティーなバスを獲り、3位入賞した小池選手(Photo:JBNBC)
小池選手のゲームは主に霞ケ浦本湖の天王崎、麻生、和田、大山などのシャロー、具体的にはドック周りや周辺の杭などをスモラバやダウンショットを駆使して食わせの釣りを展開していくというもの。
初日は風が強い晴天、二日目は曇り時々雨という変わりゆく条件の中で、両日ともエビを意識した釣りを繰り広げ、初日4320g、二日目3940gというウェイトを持ち込み「嬉しい反面悔しい」という3位お立ち台を確保したのです。小池選手がマスターズでお立ち台に立つのは1年半ぶり。久々の好成績に一応は安堵していたようでした。
そんな小池選手の釣りをアシストしたのが以下のタックルシステム。まさに「適材適所」という言葉が相応しいセッティングといえます。
●スモラバ用に
ロッド:スティーズ プロト 6フィート1インチ
※(小池プロ談)テスト中からスモラバの操作性が非常によく、今回の試合で実戦投入。期待に違わぬ仕事をしてくれました
リール:スティーズスピニング タイプ2
ライン:スティーズフロロ タイプフィネス4lb
●ダウンショット用に
ロッド:ブラックレーベル 681LMLXB
リール:T3 AIR 8.6 L-TW
ライン:スティーズフロロ タイプフィネス8lb
シンカー:バサーズ・ワームシンカーTG スリム 1/8
これだけではありません。初日の帰着直前、北利根川で貴重な1尾をもたらしてくれたのがノーシンカーに使った以下のシステム
ロッド:エアエッジ621ULS-ST
※(小池プロ談) 多段テーパーを施したメガトップソリッドティップだから獲れた1尾
リール:イグジスト2004
ライン:フィネスブレイブZ 4lb
※(小池プロ談)このしなやかさがノーシンカーにはありがたい。この1尾がなかったらお立ち台はなかった
というわけで、タフな霞ケ浦というフィールドで強豪と鎬を削らなければならない試合では、極度に専門性を持ったタックルを投入しないと結果は出せません。その点ではスモラバ、ダウンショット、ノーシンカーにベストなタックルを適材適所に使い分けた小池選手の鋭いセンスが3位という結果をもたらしたといえましょう。
最先端のバストーナメントにおいては、アングラーの技術、知識、経験を表現できるタックルがあってこそ初めて満足できるゲームが展開できるのです。
なお、この試合では同じDAIWAチームの茂手木祥吾選手も9位に入賞しました。
特集2
泉和摩プロの秘策!!
7月16日に福島県の桧原湖で行われたJB桧原湖第二戦でDAIWAチームの泉和摩選手は3本2671gで堂々の準優勝を果たしました。優勝ウェイトにはわずか100gチョイ届かなかっただけですから、惜しいといえば惜しかったのですが、詳しい話を聞くと泉プロらしい戦略が伺えたのでご紹介したいと思います。
経験にモノをいわせて桧原湖の「食わせ合戦」に準優勝した泉プロ
同氏のフェイスブックにも発表されていたように、ゲーム内容としては大川エリアでラージをライトテキサスの「虫パターン」のような釣りで獲った後は、ライトキャロでリミットメイクするというもの。ラージは45cmほどあったものの、細かったので1200g程度だったのが悔やまれます。
泉プロはライトテキサス、ライトキャロにそれぞれベストなタックルシステムを組んで準優勝を勝ち取りましたが、スモールを15本ほど釣ったライトキャロの仕掛けはさすがに泉プロらしい創意と工夫を伺わせるものでした。
通常のライトキャロはメインライン+シンカー+スイベル+リーダー+フック+ワーム というセッティングになります。
ところが泉プロはこの仕掛けに改善の余地があると以前から感じていました。というのも、2.5lb基準のライトラインが前提の桧原湖ですから、糸の強度を100%生かせる仕掛けでなくてはなりません。泉プロはキャロでは基本的に60cmほどリーダーをとります。この60cmが問題なのです。
泉プロは解説します。
「ラインは短くなればなるほど弱くなります。60cmしかないリーダーは同じ太さでもメインラインより弱くなります。ブレイクの危険性大です。ですから昔はメインラインより太いリーダーを付けたりしました。そんな中で、どうしたらライトラインの強度を落とさないで釣りが出来るか、ずっと考えていたのです。その結論がメインラインを通しで使い、シンカーストッパーでシンカーを止めるという仕掛けなのです。これならリーダー部の強度も保てます」
シンカーはバサーズ・ワームシンカー1/16oz。これにメインライン2.5lbを通し、認定品のシンカーストッパーを使います。これだけでは動いてしまうので、ズレないようにそこを木綿糸で補強してあります。ヘラブナ釣りも嗜む泉プロでなければ考え付かない工夫といえます。
シンカーストッパーを木綿糸で止める。なかなか考え付かないことです
※結び方イラスト
泉プロの解説は続きます。
