特集
このニュータックルに期待する その3
STEEZ RACING DESIGN その恐るべきポテンシャル!
2020年のニューモデルに寄せるDAIWAスタッフからの熱き期待を特集しているこの企画、今回はスティーズロッドの最高峰、RACING DESIGN(レーシングデザイン)に白羽の矢が突き刺さりました。
DAIWAロッド開発テクノロジーの集大成ともいえるこの作品だけに、注目度が高いのは当然ですが、それだけにレポート内容も高度なものが要求されると言え、今日までの時間を要してしまいました。
2020年のRACING DESIGNには701MH/HXB-STと661MXB-STという二つのモデルがありますが、今回は701MH/HXB-STにフォーカスしてみたいと思います。
この企画のいつものパターンは、開発に深く関わったDAIWAプロに解説していただくものでしたが、今回は複数のプロによる様々なコメントを総合して編集部がまとめた内容にしてみました。
●過去最高の感度&意外と広い用途
まずは概論からです。
このロッドはDAIWAのロッドテクノロジーのすべてを投入したフラッグシップモデルで、いままでのRACING DESIGNと違うところは初のカーボンソリッドティップを塔載したということ。それゆえ、もともと感度では定評があったRACING DESIGNですが、今回デビューした二つのモデル、つまり701MH/HXB-STと661MXB-STは、過去最高の感度を有しているといえます。
もう一ついえることは、いままでのRACING DESIGNはどちらかといえば特殊な状況で類まれな力を発揮するスペシャリストが多かったんですが、今回の二つのモデルは素晴らしく用途が広く、例えばボートアングラーの場合一年を通してデッキの上から降ろされることがないロッドということです。その点が大きな違いです。
それでは701MH/HXB-STに関してのプロの解説をまとめてみましょう。
このロッドの何が凄いのか、ということなんですが、分かりやすい例を挙げればほぼ同じ番手のSTZ RD701MH/HFBというロッドがあります。それとの一番の違いが前述のようにソリッドティップを搭載しているということ。これが最大の特長です。
言うまでもなくソリッドティップはチューブラーよりしなやかに曲がるので、軽い負荷がかかるだけでも曲がってくれ、例えば微細なバイトも目視することができます。いわゆる『目感度』です。
バイトだけではありません。わずかなボトムの起伏も伝えてくれます。
もちろん、そうした伝達能力はティップだけの仕事ではありません。SVFコンパイルXナノプラスというブランクと組み合わさって初めて生まれるものなのです。
これが『感度に関しては過去最高』といわれる所以です。
ソリッドティップを搭載した701MH/HXB-STは微細なボトムの変化をも伝えてくれます
ソリッドティップのメリットは感度だけではありません。より軽いルアーも使えるという強みもあります。MHパワーのチューブラーロッドと比較していただければ歴然としています。
霞ヶ浦での使用を例にとれば、1/8ozつまり3.5gぐらいのウェイトを使ったテキサスリグ、リーダーレスダウンショットから、重いものでは3/4ozのヘビーキャロライナリグまで対応できます。
この幅広い用途も魅力の一つといえます。
●各フィールドでのテストで証明したポテンシャル
具体的に昨年、様々なフィールドでテストした結果を例に挙げて解説してみましょう。テストというものはキャストしたり、カバーの中に入れたり、スタックさせたりするのも大事ですから、常にいろいろやってみてデータを集めます。
例えば相模湖などのテストでは、カバーに入れたりスタックさせたり、いろいろやってみます
ですが、ロッドというのは実際、魚を掛けてナンボです。魚を釣るための道具なのですから。ですからテストの半分は実釣に充てます。
たとえば相模湖のテストはこんな感じです。このロッドを使ってブレイクをヘビーキャロライナリグ(以下ヘビキャロ)で攻めたとしましょう。相模湖のヘビキャロで霞ヶ浦などと大きく違うところはまず水深です。霞ヶ浦ではせいぜい1mから3m程度ですが、相模湖では5mより深いのかが通常です。ボトムの変化も霞ヶ浦などと違います。霞ヶ浦だとそこそこ硬いんですが、相模湖では砂地メインが多く、ところどころにハードボトムがあるという状況です。
そういったボトムでソリッドテッィプのRACING DESIGNを使えば、ちょっとしたシンカーの引っ掛かりを伝えてくれます。ティップがクッと入ってくれることでロッドで聞くことが出来るわけです。これがSTZ RD701MH/HFBだったら注意していないと抜けてしまいます。この違いが大きい。砂地の中のハニースポットを見つけてくれるわけですから。
ゴツゴツした細かな地底変化もソリッドティップが伝えてくれます(利根川)
今の世の中、なかなかバスは釣れません。でもバスは存在します。喰わないだけです。だからちょっとしたハードボトムを乗り越えてしまうか、止まるかでバイトが出るか出ないかで釣果が分かれます。一日にそういった局面は必ず何回かありますので、それをモノにできるかできないかが勝敗の分かれ目になります。
ちょっとしたハードボトムを乗り越えてしまうか止まるか、それがバイトをとれるかとれないかの差となる
また、701MH/HXB-STの得意技はヘビキャロだけではありません。バス釣りの基本リグであるテキサスだとか、流行のリーダーレスダウンショットなどの軽いところもできるところがミソで、想像以上の戦力になってくれるでしょう。
利根川のサンドバーと消波ブロック。
水が濾されるのでバスが付きやすいサンドバーも、その中の細かなハードボトムを見つけることがキモになります。カバーが隣接していれば、テキサスなども得意な701MH/HXB-STは瞬時に対応できます。
バス釣りにおいては、釣りの技術を磨くことはもちろん大切ですが、ロッドの能力を活用することで一本でも多くの魚を掛けることが賢い戦い方といえます。
......以上がこのロッドを手にしたDAIWAプロのインプレをまとめたものですが、読むだけで感度の良さが伝わってくる内容です。皆さんにもその異次元の感度を体感していただきたいものです。
※STEEZ RACING DESIGNのもう一つのソリッドティップモデル、661MXB-STに関しては別の機会に採り上げる予定です。