皆様、明けましておめでとうございます。
本年もアルティメットは独自の切り口でアルティメットでしか表現できない情報を、タイムリーにお届けしてまいりますので、よろしくご愛読のほど、お願いいたします。
特集
オリキンが飄々と解説する
「房総リザーバーで初バスをゲットする近道」の巻
記念すべきアルティメット2021年最初の特集は、オリキンこと折金一樹氏が解説する冬の房総リザーバーにおける初バスの釣り方。
年明け早々、すでに初バスを釣った幸運な方もいらっしゃるでしょうが、この寒さではなかなか厳しいのが現実。というわけで今回はオリキンの「エア・ガイドサービス」に頼ることにしたわけです。対象は房総リザーバーですが、一般のフィールドにも該当する内容満載ですので、エリアを問わず参考になることでしょう。
房総リザーバーは春夏秋冬それなりに面白い釣りができるフィールドです(写真は夏の三島湖)
●意外に釣れる1月
オリキンに言わせると
「12月は年末寒波の到来で気温もマイナス4℃! 朝は桟橋も凍って歩行も危ない状況でした。当然、釣況は激渋でしたが、水温が9℃台で安定する1月になれば釣れるようになります」とのこと。
さらに「冬至を過ぎると少しずつ日も伸びてきます。1月は人間にとっては真冬で動きが停滞する時期ですが、魚は春に向かって徐々に動き始めます。ですから意外と釣れるのが1月という季節なのです」という力強い言葉も聞くことが出来ました。
これはもう具体的に解説していただくしかありません。というわけで編集部では年末のある日、木更津まで出かけてオリキンのご高説を伺うことにしたのです。
「寒くても意外に釣れるのが1月です」と力強い言葉を発したオリキン
ご存知のように千葉が地元のオリキンはご尊父の指導で釣りを始め、中学生の頃には完全なアクティブ・アングラーになりました。
当時DAIWAが発行していたルアー釣りのフリーペーパー「ルアーボーイ」は0号(創刊準備号)から愛読しており、いまでも全巻大切に保存しているとか。ちなみに「ルアーボーイ」0号のゲストは並木敏成氏でした。
そんなオリキンも現在では押しも押されもしないプロフェッショナルアングラーになりました。トーナメントにも積極的に参加して実績も残しています。2021年もJB桧原には出場すると語っていました。
●バスの目の前にルアーを落とす
さて、真冬の房総リザーバーで初バス、もしくは2本目3本目のバスをゲットするためにオリキンが推奨してくれた釣り方は以下の通りです。それではオリキンに語っていただきましょう。
「真冬の房総リザーバーでは狙うタナが高滝湖を除いて6~8メーターになります。そうなると使えるルアーは自ずと限られてきます。つまりダウンショットかメタルバイブです。どちらもボトムに着いている魚を狙うことになります。
大切なことはボトムを細かくチェックすることです。そうすれば魚を拾えるでしょう。冬にバスが釣れないのは向こうから魚が来てくれないからです。ハイシーズンには向こうから気づいて来てくれる魚が冬には来てくれない。ですからこっちから行かないとダメです。いかに食い気があるバスの目の前にルアーを落とすか、それがキモです。
だからテンポよく移動して、移動したらじっくりと誘う。ですがいつまでも粘らない。そこに魚はいるかも知れませんが、効率を考えたら移動した方がいいでしょう。細かく移動を繰り返し、そこでポンポンと撃ってまた移動する、そんなメリハリが効いた釣りがオススメです」
メタルバイブでボトムを細かくチェックするオリキン
●軽さは正義です
「最初にダウンシヨットの釣りから解説しますが、ワームは小さ目で2.5インチが基準。シンカーは2.5gぐらいです。あまり軽いとボトムをとれませんが、重いと根掛かります。その妥協点が2.5gということです。ラインは立木などをタイトに攻める場合以外は3ポンドでいいでしょう。
どんな時期でもその釣りに特化したロッドは大切ですが、とくに冬は重要度が増します。
私は真冬の房総リザーバーでは
BLX SG 6011 L/MLXSと
BLX SG 6011UL/MLXS-ST
という2本のロッドを使い分けています。
