Ultimate 5月28日号

特集

霞ケ浦の鬼

2021 New Reelを語る

 ただいま薫風かぐわしい五月後半。釣りを初めとするアウトドア活動のベストシーズンですが、昨年と今年はコロナ禍に災いされて様々なカタチで制約を受けています。

DAIWAチームの各プロも、ある種のもどかしさは感じながらも、ルールを守り感染対策を徹底するという前提でできる限りの行動に励んでいます。

バストーナメントに関しては5月の産卵時期はバスの個体保護という観点から数年前から自粛されています。ですから試合がないのは覚悟の上ですが、そろそろ競技への熱が高まってきているのも事実。JB、WBSの各プロは「その日」を待ち望んでいる今日この頃です。このアルティメットにおいても、DAIWAプロの華々しい活躍をレポートしたいところです。

ですがこんな時期にしかできないこともあります。例えば腰を据えて今年のニュータックルを研究することもその一つ。

というわけで今回は若干強引なようですが、「霞ケ浦の鬼」と称される赤羽修弥プロに2021 New Reelのインプレを語っていただきました。

5月14日、取材班はBASSER誌にも紹介された足立区の赤羽プロの釣り部屋、通称「赤羽ミュージアム」を訪れ、お話を伺いました。

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赤羽プロの歴史が満載されている「赤羽ミュージアム」。ここで取材は行われました

......赤羽プロ、今日はよろしくお願いします。

赤羽プロ(以下赤羽) よろしくお願いします。

......今日はDAIWAの2021年New Reelの中からSTEEZ LIMITED SV TWZILLION SV TWのお話を伺いたいと思います。

飛びと巻きのパフォーマンスに驚愕!

赤羽 わかりました。どちらのリールも私の期待を裏切らない素晴らしいベイトキャスティングリールだと思います。

......それではSTEEZ LIMITED SV TWの方から詳しいインプレをお聞かせください。

赤羽 まず気に入ったのは外観、いい感じで煌いている色ですね。塗装もすごくしっかりしている。手にした時の印象は「軽い、そしてロープロで掌にスッポリ入るので握りやすい」というものでした。リール単体で持った時より、ロッドに組み合わせてみるとその軽さ、持ちやすさはより体感できます。

 「ロールキャストでポンポンとテンポ良く打って行く」という釣りがすぐにイメージできました。

......実際に使われた印象はいかがですか?

赤羽 ベイトキャスティングリールのど真ん中の釣りに於いては、日本一のリールだと思います。ど真ん中と言っても3/16ozから1ozクラスまで幅広く扱い易いリールで、オーバーヘッドからサイドキャスト、ピッチング&フリッピングなどどんなキャストも軽々とこなすトータルバランスに優れたリールです。通常の釣りでは右に出るものはないでしょう。

軽く、正確に投げられる

......具体的には?

赤羽 飛びと巻きのパフォーマンスは絶品です。まず飛びに関して、SV BOOSTはやっぱりスゴイ。投げてみると「オッ!」と驚きます。ピッチングで投げる時より、オーバーヘッドキャストやサイドキャストで投げてみるとその差はより明快です。最後の伸びが違います。

初めて投げた時は距離感がつかめず、葦の中に突っ込んじゃったほどですから。いつもの感覚より飛んでしまったわけです。

すぐに慣れましたが、この進化は単に「いままでのリールより飛ぶ」ということより、同じルアーを同じディスタンスで投げる場合、軽く投げることができる、という面に注目すべきです。その事実の方が衝撃的でしたね。

だから力まないでキャストができる。そして力を入れなくていいから、正確性も増す。これって、トーナメントには強力なアドバンテージですよね。

皆さんは「すごく飛ぶ」という方に注目しがちですが、「軽く投げるだけで今までと同じくらい飛んでくれる」事実の方が大きいと思いますよ。

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STEEZ LIMITED SV TWの飛びと巻きのパフォーマンスは最高」と断言する赤羽プロ

●ルアーのアクションを再発見させてくれる巻き心地!

......巻きの方はいかがですか?

