特集1
清水盛三がエリートで信頼した
17年間にわたるアメリカのトーナメント生活に今年で区切りを付けた清水盛三プロ。日本に帰国した現在は、とりあえずゆっくりと身体を休めて鋭気を養っているようです。
清水プロの引退はアメリカでも大いに惜しまれていました(Photo:B.A.S.S.)
「ホッとしました。肩の荷を降ろしたような感じです。アメリカのトーナメントに出ていた頃は、とくかく成績を出して皆さんの期待に応えたいと必死でしたので、釣れない時は辛い思いもしました。でも期待していただけたことは本当にありがたいと思っています」
清水プロは現在の心境をこう語ってくれました。
そんな清水プロがアメリカのトーナメントを闘う上で信頼していたタックルが、STEEZ A TW。その理由をこう語ってくれました。
「向こうはどうしてもパワーフィッシング主体になります。だからベイトキャスティングリールの出番が増えます。そうなると一番に求められるのがハードな使用における耐久性です。機能性は当然ですが、それよりも耐久性です。簡単にいうと、壊れないのが一番なのです。現場でのトラブルは絶対に避けなければなりません。その点、STEEZ A TWはタフで信頼性は十分でした。
私はこのリールを3年半使いました。アメリカのトーナメントは過酷です。そんな中で、初期段階の性能が長く持続してくれるのは何より有難かった。リールというものは使っているうちにどうしても多少のガタが出るものです。ですがSTEEZ A TWはそれがとても少ない。
B.A.S.S.のエリートでは決勝まで行くと練習日から7日間連続で釣りをします。ハードな釣りが連日、繰り返されるのです。そんな時にリールのパフォーマンスレベルが下がっては試合になりません。
とにかく何の不安もなく釣りが出来ることが最大の条件なのです。その点、STEEZ A TWは実に頼りになります。ストレスなく釣りが出来るんです。
そんな意味では、ここ数年のトーナメントを支えてくれた一つの要因がこのリールだということができます。そのぐらい頼り切っていました」
こう語ってくれた清水プロ。これからも国内で様々な活動を展開していくようです。STEEZ A TWのポテンシャルも生々しく訴えてくれることでしょう。ぜひ期待したいところです。
特集2
二人のヒーローが語る
タックルの優越!
この秋のビッグイベントシーズンを前に、バストーナメントもクライマックスを迎えようとしていますが、そんなタイミングで幸先の良い嬉しいニュースが飛び込んできました。W.B.S.の橋本卓哉、そしてH-1グランプリのオリキンこと折金一樹が年間チャンピオンに輝いたのです。
橋本卓哉プロは大逆転で2度目のA.O.Y.、オリキンに至っては2回目の年間チャンピオンで、まさに偉業です。こちらも大逆転でしたね。
というわけで今回は二人が栄光を掴んだ過程を、とくにタックルシステムにフォーカスして特集してみました。
その1 W.B.S. A.O.Y. 橋本卓哉プロの場合
胸のすくような逆転劇で橋本プロはA.O.Y.の座を奪取しました
8月25、26の二日間、霞ケ浦で行われたW.B.S.最終戦で橋本プロは4位に入賞し、逆転で2度目のA.O.Y.に輝きました。
橋本プロは第一戦優勝、第二戦3位と最高のスタートを切りましたが、続く第3戦と第4戦で外して、暫定ランク5位で最終戦を迎えました。
その初日に5555gを持ち込んで暫定2位に順位を押し上げ、二日目に4255gとまとめてトップに立ち、そのまま逃げきってA.O.Y.の栄冠を奪取したのです。
そんな橋本プロの今年の戦いでメインとなったのが以下のシステム。
ROD: ブラックレーベル+ 661MRB-G
REEL: STEEZ SV-TW 6.3:1SLPワークスチューン
LINE: モンスターブレイブZ 14lb
LURE: スピナーベイト 3/8DW ホワイト系
スピナーベイトを使う上で最高のマネータックルとなっているシステム(手前 Photo:W.B.S.)
第一戦で1925gと1700gというビッグフィッシュを連発させたこのシステムは、スピナーベイトを風上に向かって投げ、追い波に乗せて引いてくるというワザを容易に行わせてくれたようです。
橋本プロは初戦で6kgオーバーのウェイトで優勝して、最高のスタートを切りました(Photo:W.B.S.)
