特集1
The 10連休!
草深幸範の発見!
史上初の10連休というロングバケーションをもたらした今年のゴールデンウィーク。世の中の恵まれた人々はまとまった休暇を目一杯楽しんだようですが、アングラーとしてはこの機会を利用して遠征したいところ。とくに関東のバスアングラーにとっては、あこがれの琵琶湖釣行を実現する絶好の機会です。事実、多くのバスアングラーが琵琶湖を目指し東名、中央高速を走りました。
DAIWAチームの赤羽修弥プロや草深幸範プロも琵琶湖遠征組でした。とくに草深プロはガイドとプライベートを兼ねて10連発で琵琶湖でサオを出しました。
魚のクォリティーが根本的に違うことはいうまでもなく、関東のフィールドでは体験できないウィードの釣りを学べるなど、アングラーを成長させるファクターが凝縮されたレイク、琵琶湖。その魅力はアメリカのプロも絶賛するほどです。
10日間の琵琶湖生活で多くの収穫を得た草深プロ
ましてや季節は4月から5月。プリスポーンからアフターまでの魚を相手にできるとあって、釣りの幅を広げる意味でも貴重なシーズンといえます。
すでに琵琶湖の経験が豊富な草深プロも、今年の釣行であらためて琵琶湖の解釈を深めた、と語っていました。
「聞いてはいましたが、今年はウィードが非常に少なくなっていましたね。だから地形がすごくわかりやすかったです。いろいろなエリアを見て回ったんですが、ウィードがないと意外と普通なんだな、という印象を持ちました」
琵琶湖といえばウィードの釣り。いわばウィードに支配されていたレイクです。それがないということは、どういう釣りになるのでしょうか?
「少なくなったといってもゼロではありません。所々には存在します。ですから少ないウィードを探して釣ることになります。浚渫などでも釣れますが、やっぱりバスはウィードが好きなんです。隠れ場所にもなるし酸素も供給してくれる。今回はフラットなウィードエリアを探して2メーターから4メーターレンジをメインに釣りました。ナイスなスポットも見つけられました。ウィードが枯れかかって茶色になっているエリアも捨てがたいものがありました」
琵琶湖でのウィードの釣りというと、やはりベイトキャスティングタックルを使ったパワーゲームがイメージされますが、草深プロはスピニングタックルを駆使したといいます。
草深プロがメインに使用したのは意外にもスピニングタックルでした
「今年のような状況を前にすると、どうしてもスピニングタックルがクローズアップされます。その理由は
1 ウィードが少ないということは、前述のように隠れ場所が少なくなったということで、
プレッシャーが増したバスは臆病になります。
2 少ないウィードはオープンウォーターと同じような状況を生み出します。ですから、奥に潜られることもないわけです」
こう解説する草深プロがメインに使ったタックルは以下の2システム
ROD:エアエッジ641L/MLS-ST
REEL:スティーズスピニング タイプⅡ
ROD:ブラックレーベルSG 641L/ML+XS
REEL:スティーズスピニング タイプⅡ
今年の琵琶湖での釣りに際して、草深プロは「ロッドの特性が際立った」と語っていました。
「エアエッジはショボイいウィードにもワームをしっかり入れてくれ、茎に上手くもたれさせることができます。そして簡単には外れにくい。ブラックレーベルもソリッド風のティップなんですが、ウィードをソフトに外すことができます。ワームが大きく飛んで行かないわけですね。
この二つのティップが非常に効果的でした。
結局、一つひとつのウィードにリグを絡めては外す、その繰り返しになるわけです。ですからウィードとの関わり方が大切になってきます。引っ掛からなくても、引っ掛かり過ぎても釣れない。この二つのロッドはその辺のコントロールがとてもやりやすかったのです」
ブラックレーベルでやり取りする草深プロ。ロッドのベンドがよくわかります。ベンドする位置がファーストテーパーにしては手元寄りで、だからウィードをソフトに外せるわけです。プンじゃなくフワッという感じですね
ターミナルタックルも脇を固めたと思いますが...
