Ultimate 8月26日号

特集

衝撃の飛びとアクション、そして軽い巻き心地

スティーズクランク700 登場!

 類いまれなる遠投性能、変幻自在な障害物回避能力、そして気持ち良さ全開の巻き心地で多くのクランカーからご支持をいただいているスティーズクランク。これまでは潜行深度別に100、200、300、400、500の5アイテムがラインナップされていましたが、この8月に700モデルが加わります。(8月末発売開始となります。)

2022.8.26.1.jpg

この8月に鳴り物入りでデビュー:スティーズクランク700。早くもフィールドで実績を残しています。今回はその秘密を小島明久プロに解説していただきました

 「700」ということは説明不要の7メーターダイバー(最大深度は7.2m)。琵琶湖などではディープ攻略の新兵器として、小島プロが華々しい釣果を残しています。

その要因はどこにあるのか? 飛び抜けて釣れる要素がどこかにあるはず。

というわけで今回はこのクランクベイトの開発に深く関与していただいた小島プロにお話を伺ってみました。小島プロは知る人ぞ知る「コジコジガイドサービス」を主宰する琵琶湖の人気ガイド。爽やか系のキャラで多くのアングラーに親しまれています。当然、クランクベイトの釣りには一家言を持っており、ルアーそのものの薀蓄も深く、開発者としてこれ以上ない資質を有しています。

 そんな小島プロに早速

「『スティーズクランク700』が他のディープクランクと一番違う点は何か」

という質問を投げかけてみました。

 すると小島プロは待っていたかのように滑らかに答えてくれました。

  • 飛距離と巻きの軽さ、そして浮力......これらが一番の違い

 「『スティーズクランク700』は、飛距離、巻きの軽さ、浮力の高さ......これらすべてがワンランク、いやツーランク違うと思います。要するにディープクランクに求められる総合的な要素をハイレベルで完備しているということ、それが一番の違いですね」

 そして小島プロは個々の要素について解説してくれました。

 「ディープクランクにおける飛距離の重要さは皆さんご存知でしょう。飛ばなければ深い層を長く引くことが出来ないからです。その点『スティーズクランク700』は、フルサイズボディで、大型タングステンボールによる重心移動システムが搭載されているので、圧倒的な飛距離を叩き出すことができるのです。しかも軽く投げるだけで飛んでくれる。この点がまずズバ抜けていると思います」

thumbnail_2022.8.26.2.jpg

軽く投げるだけで飛ぶ。これはディープクランクにとって絶大なアドバンテージです。もちろん、ロッド、リール、ラインなどもその飛びに貢献しています

 「巻きの軽さに関しては、これはもうルアー全体のバランスが整っているからとしかいえません。だから気持ちよく巻くことができる。一般的にディープクランクのリトリーブフィーリングは軽いとはいえません。どうしても抵抗を感じてしまいます。

 ですが『スティーズクランク700』の巻き抵抗は驚くほど軽い。深く潜りながらも軽く巻けるのです。これは矛盾する要素なのですが、それをクリアした一つの要因がリップの形状。『スティーズクランク500』も同じなんですが、少し反っています。これが深く潜りながらも巻き抵抗を軽くさせているのです。水をしっかりと掴んでルアーを潜らせながらも、適度に水を逃がしてくれる。これがミソです。

単に潜らせたいのならリップを広くすればいいんですが、それでは巻き抵抗が重くなってしまいます。その矛盾をこの上反りリップが解消しているわけです。」

 小島プロは巻き抵抗の軽さに関しては、最近のガイド活動の中で何度も実感したと語っていました。

 「そうなんです。ゲストさんに使っていただくと、必ず驚かれます。

『意外と軽いんですねー。いままでのディープクランクは巻きが重くて、ちょっと......と敬遠していたんですが、これなら普通に巻けますね。目からウロコでした。』

という印象を語る方がとても多いです」

 そして小島プロはタックルの重要さも語ってくれました。

 「言うまでもありませんが、飛距離と巻き抵抗の軽さはロッド、リール、ラインが深く関わっています。要するにトータルバランスということですね」

2022.8.26.3.jpg

ガイドゲストさんに使ってもらうと「こんなに軽く巻けるディープクランクがあったなんて!」と驚かれます

  • 「浮力」に関する開発秘話

 「スティーズクランク700」のもう一つの特長が浮力の高さ。これがクランキングに不可欠の要素=カバー回避能力を生み出すわけですが、これに関してはこんな逸話があったようです。

 「実は何人かの方々から『浮力が高すぎる』と指摘されたのです。その方たちは『スティーズクランク700』が足元から浮き上がる様を見てそう感じたのだと思います。

ですが私の中では『浮力で食わせる』『浮力で回避させる』というイメージがあったので、浮力の高さは譲れない点でした。

 私の考えはこうです。実際の釣りで70メートルも投げて7メートル潜らせると、そんなに早く浮いてきません。ましてやラインはフロロの16lb。70メートル投げてラインを馴染ませた場合、浮力を抑えたルアーですとラインが重いのでサスペンドするかスローフローティングになってしまいます。これではボトムなどにスタックした場合に回避させることは難しくなります。

 つまり『スティーズクランク700』の高浮力は重いフロロカーボンラインを使って遠投して深く潜らせる釣りを想定して設定されているのです。

 高浮力に疑問を呈した方にはその点を説明させていただいてご理解いただきました」

 確かにフロロカーボンラインは予想以上にウェイトがあります。小島プロは続けました。

 「この高浮力と急潜行するリップが作り出すアクションは、振り幅の細かいタイトウィグルに若干のロールが伴ったものです。それが70メートル先からも手元に伝わってきます。それも使いやすさの一つですね」

thumbnail_2022.8.26.4.jpg

高浮力が生み出すキレのよいアクション、障害物回避能力があるから、こうしたデカバスも釣れるのです、と小島プロ

 「とにかく、ドラッギングは別にして、キャストで7メートル潜ってくれるクランクベイトは非常にレアです。それを実現したのが飛距離と軽い巻き心地、そして浮力の高さだといえますね。

ウィードなどでワーミングクランクとして使うこともある『300、400、500』などと違い、『スティーズクランク700』は主にハードボトムで使うことを前提としていますので、ダントツに高浮力に設定しています」

  • タックルは一択

 小島プロが「スティーズクランク700」に採用しているタックルは

ROD: BLX LG 7101 HFB-SB

REEL:ジリオンSV TW 1000L

LINE:モンスターブレイブZ 16lb

このシステムもルアーの能力を引き出す欠かせない要素と小島さんはおっしゃっています。

thumbnail_2022.8.26.5.jpg

ディープクランクの釣りには優れたタックルシステムが欠かせません、と小島プロ

 最後に小島プロは使い方のキモについても語ってくれました。

 「7メーターダイバーといっても7メートル付近だけで使うわけではありません。以下の動画をご覧いただければお分かりかと思いますが、『300』を1.5メーターのボトムに当てて使うように、『700』を例えば5メーターラインで使うのも十分アリです。しっかり潜ってくれるので大遠投せずともボトムノックでき、スタックしたら浮かせることができるからです。(https://www.youtube.com/watch?v=fxhL3LVXHxY)

 この「スティーズクランク700」が活躍する舞台は琵琶湖だけでなく、もっともっとたくさんあると思います。リザーバーなども面白いですね。きっと無警戒に深場に居るデカバスが釣れると思います。ですから私としてもこれからいろいろなフィールドで積極的に可能性を探っていきたいと思います」

 とまとめてくれました。みなさんも『スティーズクランク700』で新しいクランキングの世界を開拓していただきたいと思います。