Ultimate 8月12日号

【特集】

灼熱の前半戦クライマックス!

JBとW.B.S.の暫定年間トップはともにDAIWAプロスタッフ!!

酷暑の3日間

JBトップ50第3戦・北浦

 7月29日から31日までの3日間、北浦・潮来マリーナを起点にJBトップ50第3戦が行われました。DAIWAチームからは既報の通り藤田京弥、青木唯、宮嶋駿介、山下尚輝、川口直人、山下一也、泉和摩らの各プロスタッフが出場しました。3日間にわたって微風・酷暑の中での戦いとなりましたが、DAIWAプロスタッフはそれぞれ見せ場を作り、大会を大いに盛り上げてくれました。

 1日目は藤田プロが3尾・3312gを持ち込んで4位、宮嶋プロが3尾・2984gで7位、山下一也プロが2尾・1660gで16位と好スタートを切りました。

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1日目4位の藤田プロ

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 16位の山下一也プロ

2日目には前日ゼロ申告だった青木唯プロが3尾・2606gで単日4位、同じく1日目ゼロだった泉和摩プロが2尾・2234gで単日7位と気を吐き、ゴボウ抜きで決勝進出。藤田プロ、宮嶋プロ、山下一也プロも順当に決勝に進出しました。 

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今回も1日目ゼロからのマクリを決めた青木プロ

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ベテラン泉プロも二2日目は単日7位のウェイトを持ち込み、みごと予選を通過しました 

さらにタフさを増した3日目の決勝では各プロが懸命な闘いを繰り広げ、最終的に藤田プロ10位、青木プロ12位、宮嶋プロ15位、泉プロ20位、山下一也プロ27位で終了しました。

 前回の本連載で注目した宮嶋プロに、試合後にお話を伺うことができました。それによるとエリアは、第一候補だったものの直前のプラで思わしくなかった北浦上流を思い切って選択肢から除外し、外浪逆浦、北利根川、常陸利根川に主戦場を変更。1日目は外浪逆浦のアシで2尾、鰐川で1尾、「アシ+シェード」を攻めて1kgクラスの魚を3尾キャッチしました。「陽が出れば魚はシェードに集まるだろう」と読んだ宮嶋プロの読み勝ちです。

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1日目7位スタートで見せ場を作った宮嶋プロ

2日目はスタート直後に水門で1kgアップを獲り、さらに波に乗るかと思われた宮嶋プロでしたが、以後は他選手とのバッティングの嵐に泣きました。2日目単日トップの選手が実は終始、水門攻めだったので、パターンは合っていたと思われます。「行く先行く先の水門でバッティングして、巡りあわせの悪さに泣きたくなりました」とは宮嶋プロの後日談。それでも2日目、3日目ともにしぶとく魚を持ち込んだことは十分に評価されます。

 宮嶋プロの釣りは高比重ワームのノーシンカーをテンポよく小刻みに撃っていくというもの。キャスト数はスピナーベイトなどの巻き物の数倍だったと思われます。名付けて「高速カバーハッキング」。『月刊Basser』誌9月号でも紹介された宮嶋プロの得意技です。

 宮嶋プロのタックルは...... 

ROD:スティーズ C68ML-SV [SKYRAY 68]

REEL:スティーズ AIR TW 500XXH

LINE:スティーズフロロ クロスリンク 10lb

 

これらカバー攻めの鉄板システムを駆使して圧倒的な手返しを実現したわけです。

 北浦戦に密かに自信があった宮嶋プロですから、今回の結果に若干凹んでいる様子でしたが「次の霞ヶ浦戦では借りを返す」と今からファイトを燃やしていました。9月の第4戦は他のDAIWAメンバーともども期待したいと思います。

 なお、第3戦終了時点でのJBトップ50年間暫定ランキングは藤田プロが1位、青木プロが2位ということで、DAIWAプロスタッフ勢がワンツーのベストポジションをキープしています。

W.B.S.第4戦で

橋本卓哉プロがビッグフィッシュ賞を獲得!!

 北浦のお隣、霞ヶ浦では、7月24日に土浦新港を起点にW.B.S.第4戦が行われました。当日は朝こそローライトの涼しい環境でしたが、次第に気温・水温も上がり、灼熱の戦いとなりました。そんな中、多くのチームは水通しの良い流入河川を主戦場に選びました。

 この試合で1890gを釣り、ビッグフィッシュ賞を獲得したのが橋本卓哉・渡部博昭チーム。橋本チームのプランも流入河川攻めで、東浦の恋瀬川、園部川、梶無川をローテーションしました。これらの川は互いに近くに位置するので、何度も入り直すことができるからです。第一候補の恋瀬川ではノンキー(=W.B.S.では30cm未満)は釣れたものの後が続かず、セカンダリーの園部川へ。そこの旧鹿島鉄道鉄橋下のアシで1890gが釣れたのです。

 魚を掛けたのはパートナーの渡部選手。橋本プロではありません。ですがW.B.S.はチームトーナメント。ウェイトはチームの合算で両名の成績となるため、ボーターもノンボーターもこの試合の結果は1890gと記録されるわけです。

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ビッグフィッシュを探し当てる、そしてそれを実際に掛けて獲る。だからビッグフィッシュ賞はチームに贈呈されます

 こうして1890gは橋本プロの記録にもなったわけですが、そもそもW.B.S.におけるボーターの役割の大きさはノンボーターがよく理解しています。なぜならボーターはプラを重ね、ゲームプランを練り、エリアを特定し、釣りを主導します。つまり試合展開をプロデュースするわけです。そしてメインでエレキを踏み、安全にボートを操船し、無事に帰着する。そこまでの責任があるわけです。今回のビッグフィッシュも、橋本プロが決めたスポットでパートナーが釣ったということで、二人の功績はイーブンだということがわかります。霞ヶ浦のような巨大なフィールドではリグがどうのルアーがどうのというより、魚が居る場所を探し当てることが最大の仕事なのです。

 パートナーの渡部選手も試合後「橋本プロに連れて行ってもらった場所で釣ったわけですから、僕のウェイトは実質(1890gの)3分の1ぐらいに値するでしょう」と語っていました。実に立派なコメントです。

 また、W.B.S.ではルール上、ランディングネットが使用できません。ネットを使うとボート際でのミスキャッチのリスクが少なくなることから、どうしてもラインが細くなります。しかしラインブレイクの危険性は高まります。結果的に魚にダメージを与えるというのがW.B.S.の考え方です。ボーター、ノンボーターどちらかが魚を掛けた場合、いずれか一方がランディングの役目を果たすことになり、それゆえランディングという行為がとても大切な仕事になるのです。この役目を今回は橋本プロが果たしました。

 ビッグフィッシュ賞に該当した1890gフィッシュは、それまで年間暫定ランキング1位だった橋本プロをその位置にキープさせました。残るは9月の最終戦。2位との差はわずかです。次回は2デイですので何が起こるかわかりません。他のDAIWAメンバーともども、健闘を期待したいところです。

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