Ultimate 4月23日号

特集

泉和摩が説く、

ジャークベイトの真髄

●芦ノ湖での意義深い1

 4月25日発売予定のBASSER誌はジャークベイト特集。実にシーズナルな賢いテーマですが、その巻頭8ページを飾るのが泉和摩氏。日本でジャークベイトを語らせたら同氏が筆頭の一人でしょうから当然の人選ですが、その際にSTEEZダブルクラッチが持ち味を遺憾なく発揮した一幕があったようなのでレポートいたします。

ちなみにフォトグラファーはおなじみの巨匠・津留崎健氏。恐らく素晴らしい写真が散りばめられていると思われます。

 というわけで若干ネタバレの恐れもありますが、同誌編集部の許可もいただいたのでロケの状況を概略説明してみます。

5月中旬にバスがスポーニングに入る芦ノ湖では現在はまだまだプリスポーン。水温は11℃から12℃、夕方には13℃まで上がるだろう、という環境でした。

 そんな中、泉氏は芦ノ湖を半周してみましたが、目視できたバスはわずか1尾。しかもオス。まだ水温が低いのか、と魚が集まるであろう白鳥ワンドに行ってみれば、船だまりにたくさんのバスを確認したと言います。

 そこでミノーを投げたようですが、ロープや障害物が多すぎて届きません。飛び出て来るかとステイさせてもみましたが、やっぱり叩かれているスレたバスですので反応しなかったようです。

 つぎにSTEEZダブルクラッチ95SPを投げてみました。しかしそれも無視されます。

「ひょっとして魚のいる層に届いていない?」と感じた泉氏は再度STEEZダブルクラッチを投げて、巻いて2メートルほど潜らせて魚に見せたら一発で食って来たそうです。

 泉氏によれば、透明度が高い芦ノ湖ではルアーがよく見えるだけに逆にタテの距離感がつかみにくく、魚がいる層に届いているようでも届いていないことが多いそうです。だからタナをいろいろ変えて攻めてみることが大切だといいます。

つまり、その魚はタナを自在に選べるSTEEZダブルクラッチだから獲れた魚といえるのです。

「ミソは95SPを使ったことですね。渋いとルアーのサイズを下げるのがセオリーですが、その時は潜らせることを優先して95SPを使ったのも正解でした。ロングリップの強みを証明してくれましたね」

と泉氏は補足してくれました。この辺の詳細はBASSER誌に書かれていると思われますのでご覧ください。

この1尾はSTEEZダブルクラッチの特長が如実に表れた結果といえましょう。

thumbnail_2021.4.23.1.jpg

取材時に使用したSTEEZダブルクラッチ95SP アユ

ROD:STZ631MLFB-SV スカイレイ

REEL:STEEZ AIR TW 500HL(ギア比 6.8)

LINE:スティーズフロロ 7lb

●いまやオールシーズン使えるジャークベイト

 その取材では適したシチュエーションに恵まれませんでしたが、泉氏はHMKLミノー STEEZカスタムも使用したようです。

 「このミノーはとくにデカバスに効果的です。あの細さであの飛び、しかもサイレントというミノーは恐らく皆無でしょう」

 と、普段は控えめな同氏が胸を張るほどですから異次元のミノーといえましょう。最近では各地から大物レポートが届けられています。

thumbnail_2021.4.23.2.jpg

取材時に使用したHMKLミノーSTTEZ カスタム スーパーアヤヤ

ROD:STZ681MLFB-LM ライトニング

REEL:STEEZ SV TW 1016SV-HL(ギア比 6.3)

LINE:スティーズフロロ 14lb

ところで、この時期BASSER誌の特集になったように、ジャークベイトは春先の低水温期に有効なルアーと思われてきましたが、泉氏に言わせると、それも昔の話。いまではオールシーズン、バリバリに釣れるルアーだといいます。

 「ライブスコープなどの装備が進化したことが大きいですね。沖の中層にサスペンドしているバスが見えるんですから画期的です。 

 そういう魚に口を使わせるルアーとして、いま注目されているのがジャークベイトなのです。魚に食い気がなくても、ジャークベイトのフラッシングで食い気を起こさせて釣る、そんな釣りが今のアメリカで流行っているんです。日本でも馴染みが深いテキサスのレイクフォークではウィニングメソッドになりましたね。

thumbnail_2021.4.23.3.jpg

朝日に輝くレイクフォーク

中層で魚を誘うという行為は他のルアーではなかなかできない芸当です。ですからジャークベイトはいまや通年釣れるルアーとして見直されているんです。

昔は湖のど真ん中にジャークベイトを投げるなどという釣りはありませんでした。時代もかわりました。

これはボートフィッシングの話ですが、オカッパリでも釣れると思います。霞ケ浦あたりでも、沖のボトムに何かがあって、その上に魚がサスペンドしているような状況なら、遠投して釣れると思いますよ。

そこでモノをいうのが飛距離。HMKLミノー・スティーズカスタムのようなカッ飛びジャークベイトを使えば、釣れる確率はグンと高まります。

とにかくあんなに細身で飛ぶジャークベイトはほぼ皆無だと思います。なんたって50mも飛んでいくのですから次元が違います。

そして低水温期にはバスはボリュームのあるルアーを嫌がることが多いので、細身であることはとても重要なのです」

泉氏はこう説明してくれました。

●水温躍層を意識することが大切

 泉氏は春のジャークベイトの釣りに関しても補足してくれました。

「スポーニングが終わるまでの時期は魚が居る層を意識することが大切です。一般的には魚の居心地の良いところ、つまり波風が立たず水温が安定しており、しっかりしたストラクチャー、カバーがあるところは有望です。

ジャークベイトだからといって表層だけねらえばいいわけではありません。水温の変わり目、つまり水温躍層(サーモクライン)に魚は固まりますから、そういったところを意識することですね。

しかし水温躍層は目で見ても分からないので、いろいろな層を引いてみることが大切です。バサーの取材時のように、違う層を引いていると、居ても食わないことが多いですから」

●大きなジャークは必要ない

 最後に泉氏はタックルに関しても解説してくれました。

 「バスは大きなジャークによって発生する糸鳴りを嫌いますから、ジャークというよりはトゥィッチ。しかも軽くていいのです。そのためには63から68ぐらいの長さのロッドがジャークベイトの釣りには適していますね。手首で軽くトゥィッチできますから。

 芦ノ湖で使ったのは

 スティーズ 661MFB-SV ウェアウルフ(STEEZダブルクラッチ95SPに使用)

       631MLFB-SV スカイレイ(〃)

       681MLFB-LM ライトニング(HMKLミノーSTEEZカスタムに使用)

 です。いずれも適度に軟らかく、ルアーのウェイトを胴に乗せてキャストでき、しなやかにルアーをアクションさせることができます。硬めのロッドではどうしても急激なジャークになりルアーが跳ねがちですからね」

 とまとめてくれた泉氏。とくに今の時期、そして通年これらの二つのジャークベイトは外せないアイテムとなるでしょう。

thumbnail_2021.4.23.4.jpg

HMKLミノーSTEEZカスタム(スーパーワカサギ)(右)

STEEZダブルクラッチ95SP(ナチュラルゴーストシャッド)を持つ泉氏