赤羽 これは「飛び」より感動しました。ベイトキャスティングリールの釣りが根本から変わると思います。一言でいうと滑らかな巻き心地がいつまでも続く、ということですが、これはやっぱりハイパードライブデジギアのおかげでしょう。キャスト時の音も実に静かになりました。

この進化は単にルアーをスムースに巻ける気持ち良さをもたらしただけでなく、これまで感知しえなかったルアーの細かな動きも伝えてくれる能力をもたらしました。巻きに少しでも違和感があると、ルアーのバイブレーションが消されてしまうんです。その点このリールを使うと、いままでのリールでは分からなかったルアーの微妙なアクションがわかったりします。

 「あれっ! このルアー、こんな泳ぎをするんだ!」

と気付かされたこともしばしばでした。

これは革命的ですよ。ベイトキャスティングリールの釣りが根本的に変わるというのはそういう意味です。

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「ルアーのアクションを再発見させてくれる巻き心地は釣りを根本的に変える」とは赤羽プロの使用感(PHOTO:KOUSKE KITAZAKI)

STEEZ LIMITED SV TWは撃ちの釣りも巻きの釣りも完璧にこなすリールですが、いま言ったようにとくにクランクベイト、スピナーベイト、バイブレーションなど巻きの釣りに凄まじい進化を遂げたと言えますね。

進化の度合いが凄まじいジリオン

......それではZILLION SV TWに関してはいかがですか?

赤羽 ZILLION SV TWは前のモデルとの進化がより顕著だと感じました。これもシルバーの外観もいいし、コンパクトになってホールド性も増した。それでいてメタルボディのカッチリ感は更に上を行きました。これもベイトキャスティングリールのど真ん中の釣り全般を高度にこなしてくれ10lbから22lbライン位まで幅広く使い分けられますが、個人的には16lb以上のヘビーラインを使う釣りがハマリ役ですね。

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「耐久性も含めて、このリールとは長く付き合えそうです」と赤羽プロ

嬉しいのはギア比が4種類あること。これなら適材適所で使い分けが可能です。

 私だったら

 5.5:1はディープクランクなど

 6.3:1や7.1:1は通常のプラグの巻きや撃ちモノのオールマイティー

 8.5:1は撃ちモノやフロッグ

という感じです。8.5:1はシャローカバーの釣りだけでなく、たとえば関西ビッグレイクでの釣りで深いところで掛けて巻き合わせが必要な時など、いち早くラインスラックをとることができるので重宝するでしょうね。

とにかくこのリールとは長く付き合えるでしょう。間違いないです。

ルビアス エアリティのドラグにも期待

ついでといってはなんですが、今年の新製品ではルビアス エアリティにも注目しています。まだ使ったことはないんですが、あのクィックドラグは武器になると思います。

関西ビッグレイクなどのディープでデカイのを掛けると、いったん水面まで寄せても、そこから必ず突っ込まれます。瞬時の対応が求められるんですが、クィックドラグじゃないと間に合いません。そんな経験は何度も味わいました。

桧原湖あたりの釣りでも真価を発揮するでしょうね。超楽しみです。

というわけで簡単に今年のNew Reelのインプレを語らせていただきましたが、我々が年々厳しくなるトーナメントを闘う上で、これらのリールは実に大きな役割を果たしてくれると思います。とにかく刻々と変化するフィールドに対しての対応力には素晴らしいものがありますから。

 赤羽プロはこうまとめてくれました。

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「トーナメントという厳しい環境の中では、リールの優劣が強烈に結果に影響する」と赤羽プロは断言します(PHOTO:W.B.S.)

 W.B.S.においては、今年の実質初戦になる第2戦が6月12,13日に予定されています。無事に開催され、赤羽プロを初め橋本卓哉プロ、草深幸範プロ、中根亘プロらのDAIWAチームの面々がニュータックルを駆使して大活躍してくれることを願っています。

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一日も早くこうしたトーナメントが再開され、DAIWAメンバーが暴れまくることを期待しましょう(PHOTO:W.B.S.)