Ultimate 6月10日号

特集

藤田京弥と青木唯。

2人の反省フィッシング

  • 試合翌日の2人

 6月3日から5日にかけての3日間、山口県の弥栄ダムでJBトップ50第2戦が開催されました。DAIWAチームでは藤田京弥、川口直人、宮嶋駿介、青木唯(予選通過順)の各選手が予選を通過し、最終的に青木唯選手が8位、藤田京弥選手が11位、川口直人選手が17位、宮嶋駿介選手が22位でフィニッシュしました。

 今回はクリアウォーターリザーバーでの試合ということで、各選手が前の試合(第1戦の遠賀川)とは根本的にタックルセッティングを変えて挑みました。しかし、3日間とも天候が目まぐるしく変わり、状況は極めて難解だったようです。

 トーナメントが終わると選手はそれぞれ帰途に就くわけですが、現地に残っていわゆる「反省フィッシング」を行う選手もおり、藤田、青木の両選手も翌日、一艇に同船して釣りをしました。この反省フィッシングは、自分たちのゲームを改めて検証したり、表彰台トークで気になったパターンを試したりするための行為であり、根底にあるのは向上心です。2人は時間の許すかぎりこうした釣りを行っています。明日の釣りの糧になるのは間違いありません。

 というわけで今回は「反省フィッシング」中の2人に少しお話を伺ってみました。

  • 地獄からの大マクリを見せた青木唯選手

 今回の試合で気を吐いたのが8位入賞の青木選手。初日ノーフィッシュ、つまり最下位からの大マクリで大きな見せ場を作りました。青木選手はJBトーナメントにおいて4試合連続表彰台という記録を更新中でこの弥栄ダム戦に臨みました。今回5連続とはなりませんでしたが、初日ゼロからのシングルフィニッシュは大きなインパクトがありました。

 青木選手の釣りは得意のサイト。肉眼によるシャローサイトと、魚探によるディープサイトの両方を駆使しました。1日目はミスが重なりまさかのノーフィッシュ。本人は「しょうがない」と語っていましたが、悔いが残る一日となってしまいました。

 しかし、2日目には単日3位の5630gを釣って来て50位から20位へ一気に浮上。これで予選を通過するところが並みのプロとは違います。さらに3日目の決勝では、単日5位の4380gを持ち込み、大マクリで8位に入ったのです。

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1日目はノーフィッシュに終わったものの、2日目には単日3位の5630gを持ち込み、見事予選をパスした青木選手

 これは青木選手の非凡なゲーム運びがモノを言った結果といえますが、天候の変化も味方しました。

「もともと魚影が薄い印象の弥栄ダムですが、3日間で気象条件が変わったので、魚が動いてくれたおかげで釣れたと思います」

 と、このように振り返っていました。通常こうした小規模なクリアリザーバーの試合では、1日目、2日目と魚が釣られて状況は日を追うごとに厳しくなり、3日目の決勝では極端に釣れなくなってしまいます。天候が安定すればバスの着き場が変わりにくいので、プレッシャーの蓄積も懸念材料になります。つまり天候の変化が激しかった今大会は、青木選手のように"状況に応じてバスを追うことができる選手"にとっては有利だったと言えるでしょう。

 最終日には2300gのキッカーを釣り上げ、これが青木選手をシングルフィニッシュに持ち上げてくれたわけです。ルアーは3.8inのギル系ワームのフリーリグ。リールはジリオンSV TW 1000XH、ラインはスティーズフロロX'LINK 14lbという、青木選手が心から信頼するタックルを動員したこともアドバンテージとなりました。

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青木選手は決勝で2300gのキッカーを含め4380gのスコアを叩き出して8位に入賞しました

 これでJBトップ50における青木選手の成績は第1戦が4位、そして今回の第2戦が8位ということで、ランキングは藤田選手と並んで暫定2位! 今後の活躍にますます期待しましょう。

  • 藤田京弥選手、

2戦連続でビッグフィッシュ賞を獲得!

 青木選手と同じボートで反省フィッシングに励んだ藤田選手は、今回の試合に関して「今回が今年で一番しょーもない試合になっちゃいました」と語っていました。

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ミスが多かったというものの、ビッグフィッシュ賞を含む4630gを持ち込んで6位スタートの藤田選手

 その理由については......

「2日間の予選では、釣れたことは釣れたんですが、実はミスが多く、どんどん自分の魚がいなくなってしまいました。けっこうキツイ3日間になってしまいましたね......」

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2日目も3本3728gを持ち込み4位で決勝を迎えた藤田選手でしたが......

 ミスの原因はアプローチだったり、魚を掛けることができなかったり、掛けた魚をバラしたり、いろいろあったようです。それでも全体としてのスコアは決して悪いとはいえません。1日目は4尾4630gで6位スタート、2日目は3尾3728gを持ち込んで4位で決勝にコマを進めたのです。しかし決勝では、思い切って勝負に出た結果、11位に沈んでしまいました。

 藤田選手の釣りはシャローのサイトフィッシング。今回はライブスコープを使わない肉眼によるサイトがメインでした。ですが1日目に55cmアップの2500gクラス(ビッグフィッシュ賞に該当)を獲ったのはライブスコープサイト。沈み物に付いている魚をダウンショットで狙い撃ちしたようです。

 タックルは、6ft1inのプロトタイプスピニングロッドにイグジスト LT 2500S-XH。藤田選手が今季、すでに数々の魚を仕留めているシステムです。

 先に触れたとおり藤田選手のランキングは暫定2位。7月にはアメリカのB.A.S.S.オープン・ノーザン地区第2戦、そしてJBトップ50北浦戦が予定されています。体調に十分注意して頑張っていただきたいところです。

 なお今回の試合では藤田、青木の両選手に動画カメラマンが同船取材しています。公開を楽しみにお待ちください。

  • 注目のW.B.S.第3戦

 一方、東のメジャーレイク・霞ヶ浦でも、6月11、12日の2日間、土浦新港を舞台にW.B.S.第3戦が開催されます。予報は雨模様で、釣れる雰囲気アリアリ。ビッグウエイトの可能性も十分です。赤羽修弥、橋本卓哉、草深幸範、島後英幸ら各選手の活躍に期待しましょう。

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W.B.S.第3戦は6月の2デイ。恐らくハイウエイト合戦になることでしょう。カタズを飲んで見守りたいと思います

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