Ultimate 8月24日号

特集1

夏休みに極めた

ソリッドティップとパワーフィネス

……平川プロの研鑽

 

 DAIWAメンバーの一員、平川皓也プロは現在、所属していたW.B.S.を一時お休みしています。その理由は……霞ケ浦というマッディシャローレイクとは違ったウォーターでの釣りを研究してみたい、というもの。それゆえ現在は千葉県のリザーバーをメインに釣行しています。

 水が綺麗でルアーの動きや魚の反応が目視できるのも勉強になる、と意欲的に通っているようです。

 そんな平川プロにとって、夏休みは絶好のタイミング。

 「集中的に練習できるので、状況も変わらず復習もできます」

 ということで今年は9日間ある夏休みの内、5日間を釣りに費やしました。それ以外の日々は家族サービスに励んだことも念のためにご報告しておきます。

 5日間の内2日は霞ケ浦、1日は野池のオカッパリ、そして2日は千葉のリザーバーに釣行したそうです。

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リザーバーでの釣りは平川プロに新しい世界を見せてくれたようです。前方のアングラーにも見覚えがありますね

 

 8月19日午後、霞ケ浦で早朝からボートを出していた平川プロに、夏休みに学んだことを聞いてみました。場所はW.B.S.選手の聖地・阿見のデニーズです。

 

 平川プロはこう切り出しました。

 「リザーバーでの釣りは霞ケ浦では体験できない多くのことを教えてくれました。

 私が極めたと思うことは二つあります。

 ひとつは

ソリッドティップの釣り。

 もう一つは

パワーフィネスの釣りです」

 

 それでは一つ一つ解説していただきましょう。

 

その1 ソリッドティップのアドバンテージ

 

「リザーバーで釣り込んでいくと、ソリッドティップの使い方がより明確に理解できます。向いている点とそうでない点が分かるのです。

 向いていないのは、ブッシュにルアーを入れるような釣りです。こういうシチュエーションでソリッドティップを生かそうとすると、竿先が喰い込んで釣りづらくなります。リザーバーに多く見られる、枝が錯綜しているようなスポットでは、逆にストレスになります。むしろチューブラーの方がいいですね。霞ケ浦で釣りをしていると、こうしたこともなかなか経験できません」

 それではソリッドティップが向いている点はどんなところなのでしょうか。

 「テキサスリグやフットボールジグなどで岩盤を落とし込んでいく時は、ソリッドティップに絶対的なアドバンテージがあります。チューブラーだと、ボトムをダイレクトにトレースできないというか、起伏自体わからないことがあるんです。 

その点、ソリッドティップだと急斜面でもルアーをコントロールしながら落としていくことができる。ティップがルアーの重みを感じてくれるからです。

 こうしたボトムの急斜面は霞ケ浦だと浚渫ぐらいしかないので、気づきにくいことだと思いますが、リザーバーで釣りをしていると自然に体感できることです」

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エアエッジ701MH-STで獲った51cmと40cm後半のバス

 

ちなみに平川プロが使用しているソリッドティップのタックルは

ロッド:エアエッジ671MB-ST または 701MHB-ST

リール:タトゥーラ SV TW 7.3R

ライン:スティーズフロロ タイプモンスター14または16lb

 

その2 パワーフィネスの凄み

 

 平川プロがリザーバーの釣りを通して一番衝撃を受けたのは、パワーフィネスの強烈な釣れ方だといいます。もちろん、以前からこの釣りを経験してはいましたが、集中して釣り込むことによって「一層、磨きがかかった」と語っていました。

 「パワーフィネスの釣りは釣れます。本当によく釣れる。釣り自体は難しいんですが、それをこなせば強烈に釣れます。プレッシャーの中でも、他の人が流した後でも釣れる。それはオドロキです。 

難しい点はまず、キャスティング。逆にいえば狙いのスポットにルアーを入れることができれば、釣れる確率はグンと高まります。次に難しいのはスピニングリールでのフルフッキング。ドラグをフルロックして一気にアワセます。

パワーフィネスの釣りは奥が深い。思った以上に深遠な世界です。リザーバーの釣りを通して、私が一番感じているはそこです。ローカルの凄腕アングラーの釣りがわかると、奥深さを垣間見ることができます」

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パワーフィネスならこうした魚も釣れる確率が高まります

 

●画期的! 12ブレイドのライン

 「パワーフィネスとはひとことでいえば、軽いルアーをカバーに入れる釣りなんですが、ベイトフィネスだとラインに不安があるカバーでも、タックルが負けずに釣ることができるんです。

 当然、パワーフィネスに適したタックルというものがあるんですが、強調したいのがライン。私は12ブレイドのPEラインを使っていますが、軽い力でスムースに飛んでくれるのと、適度な重さがあるので枝越しの操作性に優れています。具体的にはフワフワとフケたりしないのです。ラインはパワーフィネスには重要な意味を持っていることは、意外と知られていません」

 さらに霞ケ浦がホームだった平川プロにとって、ミドルレンジでの釣りが多くなるリザーバーは新鮮な世界。ボトムを取ることが基本だっただけに当然といえば当然ですね。

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 パワーフィネスは野池でも絶大な威力を発揮します。ルアーはパワーフィネスシグSS3.5g チラシ

 

 こうしてリザーバーという新世界で研鑽を重ねている平川プロ。

 「ダム湖での大会などがありましたら挑戦してみたいですね」

 と目を輝かせていました。

 

 平川プロのパワーフィネスタックルは

 ロッド:クロノス 6101MHS

  リール:セルテート 2508PE(カルディアLT3000-CXH)

 ライン:ソルティガ12ブレイド3号(直結)

 ルアー:パワーフィネスジグSS  3.5g

 

特集2

佐藤健人プロ、

チャプター徳島年間1位にリーチ!!

 

 前回、このコラムでスティーズ・ポッパー70Fのエキセントリックな使い方を紹介してくれた徳島の新進気鋭アングラー、佐藤健人プロは8月19日に徳島の旧吉野川で行われたチャプター徳島第三戦で6位に入り、これで年間ランクは2位に! 最終戦が大いに期待できる展開となりました。

 といってもこの試合は佐藤選手にとって厳しいものでした。当初は濁りを考慮してスティーズ・カバーチャターを導入していましたが、意外に奏功せず昼までゼロ。

 そこで佐藤選手は今切川の竿抜けポイント、具体的には小さな水門も含めたストラクチャーをすべて撃って回り、4尾のキーパーを獲ったのです。

 リグは主に2種類。

 スティーズスピンフィネスジグ1.8g とネコストレート。

 この2種類で2尾ずつ釣り、3尾2040gというスコアを確保したのです。惜しくも入賞は逃しましたが、苦しい中でもなんとか踏みとどまったことで年間1位の座が見えてきました。9月9日の最終戦が実に楽しみです。

 

 佐藤プロのタックルは

 スティーズスピンフィネスジグ(ボトムで1点シェイク)

 ロッド:エアエッジ 641UL/LS

  リール:スティーズ 2500TYPE 1

 ライン:フィネスブレイブZ 3lb

 

 ネコストレート(スイミング)

 ロッド:STZ 641LXB-ST ハーミット

 リール:T3 Air

 ライン:フィネスブレイブZ 8lb

 フック:スティーズ ワームフックSS G・FN 1番

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 なんとかまとめて6位に入り、最終戦がますます楽しみになった佐藤選手