特集
STEEZ REAL SLUGGER
●初めに「ヒュンヒュン」ありき
今年デビューしたDAIWAのニューワームはお陰様でいずれも各地で話題を集めていますが、今回はそれらの中から「STEEZ REAL SLUGGER」を採り上げてみたいと思います。
というのもこのワーム、昔からバスフィッシングを愛好しているアングラーにはひと際思い入れがあるからです。
すでに20年も前の話ですが「ヒュンヒュン」というメソッドが猛威を振るいました。もちろん今でも釣れる釣り方ですが、誰もそれを行わなかった時代にはボコボコに釣れたものです。JBのトップカテゴリーのトーナメントにおいて、年間チャンピオンを輩出した釣りでもあります。
簡単に言えば3インチ程度のワームを使ったツネキチリグのドラッギングですが、具体的にはチョイと投げてボートを進めながら言葉通り「ヒュンヒュン」とトゥィッチする釣りです。ルアーはその度にダート、ロールを繰り返してチラチラと煌き、バスは思わず口を使ってしまうという、つまりはフラッシングにリアクションさせるテクニックでした。
この釣りに使用されたワームこそが泉和摩プロが製作した「アライブシャッド」。当時はロボのリーチと双璧をなした超人気ワームでした。とくにパープルウィニーカラーは、常に品切れ状態になるほどの「神」ワームでした。それゆえ、そのワームが生まれかわったとなると、昔を知るアングラーが期待を膨らませるのも当然でしょう。
ちなみにその釣りに絶対的な支持を受けたロッドがDAIWAのハートランドZ601MLXS-S。ソリッドパワースリムの粘り強いブランクが、ショートバイトを確実に乗せ、薄皮一枚のフッキングでも耐えてくれると絶賛されました。
●現代の釣りにマッチしたマテリアル&ラインナップ
この春デビューしたSTEEZ REAL SLUGGERはそのオリジナル「アライブシャッド」を忠実にリメイク、リファインしたもの。最新の状況にマッチした改良が加えられていますので、実戦能力も倍加。昨今のタフな状況で力を発揮してくれます。
最大の特長は偏平ボディが生み出すロールアクション。ヒラヒラと動く度に細かくフラッシング、そのわずかな光がバスのバイトを誘います。
そしてハンドポワード製法が高い浮力を生み出し、ベイトライクな水中姿勢をキープ。ゆえにそのアクションは極めてナチュラル。さらにこの製法は3色以上のカラーを組み合わせることを可能にさせ、極めてライブなアピアランスを呈しています。
サイズ展開は1.7in、3in、3.7in。
泉プロはサイズに応じた使い分けに関して以下のように解説してくれました。
「1.7inは夏までの時期、ワカサギやイナの稚魚がベイトになっているようなフィールドでは活躍するでしょうね。小さなワームはどうしても喰わない時の最終兵器になってくれます。リグはツネキチ、強いていえばキャロも行けるでしょう。アクションを生かすためにマスバリのチョン掛けがいいでしょう。
3inと3.7inは幅広い使い方が可能ですが、とくにノーシンカーやジグヘッドでのミドスト、ホバストなどははまり役ですね。高浮力を生かしての水面ヘコヘコなんてのもいいでしょう。
ノーシンカーの場合は姿勢がより水平になるオフセットフックを使用した方がいいでしょう。その方が正しくロールしてくれると思いますよ」
というわけでコロナ騒ぎが終息したら、STEEZ REAL SLUGGERには大暴れしてほしい、という話題でした。
●ダブルクラッチもブラッシュアップ?
STEEZ REAL SLUGGERの取材は小平市にあるHMKL事務所で濃厚接触を避けて行ったのですが、その際、泉プロは「ダブルクラッチ」のプロトを見せてくれました。
ダブルクラッチの改良版を見せてくれた泉プロ
これも「あのダブルクラッチ」のリファインモデル。泳がせたいレンジを自在にチョイスできるジャークベイトという画期的な機能を持っているダブルクラッチは、サイレントでありながら圧倒的な飛距離を誇るという、唯一にして無二の存在です。
飛びの秘訣はサイレントオシレートシステムですが今回、そのワイヤーにSaqSas
加工が施されたことで、ウェイトの滑りも格段にスムースになりました。この結果、持ち味である長いトレースラインをさらに長く探れるようになるわけです。フックにもこの加工が採用されて、掛かりも抜群。
そして従来の60、75サイズに95サイズが加わり、より幅広いジャークベイトの釣りが可能になりました。
新しいダブルクラッチは60,75,95の3サイズで登場します
発売は未定ですが、ぜひお楽しみに。
自在にタナを決められる秘密がこの高いアイ。アイが低いと水を掴み過ぎてどんどん潜ってしまいます