Ultimate 9月8日号

特集1

The winning tackle!

平川選手を勝利に導いたモノは?

 

 前回、W.B.S.トーナメント最終戦におけるDAIWAチームの大活躍を速報させていただきましたが、先日それをフォローするカタチで追加取材を行いましたので、今回はさらに突っ込んだ内容をお届けいたします。

 優勝の平川選手は初日、二日目とも霞ヶ浦全域を回り「深いところと浅いところ」で丁寧の上にも丁寧な釣りで両日ともリミットメイク、テキサスリグオンリーでトータル10630gという素晴らしいスコアをマークして今年の掉尾を飾りました。

 本人はお立ち台で「普通のことをしていただけ」と謙遜していましたが、釣り場に応じてシンカーの種類、重さを変えるなど細かなワザを駆使して、他のチームが釣れなかったスポットでもバイトを獲っていきました。

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ワザを駆使してタフな霞ヶ浦水系を釣り切った平川選手。全選手中唯一フルリミットを達成して優勝したのでした

 

 平川選手はサブに2システムを用意しましたが、二日間のほとんどを以下の1システムで釣り切りました。

 

Rod: DAIWA タトゥーラ6101MXB

REEL: DAIWA タトゥーラSV TW 7.3R

LINE: DAIWA モンスターブレイブZ 18lb

LURE: クロー系ワーム

RIG: テキサスリグ5g

 

 この1システムを駆使して様々なシチュエーションでシンカーを使い分けていたのです。

 シンカーワークをもう少し詳しく解説してもらいましたが、これはカバーの濃さなどで変えていたわけではなく、ボートポジションとスポットの距離、そして水深に応じて使い分けていたといいます。

 つまりロングアプローチで深いスポットを釣る場合には、ラインの抵抗でリグが浮きあがってしまうため沈みやすいタングステンシンカーを使い、遠いスポットでも浅いところを釣る場合はタングステンではないモノを使っていたということです。

 また、ブレイクの上にボートポジションを獲った場合、ダウンヒルに引く場合は重いタングステンシンカーを使い、アップヒルに引く場合は根掛りを避けるためにタングステン以外のシンカーを使うというように、ボートとボトムとの関係性によってもシンカーの重さ、種類を使い分けていたということです。

 1システムでの使い分けですから、当然、シンカーを変える時にはリグリ直すことになります。面倒といえば面倒で、時間のロスもあるように思えますが、結果的にラインチェックにつながり、ラインブレイクの危険を回避することにもなったのです。渋い中ではこの「ひと手間」が釣果につながるのです。

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平川選手はサブに2システム用意はしていたものの、ほぼ二日間タトゥーラ6101MXBで釣り切った

 

 シンカーは3.5g、5g、7g、10g、の4種類ですが、これらのシンカーの使い分けを可能にしていたのが、同選手がメインに使っていたロッド=タトゥーラ6101MXB。

 「あのソリッドティップだからこそ、リグの重さを感じることができ、シンカーの使い分けが可能でした。同じ5gでもタングステンとそうでないシンカーの抵抗は異なります。その微妙な違いを教えてくれたのがタトゥーラ610MXBのティップなのです」

 平川選手もこう語っていたように、繊細なシンカーの使い分けの裏には、ロッドの特性を考慮した戦略もあったのです。

 「しっかりしたバットと繊細なソリッドティップを持つロッドということでタトゥーラ6101MXBをほぼ一日使い切りましたが、いい仕事をしてくれました」

 こうまとめてくれた平川選手。タックルの特性を冷静に理解し、それを実戦に導入して勝利に結びつけました。まさにクレバーな闘いぶりだったといえましょう。

 

 

特集2

A.O.Y.を手繰り寄せたタックル

草深幸範選手の回想

 

 一方、最終戦の最終日にきわどい勝負を繰り広げ、しぶとくA.O.Y.の栄冠を獲得した草深幸範選手。二度目のA.O.Y.ですが、今回は狙って獲っただけに感動も大きかったようです。

 同選手は後日、こう語ってくれました。

 「いやー、今年は本当にタックルに助けられました。トータルでDAIWAのタックルは素晴らしいと思っていますが、今年はとくに何種類かのアイテムが危機を救ってくれました」

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栄光のA.O.Y.の座に輝いた草深選手。二度目の快挙です