この2アイテムに共通して言えることは、とにかく軽いということ。真冬の釣りにはとにかく軽いロッドが必要です。ボトム感知、バイト感知のレベルが違い、より繊細な釣りが出来るからです。私は「軽さは正義」だと思っています。
どちらも6フィート1インチでショートロッドの分野に属しますが、冬の釣りに限らず取り回しがスムースに行えます。キャストはもちろん、糸フケをとったり、ルアーをコントロールしたり、アワセたりする行為がスピード感を伴って行うことが出来ます。
6011L/MLXSはしっかりルアーを動かしてしっかり誘え、バイトに対してしっかりアワセることができるロッドです。曲りもしっかりしており、必要な硬さも備えています。小刻みに場所を移動してテンポよく拾っていく釣りに適しています。
6011UL/MLXS-STはULのソリッドティップなので、究極の繊細さを持っているロッドです。ボトムの起伏を細かくなぞることができ、そこで丁寧に誘うことができ、繊細なバイトに対してもしっかり反応することが出来ます。
ティップは繊細なのですが、ベリーからバットにかけてはしっかりしており、軟らかすぎないのが特長です。ですからフッキングもしっかりできる。繊細な釣りをするためのロッドといっても、あんまり軟らかいと何をしているのかわかりません。その点、このロッドは繊細さとパワーを兼備しており、冬の貴重なバイトをモノにできるパフォーマンスを持っているといえましょう。
小櫃川下流で6011UL/MLXS-STのパフォーマンスを見せてくれたオリキン。ちなみにリールはルビアスFCLT2500S
この繊細なティップがボトムの細かな起伏を伝えてくれ、丁寧になぞることが出来る......と語るオリキン
真冬のライトリグの釣りでは、水中でルアーやシンカーがどんな状態なのかイメージすることが大切で、それには適度な硬さ、軟らかさを備えているこれら2アイテムが適しているということです」
●攻めたい場合はメタルジグ
「冬の釣りの定番のメタルジグですが、これはダウンショットより攻めの色合いが濃い釣りです。これもテンポ良くいろいろなスポットを撃って行き、魚を拾っていくという釣りです。
使うジグは5g、7g、10g、14gあたりですが、よく使うのは5g、7gです。この釣りは根掛かりとの戦いですが、そのサイズだと根掛かりもある程度は避けられます。
私がよく使うロッドは
BLX SG 661 MXB-ST。硬めのソリッドティップがメタルジグの釣りにベストだと思います。
小櫃川の消波ブロックの穴にメタルジグを落とすオリキン
リールはスティーズ AIR TW 500HL
このロッドはジグのフォール時のラインテンションもコントロールしやすいし、根掛かったとしても、どんな感じなのかよくわかります。軟らかいロッドだと根掛かったのも分からないので、結局外せないということになります。その点、このロッドだとたとえ根掛かっても外しやすい。そんな特長を持っています。
●防寒対策は万全に
「朝の気温はマイナス間違いなしのこの時期ですから、しっかりした防寒対策も大切です。寒さに震えていては釣りに集中できません。
DAIWAの防寒着を着用すれば万全でしょう。やっぱり作る量が違うからでしょうか、モノがいいですね。いろいろ着比べてみてそう感じます。
あとは使い捨てカイロなどを効率的に利用することですね。とくに足元はツボです。私はソックスの甲の部分に貼って、その上にオーバーソックスを履き、防寒ブーツを履くようにしています。これで万全です。
こうして甲の部分に使い捨てカイロを貼るのがキモ。この上にソックスを履いて防寒ブーツを履けば万全です......とオリキン
上半身はいろいろな部分に貼っていますが、肩甲骨の間に貼るとひと際温まります。
さあそんな感じで、すでに初バスを釣った人はさらに釣果を伸ばし、まだ釣っていない人は早目に釣りましょう。めげずに撃てば必ず釣れるはずです」
......と、実に分かりやすく真冬の房総リザーバーでの釣りを解説してくれたオリキンでした。オリキンは真冬のガイドでも「普通に3時半に起きて行きますよ」と平然と語ります。その理由は防寒対策がしっかりしているからでしょう。
皆さんも温かい装備を固めて房総リザーバーに出かけ、貴重な冬の1本を狙いましょう。