【特集】
圧巻の藤田京弥劇場!
プロトタイプロッドを実戦初投入の
JBトップ50開幕戦でいきなり優勝!!
つい先日、藤田京弥プロのSNSから情報がリリースされたとおり、藤田プロとDAIWAは、これまでのリールや偏光グラスに加えてロッドでも新たな取り組みを始めました。実はそのNewプロジェクトが、春の桜のようにいきなり満開となったのが、4月1~3日に福岡県・遠賀川で行われたJBトップ50開幕戦での優勝だったのです。
3月後半から4月にかけて、W.B.S.やJBなどのメジャートーナメントも続々と始まりました。いよいよ本格シーズン到来といった感じです。全国のバスアングラーはその結果に注目していましたが、話題の中心となったのはなんといっても藤田プロのJBトップ50遠賀川戦での優勝。同カテゴリーにおける昨年のA.O.Y.が今年、どんな活躍を見せてくれるのか。日本中、いや世界中が興味を持っていた中での優勝です!
昨年2位に終わった遠賀川戦で見事にリベンジを果たした藤田プロ
もはや見ているこちらがマヒしてしまうほど当たり前に勝ってしまう藤田プロですが、いきなり優勝するとさすがに凄いと感嘆せざるを得ません。ましてや昨年、準優勝に終わった遠賀川戦でのリベンジ勝利ですから、これは十分ニュースになる内容です。勝ち方も際立っていました。最終日をトップで迎えたのも昨年と同じ。そして今年は見事に逃げ切ったのです。
初日、おそらく遠賀川レコードの7,050gで1位発進した藤田プロは2日目、単日3位の3,862gを持ち込んで暫定1位をキープ。最終日はやや苦戦したものの価値ある1本をウェイインして優勝に輝いたのです。このあたりの経緯はすでに皆さんご存知でしょう。
初日の5本7,050gという結果には全世界が「アッ」と驚きました
「去年の借りを返すことができて、良かったです」
本人もそう語っていました。実は優勝を決めた直後の4月3日夕方、短時間ながら藤田プロに電話でお話を伺うチャンスに恵まれました。今や分刻みで行動している同プロですから、なかなかコンタクトをとることはできません。それでもダメ元で優勝のお祝いを伝えようと連絡したら、ちょうど遠賀川から福岡空港までの車中の助手席で休んでいたプロとつながったのです。
わずか数分でしたが、試合直後の藤田プロに話を聞くことができました。まだ勝利の余韻も冷めやらないタイミングでしたので、その内容は実にナマナマしいものでした。
「今回もDAIWAタックルが大きな戦力になってくれました」
―― 藤田プロ、優勝おめでとうございます。
藤田 ありがとうございます。
―― ドラマチックな展開でしたが、勝算はどの程度あったんですか?
藤田 先々週までアメリカで試合の準備に追われていたことと、この試合の会場が、当初予定されていた弥栄ダムから遠賀川に変ってボートセッティングをやり直したことで、プラが2日間しかできませんでした。だから少し不安でしたが、最終的にはそこそこやれそうな手応えを得て試合に臨むことができました。
―― 具体的な釣り方は?
藤田 いろいろやったんですが、結局3日間とも4.5インチ・ストレートワームの2.2gネコリグですべての魚を獲りました。そのリグで岩や杭などのストラクチャーに撃つというパターンです。魚を探すのではなく、モノを見つけて撃って行く感じです。他の選手が撃っていないような小さなストラクチャーもスルーせずに丁寧に撃ちました。ストラクチャーも、落ちていくルアーも、魚探でしっかり観察しながら正確に撃っていく、そんな釣りです。
―― 狙いはプリスポーンのメスですか?
藤田 そうです。すべてプリメス狙いです。初日は朝から周りも釣れていましたが、僕にもいい感じで狙いの魚が釣れて2,600gフィッシュも混じり7kgオーバー。これには自分でも驚きました。2日目もいい感じで4本釣れたんですがその後、調子に乗って、今日も一発キッカーを入れようと、大きな岩についているでかバスにハマってしまったのが悔やまれます。3日目はさすがに釣り切ってしまってエリアを変えたんですが、何とか1本獲れて良かったです」
―― 3日間同じ釣り方ということはタックルも1セット?
藤田 そうです。プロトタイプのロッドにクイックドラグ仕様にカスタムしたNew EXIST LT2500S-XH。このシステムですべての魚を獲りました。
藤田プロはこの1システムですべての魚を獲りました(PHOTO:JBNBC)
―― プロトタイプのロッドは6フィート1インチですね?
藤田 そうです。そのL(ライト)パワーです。現在開発中ですが、とてもいい感じで、スピニングの61Lに関してはすでに完成の域に達しています。この試合でも大活躍してくれました。
―― New EXISTはどう貢献しました?
