特集
飛ぶ、潜る!
水深4mのピンスポットを直撃!
●面から点へ
From Flat to Spot
バスがディープに落ちるシーズンの必殺ワザとして、今では多くのアングラーが頼りにするテクニック=「シャッドのドラッギング」。自力ではそこまで潜れないシャッドをキャロライナリグで狙いの層に到達させ、ドラッギングしながらクォリティーなバスを釣るというメソッド自体理に叶っており、実際にトーナメントにおいても数多く結果を出しています。
浮き袋を自在に使って深場に潜る魚は、潜りたくても潜ることが出来ない表層に居る魚に比べ元気で、活発に口を使います。ですから、そういった魚の目の前にルアーを送り込めば釣れる確率はグンと高まります。だから何とかしてシャッドを潜らせようと、ドラッギングなどのワザを使うわけです。
ですが、弱点がないわけではありません。それはある程度の広範囲を探らなければならない非効率性。それがドラッギングの宿命でした。
元来のキャロライナリグもズル引きでボトムを探り、ここぞというスポットで集中するという釣りでした。その釣りも効率的とはいえません。ですから最近はキャロライナリグの釣りもピンスポットを狙う釣りに進化しています。
冬のディープウォーターシャッディングも何ら変わりはありません。面の釣りから点の釣りへと進化を迫られています。タイトなスポットをダイレクトに射抜くことが出来なければ、厳しい時代を釣り抜けることが出来ないのです。
逆に言えば「通常のキャスト、リトリーブでそこまで自力で潜るシャッド」ならば、ディープのピンスポットを直撃することができ、無警戒なバスに口を使わせることが出来るのです。
● 潜れば釣れる
Deep Diver Can Make It
琵琶湖のガイド、三宅貴浩プロも同じ考えを持っていました。
自力で4mのピンスポットを撃てるシャッドがあれば・・・それが開発の原点でした、と語る三宅プロ
「3.5mから4mのウィードをシャッドで攻める場合、これまではドラッギングで引っ張るしか方法がありませんでした。しかしそれでは、ウィードフラットをなぞることしかできず、ウィードトップやパッチ状になっているピンを狙うことはほぼ不可能でした。
でもキャストで飛ばせて、リトリーブでその水深に届かせることが出来るシャッドがあればピンを狙えます。当然、釣れる確率は飛躍的に高まります。革命的にディープのシャッディングが変ります。それがこのルアーを開発しようとしたキッカケです」
つまりプロダクティヴゾーンをなぞるのではなく、プロダクティヴスポットを直撃するシャッドを三宅プロは望んでいたわけです。
三宅プロだけでなく、他のアングラーもそんなシャッドを求めていました。にも関わらず、いままでそのようなシャッドはありませんでした。ですから、ドラッギングに頼るしかなかったのです。
何故なかったのか? 簡単です。出来なかったからです。要するに「飛んで潜るシャッド」の開発が困難だったからです。
しかし三宅プロとDAIWAは不可能に挑戦し、ついに4mの水深を直撃できるシャッドSTEEZ SHAD 60SP EX DR を産み出したのです。それは革命といってもいい出来事です。
●飛距離こそ命
Long Cast Matters
STEEZ SHAD 60SP EX DRの開発に際して三宅プロが一番にこだわったのが飛距離。そもそも飛ばなければ深く潜らせることはできません。ですからSTEEZ SHAD 60SP EX DRは飛距離への追求から開発がスタートしました。
ですが6cmの小型プラグに飛距離という能力を持たせるのは簡単ではありませんでした。従来のメカニズムでは圧倒的な飛びを実現することは不可能だったのです。
......水深4mまで急潜行させたい。それにはどうすればいいのか......悪戦苦闘の日々が続きました。
そして生み出されたのがまったく新しい重心移動システムだったのです。
