Ultimate 9月28日号

特集1

このパフォーマンスは超絶やデ

村上晴彦 ジリオンTW HLC 1516を語る

 村上晴彦といえばツネキチリグの開発者。それを駆使してのセコ釣りが有名ですが、琵琶湖の、例えば和邇川あたりのハマからハートランドでヘビーキャロライナリグをド遠投する釣りでも一世を風靡した男です。もちろんその釣りは現在でもバリバリ現役ですが、最近ご本人はどうも海の男となっているような印象。

 以前、電話する機会がありましたので、そのことを聞くと

 「いゃあ、海に一生懸命なのはあっちが楽園だからやね。といっても釣れる、いうだけやなく、タックル面で勉強になることが多いネン。もちろん、バスの方が進んでいることは間違いない。そやけど、バスタックル開発のネタになることも少なくないんヤ」

 という答えが返ってきました。

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 それはともかく、今回あらためて連絡をさせてもらったのは7月発売のジリオンTW HLC 1516のインプレを聞くため。開発段階からこのリールを触って来た同氏への質問としては今さら感がありますが、実際に常用してからは新しい印象もあるはず。そして久し振りに村上節を聞きたかったこともあったからです。 

 というわけで、意表を衝いて午後の4時という中途半端な時間に電話をしてみました。

 いつもつながらないはずの電話が一発で「モシモシ」でしたのでビックリしました。

 「ちょうど散髪がおわったところやった」

 ちなみに関西の人は床屋に行っても美容院に行ってもカット屋に行っても、髪を切れば決まって「散髪」といいます。

 まっ、そんなことはともかく、村上氏はジリオンTW HLC 1516の最新インプレに関してカジュアルに答えてくれました。

 「ああ、ジリオンTW HLC 1516ね、ええデ。パフォーマンスは期待通り。まったく問題なしやネ」

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 村上氏にとってのジリオンはThis is 遠投リール。飛びが命です。トーナメントシーンでよく見られる、オフショアーでのキャロはピンポイントを探る釣りの方が主流になっていますが、ハマからはやっぱり飛ばしてナンボ。村上氏も常にそこにはこだわっています。

 「そや。ハマからは飛ばんとね、それも気持ちよく。その点、このリールの飛びは十分気に入ってます」

 飛びに関してはいまさら語るまでもない、という口調で語ってくれた村上氏は、それ以外の細かなインプレも語ってくれました。

 「実際に使っていてもっと驚いたのは巻き抵抗の軽さやね。それも飛びと同じように気持ちエエで。これは使ってもろたらすぐに分かる。一発でこのリールが気に入るやろね」

 「ギヤー比が7.3:1やろ。いい感じやけど、あれは僕にしたらハイギヤーや。村上仕様で6.3:1も欲しいところやネ」

 「36mm深溝スプールの精度の高さも飛びと巻き抵抗の軽減に貢献しているのやろネ。とにかく当たり外れがまったくない完成度の高さヤ」

 「細かいところではワンタッチサイドプレートが指で外れるのがすごくイイ。現場ではとても重宝しています」

 「あとは前から好きやったカーボンクランクハンドルとパワーライトSノブが標準装備されていることも凄いワ。これも巻き抵抗の軽さに貢献しているデ。そして買う人にとっては割安感があるやろネ」

 と一気にしゃべってくれた村上氏。電話ではこまかいニュアンスが伝わらなかったかもしれませんが、同氏がジリオンTW HLC 1516を気に入っている様子が声のトーンで伝わってきました。

 氏がいうように「使ってみればわかるやろ」ということでしょう。魚が広い範囲に活動の幅を広げるこれからの季節、その飛びをぜひとも体感していただきたいところです。

特集2

できました!

赤羽修弥プロ監修!

スティーズミノー110SP SR 125sp SR  

すでにご赤羽プロのフェイスブックでも紹介されたように、スティーズミノーが10月に発売される運びとなりました。赤羽プロとともに開発を始め、苦節数年の末に完成した意欲作です。 実は今年の春に完成予定だったのですが、この時期にまでずれ込んでしまった理由は、妥協をよしとしない製作姿勢に他なりません。

このサイズのミノーはこの世界にあって激戦区。とくに110cmは名作揃いです。そんな世の中の一流のミノーに伍する、いやそれ以上のパフォーマンスを持たせるためには、なまじっかな機能では太刀打ちできない......そうした鼻息の荒さも開発に時間をとらせたのです。  