「それはいえますね。
ラインはステイーズフロロの4lb。これで10ポンドのロクマルも釣りました
シンカーはバサーズワームシンカーTGネイルの1.8gと2.2g。3メーターまでは1.8g
でそれより深いところは2.2gを使いました。ただし、さっきも言ったようにウィードとの引っ掛かり方がキモですから、浅くてもひっ掛けたい時は2.2gを使いました。
フックはスティーズワームフックSSのフィネス♯2。ワームには少し大きい気もしますが、バスがデカイのと、ウィードがきつくないのでこれをチョイスしました。
ワームはストレートタイプですが、ネコストレート5インチをメインに使いました。ロングキャストするのでバザーズワームチューブ内径5mmが頼りになりました」
こうして10日間の琵琶湖生活を総括してくれた草深プロ。その充実ぶりは話しを聞くだけで伝わってきましたが、今後の釣り人生にも大きな収穫となることでしょう。
ネコストレート5インチに来たナイスサイズ。やっぱり琵琶湖の魚ですねー
特集2
ここで差が出た
シラウオパターン!
4月に北浦で行われたW.B.S.第二戦で橋本卓哉プロが準優勝したことは既報ですが、時間が経つにつれて浮き上がってきた事実もありますので補足します。
意外といっては失礼ですが、橋本プロは緻密なタックルチョイスでW.B.S.第二戦に準優勝しました
ご承知のようにこの試合はシラウオパターンがキーでした。産卵のためにシャローに上がって来たシラウオが東系の風で西岸に吹き寄せられ、それをフィーディングターゲットとして追いかけるバスを狙うという釣りです。
当然、ほとんどのチームが北浦西岸でそのパターンを推し進めました。でも釣れたチームもあれば釣れなかったチームもある。どのチームもシラウオを意識したサイズ、カラーのワームを使っていたはずです。それでも差が出た......それはズバリ、細かなテクニックとそれを実現させたタックルシステムといえます。
優勝チームの釣りは白浜沖のハードボトム、具体的にはブロックの沖側と岸側の角に3.5インチのピンテールのダウンショットを置いて待つというもの。パワーポールを挿してエレキも魚探も切って静かに釣りました。産卵に差してくる魚の通り道を知り抜いたうえでのクワセの釣りが見事に花開いたというものです。
それに対して準優勝の橋本プロの釣りは、ジグヘッドを水中の石積の上スレスレに引いてくるというもの。ひたすらリールを巻いて、違和感に反応するというものでした。
ちなみに昨年の第二戦はスティーズシャッドのSLPカラー(シラウオっぽい色です)でビッグフィッシュを獲った橋本プロ、今回もおなじルアーをリグッていましたが、プラでハードベイトには反応がないことを察知して、ハイドロスティックのケイムラシラウオカラーをエースベイトに指名しました。
2018年の第二戦はこのスティーズシャッドでビッグフィッシュを獲りました
「ただ巻いているだけのノー感じの釣りですが、石の間にスタックさせてはいけないので、軽くて感度が良いシステムが必要でした。巻き感度がいいリール、そして1.2gという軽いジグヘッドを使うので柔らかめのロッドも必須でしたね」
シラウオパターンに一日の長を証明した橋本プロのタックル
こうして5645gという、勝ってもおかしくないウェイトを持ち込んだ橋本プロ。シラウオパターンといっても単にシラウオカラーのワームを使えば釣れたというわけではなく、小技を使う技術、それを可能にするタックルが釣れた釣れないの差を生む、そうした装備を組んで試合に臨んた橋本プロのしたたかさが目立った......そんなことを感じさせたW.B.S.第二戦でした。
Tackle
ROD:DAIWA STZ641LFS-SV キングボルトFスペック
REEL: スィーズ タイプⅡ ハイスピード
LINE: スティーズフロロ4lb
LURE: ハイドロスティック (ケイムラシラウオ)
RIG:ジグヘッド
試合当日、ガイド中の川口直人プロを発見! やっぱり北浦西岸を釣っていました