「皆さん、ワームが回転するからスイベルを付けるようですが、ワームが回転しなければその必要はありません。今回ライトキャロに使ったワームはアライブゴビー2.5で、回転しないんです。ですからスイベルなしでも問題ない。だからメインライン通しなんです。キモはシンカーが動かないように木綿糸で補強したこと。このおかげで圧倒的に釣りがしやすくなりました。スイベルを介してリーダーを付けると、ラインが傷ついた時には交換しなければなりません。でも私の仕掛けなら、ズラすだけでOKです。傷ついたラインを切ってフックに結べばいいだけです。同時に、リーダーの長さも瞬時に変更できます。だから圧倒的な時間の短縮になりますね。昨今のような競争が激しいトーナメントでは、こうした『ちょっとした』工夫が釣果に密接に影響してくるんです」
シンカーストッパーに木綿糸。この発想はライトライン、ライトシンカーがキモの桧原湖の釣りを極めた泉プロならではですね。
タックルデータ
●ライトキャロ用
ロッド:ブラックレーベル 681 ULFS
リール:EXIST 2505F-H
ライン:スティーズフロロ タイプフィネス2.5lb
シンカー: バサーズ・ワームシンカー1/16oz
フック:バサーズワームフック
●ライトテキサス用
ロッド:ブラックレーベルFT 681 LXS
リール:EXIST 2506
ライン:スティーズフロロ タイプフィネス2.5lb
シンカー: バサーズ・ワームシンカー1/16oz
フック:バサーズワームフック
タックルに究極の繊細さが求められる桧原湖の釣り。その点、泉プロのタックルシステムはパーフェクトといえるものでした
特集3
泳げる霞ケ浦市民フェスティバル
7月17日、土浦市総合公園で恒例の「泳げる霞ケ浦市民フェスティバル」が開催されました。
このイベントは名前の通り、昔はみんなで泳いでいた霞が浦を再び泳げるようにしよう、という目的を持っています。それほど霞ケ浦の水は綺麗だったわけです。魚もたくさん釣れました。
それが護岸工事や生活排水で汚染され続け、泳ぐ人などいなくなりました。魚にとっても棲みやすい環境とはいえません。
そんな霞ケ浦をナントカしたいという人が集まってこのイベントは始められ、今年で22回を数えるまでになりました。おかげさまで、霞ケ浦の水もずいぶん綺麗になりました。泳げるようになるまで、もう少しです。
いまでは霞ケ浦に関わるあらゆる団体が出展しています。漁業、農業、水産業に始まり、土浦商工会議所や青年会議所なども参加しています。一見、お祭りのような雰囲気ですが、根底には霞ケ浦の環境改善を一般の人に訴えるマジメな気持ちが籠められています。
一日中、大盛況だったキャスティングゲーム
霞ケ浦をベースにバストーナメントを展開しているW.B.S.も水辺基盤協会と一緒に参加しています。同団体の幹部は「霞ケ浦で釣りをさせてもらっているので当然です」といいきります。
W.B.S.ではチビッ子を対象にしたキャスティングゲームを行いました。釣りを知らないチビッ子もたくさん来るからです。そもそも子供って、釣りにすごく興味を持っているので、かなり盛り上がったようです。
どちらかといえば世間では日陰者に押しやられているバストーナメントですが、霞ケ浦で活動しているW.B.S.は県や市から厚く理解されています。それも日頃のこうした積み重ねの賜物といえるのではないでしょうか。
特集4
やぐっちゃんの
Fish this moment
夏の鉄板テクニック!
スイムベイトのスキッピング!
皆さんこんにちは!やぐっちゃんのfish this momentです!
今回のやぐっちゃんコラムはその名も「貴方の激アツDAIWA製品教えて下さい!」です!ビシッ
今回の主役はWBSスタッフでもある高橋さん。
激アツDAIWAタックルはジリオン661MHFBにタトゥーラSV TW6.3の組み合わせ!
なぜこの組み合わせかと言うと、7月下旬のこの暑さだと川の上流のブッシュやオーバーハングがメインポイントとなり、スイムベイトをスキッピングさせて引いてくるのが最近のトレンドとのこと!
この時期に湧いてくるテナガエビが水面を逃げ惑う様子を演出するのにもスキッピングは有効的な技です!
スキッピングでスイムベイトをカバーに入れリトリーブで喰わす。今の霞ケ浦水系ではド旬な釣りです
スキッピングでルアーを見せてリトリーブで食わす!みたいなイメージ。上流域では7フィートだと取り回しにくい場合が多々あります。そこで高橋さんは66をチョイス!それがスキッピングさせやすく、キャスタビリティーも向上!まさに狙い通り!
高比重ノーシンカー、スイムベイト、さらにはPEセッティングのフロッグゲームにも使えるとあって、MHの硬さではあるが幅広いジャンルに対応出来ますね!レンタルボート、アルミボート、オカッパリにおけるヘビーウエイトバーサタイルロッド!といったところではないでしょうか?
現在ではジリオンだけでなくエアエッジやクロノスでも似た番手がありますので自分に合う欲しいロッドを選べるのも嬉しいですね!
タトゥーラSV TWもオーバーハング下にスキッピングさせるのには必需品アイテムですね!そのコスパはやはり高橋さんも感じていて、デビューしすぐ購入し、数日後にまた1台購入した程の満足度!
あぁーやぐっちゃんも欲しくなって来たぞー(笑)
ジリオン661MHFBにタトゥーラSV TW6.3の組み合わせ。あー欲しい!