既存のSTEEZ SHADには様々なタイプの重心移動が採用されていますが、STEEZ SHAD 60SP EX DRは内部のウエイト自重のほとんどを占めるタングステンウェイトがテールまで移動する"メインウエイト重心移動システム"を搭載しています。この重心移動システムが抜群の飛距離を生み出すのです。
これにより、ボディ6cmのルアーではありえないほどの飛距離を実現しました。その飛距離がロングリトリーブを可能にし、深い「層」までルアーを届かせる要因なのです。
そして空気抵抗の少ないボディシェイプも飛距離とアクションに貢献しています。
しかし急潜行させるということは大きなリップを搭載せざるを得ず、そこにはスイミングバランスという大きな問題が横たわっていました。
三宅プロも「そこが一番苦労した点です」と語っています。
「とにかくバランスを出すことは至難のワザでした。ボディサイズに対してリップが大きいと、泳ぎのバランスを崩しやすく、アクションに破綻が生じます。飛距離とアクションを両立させる作業はかなり難度が高いものでしたが、どうしても飛んで潜るシャッドが欲しかったので、煮詰めに煮詰めて、きれいに潜ってくれるバランスを生み出すことが出来ました」
完成に漕ぎつけた今、三宅プロも感慨深げです。
飛距離とアクションを両立させるのは至難のワザでしたが、飛んで潜るシャッドがどうしても欲しかったので、煮詰めまくって完成に漕ぎつけました、と納得する三宅プロ
三宅プロは続けます。
「このシャッドは琵琶湖の3.5mから4mのウィードトップ、パッチ、そして漁礁のトップを攻めるイメージで開発しましたが、琵琶湖だけではありません。たとえば霞ケ浦の浚渫、沈み石などを攻めたり、リザーバーのブレイクも攻めることができます。その使用範囲はとてつもなく広いものがあるといえます」
三宅プロがいうように、とにかく今までのシャッドが届かなかったレンジを攻めることが出来るので、場所を問わず強力な武器になることは間違いありません。
さらに、飛距離が出るということはディープを攻められるだけでなく、オカッパリからでもボートからでもシャローを釣る場合に強力な武器になります。それだけロングアプローチができるわけですから。
例えば霞ケ浦の石積を岸から攻める場合、いままでは届かなかったスポットに、シャッドという今の時期に絶対使いたいルアーを使うことが出来るのです。これはズバリ、強みです。
- 推奨タックルと注意点
The Usage of STEEZ SHAD 60SP EX DR
STEEZ SHAD 60SP EX DRを使うタックルとして三宅プロが薦めるのは
「2.5mぐらいの水深をテンポよく打つ場合はベイトフィネス系のタックルを使っています。新製品以外で具体的には
ROD:スティーズ 631LFB-LM ライトニングⅡ
REEL:スティーズ AIR TW 500HL
LINE:スティーズフロロ 8lbから7lb
という感じです。
7lb以下の細番手を使う場合はスピニングタックルになります。冬の時期はより潜らせたいのでスピニングを使う機会が多いですね。そしてもっと飛ばしたい時はPEラインを使います」
写真のタックルは
ROD: BLXSG6101L+FS
REEL:イグジストFCLT 2500S SLP Semiorder
LINE:フィネスブレイブZ 5lb
です。
より潜らせたい時はスピニングタックルの出番です
最後に三宅プロはSTEEZ SHAD 60SP EX DR を使う際の注意点を語ってくれました。
「使う前に細かくトゥルーチューンすることをお勧めします。かなり慎重に行ってください。
そして使い込みながら、どのくらいのキャストでどのくらいのリトリーブでどのくらい潜るのか、ご自分で把握することが大切です。そうすると狙いのスポットに届いているのかが分かります。
届いているのがわかったら、そこで止めたり誘ったりします。それはいままでのシャッドのドラッギングではできない細かい釣りですので、釣れる確率はグンと高まると思います」
とまとめてくれました。
皆様にもSTEEZ SHAD 60SP EX DRでいままで届かなかったレンジに居る魚を直撃して、ナイスフィッシュを釣り上げていただきたいと願います。