2018.9.28.1.jpgこれからがスティーズミノーの出番。その飛びとキレのあるアクションを満喫してください

そんなスティーズミノーに関して9月24日、霞ケ浦でのプラを終えた赤羽プロに直接お話を伺うことができましたので、レポートしたいと思います。  

このルアーを作るうえで赤羽プロがこだわったのは

① 飛び

② リトリーブにおける泳ぎのキレ

③ ジャーク性能

この三要素でした。

これらが多角的に高次元で機能するルアーを目指したといいます。そのために細長いボディを採用し、最適な内部の空気量を模索し、アクションを司るリップの大きさを追求したと語っていました。

3タングステンボールを採用したのも飛びを優先したため。3つにすることで径を小さくでき、細いボディの中でもテールの方まで目一杯移動させられるからです。

ミノーはその形状ゆえクランクベイトなどより製作に関する制約が多く、余裕も少ないので開発にもタイトさが必要でした。いってみれば糊代を許さない設計が求められたのです。  

そして試作に試作を重ね、飽くなきテストを繰り返した結果、ようやく発売に漕ぎつけることができたのです。赤羽プロも「かなり時間がかかりました」と語っていたほどです。  

10月に発売できたのも何かの縁でしょうか。まさにこれからがミノーの本格シーズン。いきなり真価発揮の場面がやってくるのです。  

このミノーのアクションで特徴的なのはダート幅を減らし、ロール主体だということ。まさに低水温上等の動きです。  

まだ水温が高い10月でしたら魚はルアーの横っ飛びにも反応できますが、次第に活性が落ちるので、あまり大胆な動きには追いつけません。そこにダート幅を減らした理由があります。ここぞというスポットをタイトに狙い撃ちできるわけです。

さらにタダ巻では一般的にウォブル系が多いミノーのアクションですが、スティーズミノーはロール主体。それも低水温期のポーズで食わせる釣りにマッチしています。  

そうです。まさにこれからが活躍の時期。北西系の風が強くなる晩秋から初冬は、風裏でのジャーキングが爆発します。  

いままではどうしてもシャッドメインになってしまうこの時期の釣りですが、ミノーの釣りをを加えることで、シャッドには反応しなかった魚に口を使わせることができます。 そして、スティーズミノーのようなサイズなら、よりボリュームのある個体が釣れるはずです。  

また、春先はウィンディーサイドのミノーイングが爆発し、例えば北浦のオカッパリタダ巻きパターンなどにも適応します。その活動範囲は半年以上にわたるのです。

 赤羽プロも苦労しただけあってこの出来栄えには自信を持っている様子。これから試合でもオカッパリでも、あちこちでスティーズミノーフィッシュが見られることでしょう。ズバリ、期待度二重丸です。

特集3

いよいよクライマックス!

DAIWAチームにご注目!!

 9月も後半に入ると、各トーナメント組織の試合もクライマックスに突入。そして10月27日~:BASSERオールスタークラシックも開催されます。その後はポストシーズンのローカルトーナメントが続き、新しい年に入っていくという、毎年の流れ。

 つまりこれからがバストーナメントにおける最も面白いシーズンというわけです。

 そこで直近のトーナメントを確認してみましょう。

 9月29、30の両日、JBマスターズ・ダイワカップが野尻湖で開催されます。DAIWAチームからは茂手木祥吾、鈴木隆之と佐藤健人が出場予定ですが、前回のマスターズの優勝者が鈴木隆之。引き続きDAIWA勢の連覇と行きたいところです。

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TOP50でも活躍中! 茂手木祥吾プロ

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連続優勝なるか!? 鈴木隆之プロ

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有終の美を飾りたい佐藤健人プロ

 同じ日程でW.B.S.のオープン・SHOWA DENKI CUP が霞ケ浦で開催されます。これは「オープン」と銘打たれているとおり、W.B.S.に限らず多方面からビッグゲストも参加するユニークなトーナメント。今回は26チームが馳せ参じました。

 昨年の優勝チームは草深幸範・柏木健作チーム。見事に優勝賞金100万円をゲットしましたが、果たして今年は......?

 赤羽修弥、平川皓也、草深幸範各プロの活躍に乞うご期待です。

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赤羽プロは平川プロと組んでの出場。チーム名は Team TATULA です

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草深プロはディフェンディングチャンピオンとしての出場です

 そして9月30日には利根川でTBCの最終戦が行われます。今年から同トーナメントに挑戦している島後英幸の戦いが注目されます。

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初挑戦でいきなり3位に入賞した島後プロ。最後も見せてくれるでしょう

 というわけで、9月最終週の週末はトーナメント花盛り。DAIWAチームの活躍を祈りたいところです。できれば現場で観戦したいものですね。