藤田 今回の勝利もこのリールなくしては叶えられなかったと思います。というのは、狙っている魚がプリのメスなので、掛けたら必ず瞬時に下へ突っ込むんですよ。しかももの凄い勢いで。初日に釣った2600gフィッシュもそうでした。ATD TYPE−Lとクイックドラグ(QD)がなかったら一瞬で終わっていたかもしれません。他の魚も同じような危機がありましたが、ドラグのおかげで無事に獲れました。
ストラクチャー狙いということでラインは5lb.と6lb.を使い分けましたが、それでもプリのメスの突っ込みに耐えるのは簡単ではありません。ATD TYPE−Lとクイックドラグは大きな戦力になってくれました。
―― なるほど。タックルの性能を100%生かした優勝だったということですね。
藤田 そうです。ホント、助けられました。
(※SLPW EX LT QDノブを搭載すると、クイックドラグ仕様になります。)
「プロトタイプロッドと、クイックドラグ仕様にカスタムしたNew EXIST、これらのタックルが勝因の一つでした」(藤田プロ談)
ここまでお話を伺ったところで藤田プロが乗ったクルマは福岡空港に到着。成田空港を経由して、優勝の翌朝には藤田プロはアメリカへと旅立った、というわけです。B.A.S.S.オープンでの活躍も実に楽しみですね。
青木唯プロ、大マクリでお立ち台ゲット!
なお、この試合でもう一人気を吐いたのが青木唯選手。初日27位と出遅れたものの、2日目もしぶとく1本を持ち込んで22位で予選通過。それが最終日に単日トップの4,995gをウェイインして一気に4位までランクアップしたのです。
このマクリ方も素晴らしいものでした。ギリギリ予選を通ったものの表彰台には届かないだろう、という周囲の予想を覆してみせました。
最終日にトップウェイトを持ち込み、大マクリを決めて表彰台上の人となった青木プロ(PHOTO:JBNBC)
青木プロの釣りは中・下流域のシャローに存在するハンプに付いているプリのメスを、魚探を駆使してソフトジャークベイトで狙うというもの。
「その釣りが3日間のうち1日はハマると信じていましたが、最終日に見事に期待に応えてくれました。アメリカで流行っている釣りを自分流にアレンジしたら、うまくいきました」と本人も満足げに話してくれました。
動員したDAIWAタックルは、リールがジリオンSV TW 1000XHL、ラインがスティーズフロロX'LINK 14lb.でした。
青木プロは3月27日に河口湖で行われたJB河口湖Aにおいてもぶっちぎりで優勝しており、シーズン序盤から完全に波に乗っている感じです。この先もトーナメントが続きますので、ますます期待が高まります。
そしてこの遠賀川戦では山下尚輝プロも11位でフィニッシュ。難しい春の試合できっちり上位に食い込んで、シリーズ開幕戦を終えました。
山下尚輝プロも11位で好スタートを切りました
こうして話題も豊富に終わったトップ50遠賀川戦ですが、これからもDAIWAメンバーの戦いは続きます。みなさまの温かいご声援をお願いいたします。
Newロッドプロジェクト続報! 詳報!!
「世界トップクラスのDAIWAの技術で"自分の理想"をカタチに」
藤田京弥(以下、藤田プロ談) すでにSNS等でお伝えしていますように、DAIWAと、ロッドでも新たな取り組みを始めました。同社からは、これまでもリールとアパレルをメインにサポートを受けるなかで、LUVIAS AIRITYの"QD(クイックドラグ)"や偏光グラス"TLX015"など、自分のバスフィッシングにおける"理想のタックル"をいっしょに開発してきました。そこにロッドも加わることになったわけです。
DAIWAの製竿技術は、素材・製法・設計のすべての面において世界トップクラス。その技術を使って理想のロッドを追求できることは、一人のバス釣り好きにとって、とてもワクワクする夢のような話ですし、競技者として生計を立てている自分にとっては、最高の武器を得るまたとない機会です。
STEEZを始めとする既存のDAIWAロッドの完成度が高いことは、今期からアメリカに挑戦する私にとって心強い一方で、新規ロッド開発のハードルを見上げるような高さにまで引き上げています。それを越えるロッドでファンの皆様のご期待に応えるとともに、DAIWAロッドを右腕として、さらなる飛躍を目指して日米のトーナメントに挑みます。
藤田京弥(ふじた・きょうや) 1996年4月2日生まれ、山梨県在住JBトップ50参戦わずか2シーズンのうちに、同団体の主要3大タイトルをすべて獲得した"令和の怪物"。年間釣行日数300日(年によっては350日超)を自らに課して積み上げた経験値と、サイトフィッシングおよび魚探サイトを主な武器とする。今シーズンは、トップ50(全5戦中4戦)とB.A.S.S.オープン(セントラルとノーザンの2地区計6戦)にダブルエントリー。