そしてこのシステムは最終戦でも大活躍して、橋本プロのA.O.Y.獲得に大いに貢献しました。初日に入れ替えた魚はすべてこのシステムでスティーズ・スピナーベイトを使って獲ったようです。
「全体的なバランスが優れているんですが、とくにロッドのバラシにくさ、扱いやすさが最高です。霞ケ浦みたいにタイトにロッドを振らなければならない状況では、長いロッドはむしろ邪魔です。アキュラシーが優先されますからね。その点スピナーベイトに関してのこのロッドのキャスタビリティーは抜群です。ちょっと硬めなんですが、それも自分の釣りにマッチしています」
と橋本プロは全幅の信頼を寄せているようでした。
第二戦での無風状態でのシャッディングに投入したシステムも印象に残ります。
ROD: STEEZ651MLRB (06ブリッツ)
REEL: SS Air SLPシャッドチューン
LINE: フィネスブレイブZ 10lb
LURE: スティーズシャッド SLP オリジナルカラー
11時まで2本しか持っていなかった苦しい状況の橋本プロにナイスバスを連発させ、3位に押し上げてくれたシステムです。こちらはルアーのアクションとカラー、そしてリールの性能がキモでした。
それだけではありません。要所要所で導入したテキサスリグのシステム
ROD: STEEZ 7011H/MHFB-SV (17ハリヤー)
REEL: STEEZ SV-TW8.1:1SLPワークスチューン
LINE: STEEZ フロロ 14lb
そして最終戦でリミットメイクに大貢献したギル系ワームのテキサスリグのシステム
ROD: エアエッジ701MHB-ST
REEL: STEEZ SV-TW 8.1:1SLPワークスチューン
LINE: STEEZ フロロ 14lb
もそれぞれいい仕事をしてくれたようです。
こうして、タックルのパフォーマンスを最大限に発揮させて橋本プロはW.B.S.のA.O.Y.に輝きました。すべてタックルの特長を完璧に理解して、釣り方に応じたクレバーな使い分けがA.O.Y.というビッグタイトルにつながったといえましょう。
その2 衝撃の結末! H-1 グランプリ最終戦のオリキン
2回目の年間チャンピオンです! まさに偉業です。
9月2日に相模湖で行われたH-1 グランプリ最終戦において、オリキンは3260gで優勝。同時に年間チャンピオンの座を逆転で手中にしました。
暫定4位で最終戦を迎えたオリキン。狙うは2回目の年間チャンピオンしかありません。でも、そうなると優勝はマスト。しかも3kgは釣ってこないと......という厳しい状況でした。
そこでオリキンが組み立てたプランは1500gフィッシュ×3本というどん欲な数字。プラで導き出した具体的な釣り方は、本湖のワンドの2から4メートルラインでワカサギとリンクしているビッグバスを狙うというものでした。
試合当日はそういったエリアで、シャッドやマグナムクランクそしてメタルバイブなどを駆使して、オリキンは順調に釣果を重ねていきました。ちなみにオリキンは「後悔したくないから」と全部で13本のタックルをボートに積んで行きました。羽根モノに組んだシステム以外は全部投げたといいます。
オリキンは様々なルアーで計6本の魚を釣りましたが、下のシステムで釣った魚が3260gというウィニングウェイトに貢献したようです。
●シャッド用
ROD: ブラックレーベル681ULFS
REEL: セオリー2506H
LINE:PEパフォーマンス0.8号
●マグナムクランク用
ROD: エアエッジ 731MHB-G
REEL: STEEZ A TW 1016XH
LINE: モンスターブレイブZ16lb
●メタルバイブ用
REEL: SS SV 8.1L
LINE: STEEZ フロロ 10lb
このうちグッドサイズはマグナムクランクとサスペンドシャッドで釣れたようですが、タックルに関してオリキンがとくに印象的だったと語っていたのがマグナムクランクに使用したエアエッジ。
「長さと粘りで乗りもいいし、キャストも決まります。抵抗が大きいクランクベイトを使ったんですが、全体でその抵抗を受け止めてくれました。バイトに対しても余裕がありましたし、頼れるロッドだと感じました」
との言葉を残してくれました。
相模湖ダイブの写真を見せてくれたオリキン。疲れているハズですけど相変わらずサービス精神は旺盛です
こうして「ここまで完璧にハマッてくれた試合は珍しい」という見事な逆転劇でオリキンは2回目の年間チャンピオンに輝いたのです。凄腕が集まるH-1グランプリですから、その偉業は推して知るべし。9月2日は全国的にオリキンの凄さを見せつけた一日になったようです。
オリキンは試合当日の夜、日相園で開催されたバーベキューに参加。そのまま相模湖泊まり。翌月曜日は釣具店に行ったり、メーカーさんへの挨拶回りを行ったりで、君津の自宅に帰ったのは深夜。取材をさせてもらったのも遅くなった原因の一つですが......。とにかくクタクタのはずでした。
そんなオリキンに
「明日はゆっくり休んでください」と申し上げたら
「いや、亀山ガイドが入っています」
と軽く流されました。いやー、オリキンはやっぱり超人! 只者ではないということがわかりました。