特集
オリキン、
H-1グランプリ、マスターズカップに堂々の優勝!
このところH-1グランプリネタが続きますが、これほどタイムリーで内容が濃いネタは他にありません。当然の特集といえます。
選ばれた選手しか出られないマスターズカップで2回目の優勝! これは快挙です
12月1日に長門川、将藍川で行われたH-グランプリのマスターズカップで、オリキンこと折金一樹選手は並み居る強豪を蹴散らして堂々の優勝! スコアも2本2760gという圧倒的なものでした。
H-1グランブリ、マスターズカップとは2019年のランキング上位30名と推薦選手だけが出場を許される、いわばレンタルボートマスター達の戦い。そこで優勝したことは非常に価値あることといえましょう。
川村光大郎選手も当然、選ばれた選手の一人として出場しました
オリキンがこのマスターズカップに勝ったのは2回目、A.O.Y.も2回獲得しているわけですから、来年10年を迎えるH-1の歴史の中でも飛び抜けた実績といえましょう。
そこで今回はオリキンが勝った要因をさまざまな面から深掘りしてみました。
今回は取材艇も用意されました
●勝因その1 モチベーション
既報のようにオリキンは11月17日に新利根川で行われたH-1グランプリ最終戦でまさかのノーフィッシュ、年間2位でシーズンを終えました。年間レースにおいて暫定2位で最終戦を迎えたオリキンにとって、トップとの差がわずかだっただけに2年連続A.O.Y.獲得の大チャンス! オリキンも気合を入れまくって7日間もプラクティスを重ねたわけですが、それがゼロ帰着。暫定1位の選手もノーフィッシュだっただけに、結果的には600g1本獲って来ればA.O.Y.の座を射止めることができたのでした。
試合後はあの温厚なオリキンもかなり悔しがっていました。試合当日の新利根川はデスリバーでしたが、それでも釣って来た人はいるわけで、オリキンはノーフィッシュに終わった自分を許せなかったのです。
新利根川の激タフな状況にやられてしまったオリキンは、密かにマスターズカップでのリベンジを心に誓っていました。「年間を獲れなかった借りを返す」その覚悟がマスターズカップでの優勝を下支えしていたといえます。
帰着直前のVサイン。この時点で勝利を確信していたのでしょうか?
●勝因その2 戦略
「新利根川よりは釣れるでしょう」とオリキンが事前に分析していた試合会場の長門川、将藍川ですが、それでも初冬の時期はそれほどイージーに釣れるわけではありません。事実、マスターズカップで魚を持って来たのは58人中わずか18名。選抜された選手が戦った結果ですから、かなりタフだったことがわかります。
プラクティス期間中から水温が下がり続け、かなり釣りづらい状況を前にして、オリキンは将藍川最上流部を指名。ディープが隣接したハードボトム、3メートル弱の水深がある比較的深場にフォーカスしてゲームを組み立てました。
とくにディープエリアは魚の越冬場所と考えられ「ここにいないワケはない」と確信を持ったと言います。
ただ、そう考えたのはオリキンだけでなく、多くのボートがそのエリアにひしめき合っていました。そんな中で魚を獲って来た選手はほんの数名。オリキンはそれだけ非凡だったといえましょう。
朝方降り始めた雨が止んで少し暖かくなり、風もなくなって魚が動くタイミングを捉えたオリキンは、メタルバイブを四方八方に撃ちまくりました。
この作戦がオリキンをお立ち台のてっぺんに持ち上げたのです。最初の一本はそこで獲った1500gクラスでした。
橋を潜る際にはこのポーズ。2本の魚を持っていることを伝えたかったのでしょうか?
●勝因その3 テクニック
オリキンが使ったメタルバイブは5g。カラーは赤/金。ボトムの傾斜や変化を見ながら、これをショートキャストでスポットに送り込み30cmほど上下させるリフト&フォールや、枯れかかった水ひまわりの中に入れて、シェイクさせるなどのテクを使い、魚との遭遇を求めていったようです。
キモは通常フルサイズのラバージグを入れるような密集したカバーやレイダウンでもメタルバイブを使ったこと。そういったスポットを旨く攻めるには、厳選されたタックルが絶対に必要だったに違いありません。
スケールに表示された数字は2760g。この数字を超える選手はいませんでした
●勝因その4 タックル
オリキンは今回、いつものように10セットほどのタックルを用意しましたが、メインに投入したのは以下の4システム
タックル1 5gメタルバイブ用
ROD:BLX SG 661 MXB-ST
REEL:SS Air
LINE: フィネスブレイブZ 11lb
タックル2 ロングビルミノー用
ROD:BLX LG 651 M/MLFB
REEL:スティーズ CT SV TW
LINE: フィネスブレイブZ 11lb
タックル3 シャッド用
ROD:BLX LG 6101 MLFS
REE:セオリー2500H
LINE: タトゥーラ タイプナイロン6lb
タックル4 シャッドクランク用
ROD: スピニングロッド(プロト)
REEL:タトゥーラ LT 2500S
LINE: フィネスブレイブZ 4lb
この4システムが今回のメインタックルでした
今回は1番のタックルを使いメタルバイブで2本の魚を獲りましたが、オリキンのテクを支えたのがロッド=BLX SG 661 MXB-STだったといいます。
オリキンは根掛かり外しの天才ですが、それでもカバーでメタルバイブを使う場合は、ルアーがどんな状況でカバーにコンタクトしているのか把握できないと、トラブル発生の危険が増大します。そこにロッドチョイスのキモがあるのです。ダブルフックのルアーでもそれはいえます。
「オープンウォーターでもカバーの中でも使うことを想定してこのロッドを選択しました。オープンウォーターでもボトムには石だとか引っ掛かるものがありますから。
その際にこのソリッドティップが効果的なんです。ティップでカバーを交わすというか、ゆすりながらXティップですり抜けさせるというイメージです。
今回のマスターズカップではこの釣り方が一番効果的で、実際に2本の魚をもたらしてくれました。カバーでのメタルバイブの釣りにおいて、私のイメージ通りにルアーを動かすことができたのはこのロッドのおかげです。
それだけではありません。2本目の魚はメタルバイブをリフトし切ったワンテンポ後にバイトがありました。ルアーの落ち際だったと思います。そんなバイトもこのソリッドティップが喰い込ませてくれたと思います。
そしてバイトに対してもバットの強さでガッチリアワセることができます。
ルアーをイメージ通りに操作できるティップ、しっかりアワセることができるバットを兼ね備えているのが、このロッドです。
いつもメタルバイブにはこのロッドを使っていますが、渋くて難しい時期だからこそ、その真価を発揮してくれたといえますね」
と滑らかに解説してくれました。
こうして2019年のH-1トーナメントをいいカタチで終えたオリキン。その強さにはますます凄みが加わったと言え、来年が実に楽しみになります。なんたって勝ってもエラソーにしないところが最高ですね。
マスターズカップでの優勝はとても名誉なことです
おまけ
H-1グランプリ マスターズカップの前日、東山湖で行われたDYFCのイベントにコーチとして集まったバステスターたち。いつもとか顔が違いますね。