特集1
年間チャンピオンに導いてくれたリール
藤田京弥プロは語る
台風19号接近の影響を受けて10月11日の単日開催となったJBトップ50最終戦(桧原湖)において、DAIWAチームの藤田京弥選手は5本4210gを持ち込み準優勝。この結果、栄誉ある年間チォンピオンに輝きました。
「ぜひとも獲りたかった」というビッグタイトルだけに、藤田選手の悦びもマックスレベルに達していました(写真:佐藤真理氏)
すでに2018年にはJBマスターズの年間チャンピオン、そしてスーパーバスクラシックの優勝と破格の成績を残しており、今回で3大タイトルをすべて獲得するという離れ業を演じて見せてくれたわけです。
今年のトップ50における同選手の成績は
初戦 七色ダム 6位
第二戦 遠賀川 16位
第三戦 旧吉野川 優勝
第四戦 霞ケ浦・北浦 2位
最終戦 桧原湖 2位
という実に安定したもの。5戦中シングルフィニッシュが4回という結果は同選手の場所を問わない総合力が証明されたといえましょう。年間チャンピオンはシーズン中、常に安定した成績を残さないと獲れないタイトルです。
第四戦で準優勝。この時点で年間暫定2位に付け、最終戦を迎えました。すてにオーラ全開です
第四戦で使ったタックルはベイトがスティーズ1012SV-XHL、スピニングがイグジストLT2506-Cでした
とくに最終戦での戦い方は見るものを唸らせる鬼気迫るものでした。11時まで400g1本しかライブウェルにキープしていなかった藤田選手。年間チャンピオンレースを暫定2位で迎えたので、並みの選手なら目の前のビッグタイトルがプレッシャーとなりテンパってしまうものですが、藤田選手は非凡です。じっくり落ち着いてディープを攻め、11時以後10本釣り切り4kgオーバーの数字を作って来たのです。
桧原湖戦でのDAIWAチームの精鋭 (写真:佐藤真理氏)
その試合内容に関してはJBのサイトやBasser誌(Basser誌の谷川氏が同船取材しました)などに詳述されますのでそちらをご覧いただくとして、アルティメットでは年間チャンピオンに導いてくれたリールについてご本人にお話を伺ってみました。
本人が「ぜひとも獲りたかった」という年間チャンピオンのお祝いを申し上げてから、今年とくに多用したリールについて伺ってみましたが、即答していただいたのが
イグジスト FC LT2500S-CXH の2機種
「今年はほとんどの魚をこれらの2機種で獲りました。年間チャンピオンを獲得できたのはこれらのリールのおかげです」
と語ってくれました。
スティーズ 1012SV-XHLに関しては
「とにかくすべての部分が気に入っています。打ちも巻きもこのリールでこなしていますが、とくにエクストラハイギアが好きで、僕の釣りのリズムに合っているんです。回収が早いのはいうまでもないんですが、フッキングやカバーから引き出す時、ファイトするときもアドバンテージです。
ハードルアーを使っていても、掛けた後は早く巻けるに越したことはありません。僕はチャターベイトやスピナーベイトなども早く巻く方ですが、とくにボートを前進させながら巻くことが多く、そんな時にはエクストラハイギアは絶対です」 と語ってくれました。
そしてイグジスト FC LT2500S-CXHに関しては
「最終戦で大活躍してくれたのがこのリールです。とにかく軽くて強い。PEラインを使っての型物とのファイトでも負けません。とくに気に入っているのがドラグ。ベイトと同じように僕はとにかく早くランディングしたい方なので、掛けたら一気に取り込みたいんです。 その場合、ATDの滑らかさを活かしつつ、クイックにドラグワークを効かせたいんです。 トーナメントでは瞬時に効いて欲しい場合が多いからですね。 そのためにSLPワークスさんで特別にチューンしてもらいました。そのドラグが2ポンドラインを使った桧原湖の釣りでは抜群の威力を発揮してくれました」
と電話の向こうで少し興奮気味に話してくれました。
SLPワークスが施した藤田選手のドラグチューンとは・・・?またいずれ機会があればご紹介いたしましょう。
これが桧原湖で使用したタックル。ドラグチューンされたリールが光っています(写真:JBNBC)
ちなみにBasser誌の谷川氏は「何の気なしに釣っちゃうんですよね。なんであんなに簡単に釣れるのか、不思議です」と語っていました。
その不思議さの秘密がドラグに隠されているのかも知れません。
いまだ弱冠23歳の藤田京弥選手。世間では「半端ない」と言われているようですが、来年のオールスターも含めて、これからどこまで記録を伸ばすのか、実に楽しみです。
特集2
オールスター延期の余波は?
みなさまご存じのように、10月26,27の二日間開催が予定されていた2019バサー・オールスタークラシックは、台風19号の影響を受けて11月16,17日に延期になりました。
イベント会場の現状を見ると止むを得ない措置と思われますが、関係者全員にとってリスケジュールが要求される事態となりました。
台風直後のウェイインステージ。前年と同じアングルで見ると惨状がわかります
ランチングスロープもこんな感じです
一番影響を蒙ったのはいうでもなく参加選手。10月下旬と11月中旬ではコンディションがまったく違うため、プラクティスから立て直さなくてはなりません。
2018年のW.B.S.A.O.Y.に輝いた橋本卓哉選手もその一人。今年、惜しいところで2年連続A.O.Y.を逃しただけに、オールスターに賭ける気合は人一倍のものがあり、それだけに今回の延期に対して戸惑いを見せていました。歓迎できない事態なのは確かなようです。
先日、電話したらこんな答えが返ってきました。
「いやー、延期は僕にとってはあんまり喜ばしくないです。11月になると陽が短くなります。秋は一日一日、陽が暮れるのがどんどん早くなりますからね。そうすると本湖、つまり霞ケ浦・北浦を目指す選手にとってはかなりロスがあります。幸い、本湖は台風の影響をそれほど受けておらず、そっちをメインに考えていたんですが、陽が短くなるとちょっと厳しいですね。
仮に利根川でパターンを見つけていたとしても、時期が変われば変化します。その辺、ツブシが効かないので、本湖勝負に出るしかありません。JB、W.B.S.のトーナメントエリアで釣りたいですからね。
別の面でも痛いですよ。10月のオールスターの前10日間ぐらいは練習のために仕事を入れませんでした。それが全部空いちゃいました。逆に11月前半に入れたロケなどがキャンセルですよ。財布にも痛い延期です。
中止の可能性もゼロではないようですが、私としてはぜひやりたいですね。今年見せ場を作れなかったので......。とくにここ数年はバイオリズム的に調子がいいタイミングですからね。開催されれば、やりますよ。ご期待ください」
他のDAIWAメンバー同様、期待しますよ。
オールスターでもこんな光景を見たいものです
特集3
清水盛三のポストシーズン
今年アメリカのトーナメントを引退して以来、様々な活動を繰り広げている清水盛三プロですが、来たる11月3日、W.B.S.クラシック最終日に同時開催される岸釣り大会、グラチャン(グランド・チャンピオンシップ・トーナメント)にゲスト参加します。
すでに同組織のサイトで告知されており、早くも出場者予定者の間では評判になっているようです。
マイク要らずの声量は清水プロの売りの一つ。11月3日の土浦新港は同プロの「ワハハ」笑いで盛り上がるでしょう
このグラチャンはご存知のように川村光大郎やオリキンを生み出したイベントで、岸釣り自慢が多数詰めかけることでも有名です。
当日は清水プロらしい明るく大きな声が土浦新港に響くことでしょう。