 

 それでは草深選手のA.O.Y.獲得に貢献させてもらったタックルをおさらいしてみましょう。

 

BL+701HRS

 パワーフィネスジグSS(プロト) 

 3月という異例な時期に行われた第一戦。草深選手としてもその時期の試合は経験もなく、5本揃えることはかなり厳しい状況。ゆえに1本でも多く拾ってくる釣りが求められました。しかし同選手には秘策がありました。他の選手にない釣り方を用意していたのです。それはパワーフィネス。

 「あの釣りは自分にしかできない」と確信を持ち、昼近くになって魚がシャローに上がってくるタイミングで、北利根のブッシュをパワーフィネスジグSSのプロトで打てば狙い通りのキロアップが来ました。トータルスコアは2本で2135g、これでも6位でした。

 「予想以上に釣れていない試合だったので、結果的にまずまずの順位でした。あの1本を獲らせてくれたのは、ロッドとジグのおかげです。厳しい条件で外さなかったのは大きかったです」

 亀山湖などでこの釣りを研究し尽くした努力が実ったといえましょう。

721MH/HXB-SV ストライクフォース

 731MRM–LM スカイホーク

 661MFB-SV ウェアウルフ 

 4月に行われた2デイ。試合前には小野川が激熱。かなり釣れていたようです。だから草深選手も視野に入れていましたが、フライトが悪く時間効率を考えて除外。「その判断が結果的に正解でした。今年のターニングポイントでした」と語っていたように、小野川に行かずに沖のヘビーキャロライナリグ(ストライクフォース)、ビッグミノー(スカイホーク)、シャローはスナッグレスネコリグ(ウェアウルフ)という3本立てで、二日間10kgオーバーを持ち込み準優勝。この時点で早くも年間レースのトップに立ったのです。

 「年間を考えたら、ミスなく二日間を乗り切れたのは大きい。自分が置かれた状況の中でベストゲームが出来ました。自分をほめてあげたいです。とくにキャロでのストライクフォース、巻物でのスカイホークにはこの試合に限らずいつも助けられています」

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スタート前の輪乗りの草深チーム。気合が入る瞬間です

 

クロノス 671MLB

 ガストネード

 6月に行われた第三戦。時期的にはポストスポーンですが、まだ魚がディープに落ち切っていないと判断した草深選手は、敢えて大減水のシャローにフォーカス。ボートが入れないようなドシャローでゲームを展開して5kgオーバーをマーク。見事に準優勝しました。

 この試合で活躍したのがガストネード。魚が多いエリアでサイト、もしくはハーフサイトでガストネードを駆使してナイスバスを連発しました。ロッドはクロノス671MLB。

 「いゃあガストネードは釣れますよ。ズバリ、勝てるルアーです」

 そのガストネードに指名したロッドがクロノス!

 「ガストネードが軽いので、それを正確に投げるためには高弾性のロッドだと少し難しいんです。その点、ルアーの重さを十分に背負ってくれるクロノスはベストなんです。ディスタンスも必要だったので67という長さが飛距離と精度を両立してくれました。僕は価格には関係なく、その釣りにベストなロッドを使います。いいものはいいからです。このゲームではストレートワームのノーシンカーも活躍してくれました。そのロッドはスティーズのスカイボルト 651LFS、意外と難しいスピニングのキャストを高次元にこなしてくれました」

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佐藤選手と組んで準優勝した第3戦。ガストネードとクロノスが火を噴きました

BL+661MRB-G

 実は草深選手、最終戦はかなり苦戦しました。年間レースをトップで迎えたものの、最終戦の初日で3275gと、やや失速。2位との差はわずか1kg少々に縮められてしまったのです。こうなると追われるものの方により大きなプレッシャーがかかります。

そんな状況で迎えた最終日。早い時間帯にキーパーをライブウェルに納めて気を楽にゲームを進めたいところですが、なんと11時の時点でわずか1本! 2本目が来たのが11時半頃だといいます。他の選手の釣れ方次第ですが、これはもう逆転されたのと同じです。

ですが草深選手はいささかも諦めることなく、最後の最後まで真剣にキャストを繰り返しました。

そして12時を過ぎてからシャローで立て続けに2本獲ることが出来ました。ドラマは最後の1本です。リグっておいただけで、それまで一回も手にしなかったスピナーベイトを投げたのです。

