特集1
短期連載
このニューアイテムに期待する その3
テーパードワイヤーの秘密……橋本卓哉
今年、DAIWAメンバーが期待するニューアイテムを特集しているこの短期連載、今回はW.B.S.トーナメントをメインに闘う二人のプロが登場します。
一人は橋本卓哉。ご存知、スピナーベイトの使い手として知られる同プロだけに、注目するのはズバリ「スティーズ・スピナーベイト」。
すでに世の中に出尽くした感のあるスピナーベイトですが、まだまだ進化の余地はあるもの。スティーズ・スピナーベイトもシンプルな外観に画期的なテクノロジーが秘められているのです。
シンプルなだけにスピナーベイトは奥が深いものです
その秘密はテーパードワイヤー。橋本プロはこう語ります。
「スピナーベイトというのはブレード、ヘッド、スカート、フックなどの集合体で、見かけはとてもシンプルです。でもそれだけに奥が深く、新しい機能を生み出すことは至難の業といえます。そんな中でスティーズ・スピナーベイトが狙ったのは立ち上がりの良さと活発なバイブレーション。ブレードを薄く浅く設計したのはそのためです」
確かにスピナーベイトの立ち上がりの良さは実釣を考えると非常に大切です。実は着水とほぼ同時のバイトが頻発するのがスピナーベイトだからです。
「でも、薄く浅いブレードは立ち上がりはいいんですが、一度泳ぎ出すと振動力は弱まり、水をかく力も少なくなってしまうんです。それにはワイヤーを細くすればいいんですが、スピナーベイトというルアーはカバーで多く使われます。ですからワイヤーを細くすると耐カバー性能が侵されることになってしまいます。
バイブレーションは欲しいがヘビーデューティーさも欲しい。その矛盾を解決したのがテーパードワイヤーなのです。要するに肝心な部分だけ細くなっているわけですね。この結果、ブレードの回転と耐久性という矛盾を解決したのです。どの部分が細くなっているのか……それは秘密です」
「DAIWAさんの開発陣にも数限りなくテストしてもらって、ブレード、ワイヤー、ヘッド、フックの組み合わせの中から一番バランスのいいところを突き詰めてもらいました。
ですからスティーズ・スピナーベイトはカバーでもオープンウォーターでも使える、魚を寄せるパワーがあるマルチなルアーだといえます」
と橋本プロは語ってくれました。スティーズ・スピナーベイトは今年、季節を問わず活躍してくれることでしょう。
テーパードワイヤーのおかけで、バイブレーションと耐カバー性能を両立させたスティーズ・スピナーベイト
エアエッジのソリッドに期待する……草深幸範
一方、2017年のW.B.S.A.O.Y.草深幸範が期待するのはエアエッジの二つのニューアイテム 671MB-ST-Eと701MHB-ST-E。両方ともソリッドティップですが、それは同プロが予見する今年の釣と密接に関係しています。
草深プロはこう語ります。
「いままで、沖の釣りをメインにトーナメントを闘ってきましたが、それも年々難しくなってきました。そこで2017年は原点に帰ることにしたんです。原点、それはシャローです。
ニュートラルにW.B.S.トーナメントを眺めた場合、やっぱりクローズアップされるのはシャローなんです。実際、去年の後半はシャローでいいゲームができました」
「でもシャローも誰もが釣りをする場所です。同じところで同じ釣りをしても、勝てません。トーナメントで人に差を付けるには『ちょっとした』釣り方の違いが要求されます。
そのカギを握るのがソリッドティップなのです」
草深プロは以前からエアエッジのソリッドティップに注目して使ってきました。
「そうです。昨年はプロトを試合に導入して結果を出してきました。今年はそれが主軸になると思います。
基本は葦際やバンクを打ったりするんですが、タイトに狙うだけでなく、少し離れたこぼれ石などが熱いのです。そういうところに魚が付いていることが多いからです。根掛かるほどの存在ではないんですが、そうしたちょっとしたスポットがこれからはキーになると思います。
というのも、やっぱりプレッシャーで魚はカバーからポジションを変えて付いているんです。クリヤーウォーターでの釣りを重ねて、それがわかりました。そうした状況を目視できましたからね。リザーバーでの練習はムダにはなりませんでした」
「そういう『ちょっとした変化』をソリッドティップは教えてくれるんです。ティップがクッと入ってくれる。軽く引っ掛かるんです。そうするとルアーが止まる間を与えてくれる。弾性が高いティップだとそういうところは通過してしまうんです。
『ちょっとしたところ』でルアーを止めてくれる……その動作をロッドがやってくれるんです。それが硬いソリッドテッィプのメリットですね」
ソリッドティップのエアエッジで釣った豊英湖のグッドサイズ。「リザーバーでの修業は多くのことを教えてくれた」と草深プロは語っていました
「2018年も当然A.O.Y.を狙っていますが、そうすると一本たりとも魚を疎かにできません。そんな意味でも『ちょっとしたスポット』を教えてくれ、ルアーを止められるエアエッジのソリッドティップは大きな戦力になってくれるといえます」
と語ってくれた草深プロ。初戦は3月25日。厳しい時期ですがいいスタートを期待しましょう。
特集2
佐藤健人
徳島チャプターで
ぶっちぎり優勝!!
前回、このコラムでご紹介させていただいた四国のフレッシュ・アングラー佐藤健人が早速やってくれました。3月18日に徳島県の旧吉野川で開催されたチャプター徳島第一戦で見事に優勝したのです。
優勝といっても普通の優勝ではありません。なんたってウェイトがスゴイ! 3本で5353gという強烈な数字を叩き出したのです。
過去、徳島チャプターでは5500gというレコードウェイトが出たのですが、年々渋くなる旧吉野川なので、もう5kgオーバーは永久に出ないだろう、といわれていました。それが出ちゃったのです。このニュースが全国的に衝撃を巻き起こしたのも当然ですね。
3本5353g! このウェイトはまさに事件! 佐藤健人プロにはどこか大物感が漂っています
佐藤選手の釣りはジャークベイトで2kgアップ、スモラバで1.8kgそして高比重ワームのノーシンカーで1.7kgを獲ったというものですが、3本すべて50アップだったといいますから、こちらも衝撃的です。
もちろんDAIWAタックルも大活躍。3システムをご紹介しますと、
●ジャークベイトには
ロッド:エアエッジ 661MHB-E
リール:スティーズSV TW
●スモラバには
ロッド:エアエッジ 641UL/LS-E
リール:スティーズ タイプ1 ハイスピード
ルアー:スティーズ・スピンフィネスジグ1.8g+スキニーカーリー
●高比重ワームには
ロッド:エアエッジ 641MLS-E
リール:スティーズ タイプ2 ハイスピード
という素晴らしいシステム。それにしても3本5353gというウェイトには今さらながらに驚かされます。やることが派手な佐藤選手には、何故か大物感が漂っています。これからますます注目していただきたい存在です。