「それまでシャッドテールのワームを投げていたんですが、何かが違うと感じたんです。そこで自然にスピナーベイトに手が出ました。それに来たキロアップが結果的に私をA.O.Y.に導いてくれたんだと思います」

そのロッドこそ、草深選手がスピナーベイトマイスターと信頼するBL+661MRB-G。

「とにかくバラす危険性が少ないのが最高です。ルアーを飛ばしたりするのは練習次第でなんとかなりますが、バラさないということに関しては、自分ではどうにもなりません。ロッドの仕事です。ですからスピナーベイトにはこれしかないと使い続けています」

それにしても最後の最後にA.O.Y.につながる1本をひねり出したスピナーベイト、そしてその魚をバラさずボート上まで運んでくれたロッド、まさにA.O.Y.獲得の立役者といえましょう。

こうして草深選手は見事に「狙って獲った」A.O.Y.の栄冠に輝きました。その栄誉にDAIWAタックルが貢献できたことは、望外の喜びです。

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どんな組織でもA.O.Y.は最高の栄誉。これで来年のオールスターも当確となりました

(写真はすべてW.B.S.)

 

 

特集3

橋本選手、

JB2 霞ヶ浦第3戦で

3位入賞!

 

 9月2日、JB2 霞ヶ浦第3戦が行われ、DAIWAチームの橋本卓哉選手が3位入賞しました。

 この日は生憎の雨風が吹きまくり、エリアも縮小されたほど。そんな中、橋本選手は得意のスピナーベイト一本に絞り、魚を探しながらジャカゴや石積みをチェックして3本3152gを持ち込みました。

 エリア縮小の結果、狭いスポットに選手が集中する中、橋本選手はキャストの精度を上げて、人よりも静かにタイトにアプローチ。ナーバスなバスに口を使わせていました。

  タックルは言わずと知れたBL+661MRB-G。橋本選手は「風が吹きまくる中でのスピナーベイティングに最高のパフォーマンスを演じてくれた」と語っていました。

ちなみにリールはSS SV SLPチューン、ラインはモンスターブレイブZ 14lb でした。

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バッティングが多発する中、みごとにリミットメイクを果たした橋本選手。やる時はやります(Photo: JBNBC)

 

 

特集4

やぐっちゃんの

Fish this moment

 

皆さんこんにちは!やぐっちゃんのfish this momentです!

お盆も過ぎ9月上旬の霞ヶ浦水系は雨が数回降り、川の雰囲気もガラッと秋の感じになりました。

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霞ヶ浦の小規模流入河川も秋の気配が濃くなってきました

 

さて今回は季節の変わり目で、やぐっちゃんが個人的にハマっている釣りをご紹介します。

それはスティーズ・ポッパーなんです!

キッカケは橋本プロのアルティメット動画!(笑)

サイズ感といいカラーバリエーションといい、釣れる要素満点なスティーズ・ポッパーなんですが、その能力を100%出す為にはやはりナイロンラインをオススメします!

やぐっちゃんは、デフバス ナイロン12ポンドを使用しています。

ルアー自体小ぶりですし、あまりストラクチャー絡みの所には投げないので操作感重視の12ポンドで!

そしてナイロンというのがキモ。

スティーズ・ポッパーは連続アクションでも使えるし時にはそれがハマる場合もありますが、基本的には止める動作も食わせるための重要なテクニックです。そこでフロロラインを使うと止めた時にラインが沈んでしまい、次のアクションの時にポッパーも水中に潜ってしまうんですよね。

それじゃあスティーズ・ポッパーの力を出すことは出来ませんので、ナイロンラインはマストアイテムかと思います!

使用ロッドはブラックレーベル+661M/MLFBにジリオンSV TWのハイギア!

スティーズ・ポッパーのサイズでしたらアルファスSVがベストですが、ジリオンSV TWでも小型スモールプラグを投げられちゃいます!

やぐっちゃん的にオススメなのがタマムシカラーのジュエルビートル! なにやら人気でお店にもなかなかない?なんて話も聞いたことがあります

皆さんもこれからの秋にかけてスティーズ・ポッパーでトップゲームを楽しんじゃいましょう!

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これからの季節もトップはバリバリ熱いです。都合により今回は魚の写真はありませんが……キッパリ?