Ultimate 10月14日号

特集1
橋本卓哉
W.B.S.2022年A.O.Y.受賞!
実に4回目の快挙!!

 9月24、25日に予定されていたW.B.S.最終戦は台風の影響でキャンセルになってしまい、第4戦までのランキングで年間順位が決定されました。
 その結果、A.O.Y.の栄冠を射止めたのはDAIWAチームの橋本卓哉プロ。堂々4回目の受賞です。
 実は橋本プロは最終戦に向けて10日間という長期間プラを敢行し確かな感触を得ていただけに、キャンセルは本人が一番悔しがっていました。

 W.B.S.の歴史においてA.O.Y.の栄冠に4回輝いたのは橋本プロと故・本山博之氏のみ。全ての選手が最終目的とする栄光だけに複数回受賞することすら難しいのに、4回とはまさに快挙のひとこと。
 橋本プロも「W.B.S.に参戦するにあたって、A.O.Y.は常に目標としています。その積み重ねが4回の受賞につながったのでしょう」と力説しています。一年間を通じて安定した成績を残した選手に与えられるのがA.O.Y.という称号。真の実力なくして獲得できる栄誉ではありません。
 これで橋本プロは名実ともにW.B.S.のトッププロに登り詰めたといえましょう。
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A.O.Y.トロフィーを掲げる橋本プロ。実はこのトロフィー、かなり重くて手がプルプルしていたそうです

 橋本プロが最初にA.O.Y.に輝いたのは2009年、期せずしてW.B.S.創立20周年目のことでした。この年、最終戦を暫定ランキング2位で迎えた橋本プロは2日目、当時のマシンガンキャストタイプⅡを炸裂させて逆転でテッペンに立ちました。ちなみにこの年、W.B.S.クラシックを制したのは赤羽修弥プロでした。
 翌2010年も2位で最終戦を迎えた橋本プロ、荒天で1日目がキャンセルされ1デイになった2日目、持てるタックルを総動員して単日3位のウェイトを持ち込み、またしても逆転でA.O.Y.の座をもぎ取りました。
 その後しばらく惜しい成績が続いた橋本プロですが2018年3度目のA.O.Y.に輝き、そして今年、4度目を射止めたというわけです。
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A.O.Y.獲得の橋本プロが表紙になった2009年と2010年のW.B.S.イヤーブック

 A.O.Y.という栄誉は当然、楽に手にすることはできませんが、今年の橋本プロの戦い振りも決してイージーではありませんでした。北浦スタートの開幕戦はまさかの1フィッシュ。ですが第2戦は小野川から4本の魚を持ち込み7位、続く2デイの第3戦では東浦などからグッドフィッシュを持ち返り準優勝。結果的にここでの貯金が効いて年間ランキングは暫定1位に。最終戦はビッグフィッシュ賞に輝いた1本でしぶとく年間1位をキープしたのです。
 今年は全体的にローウェイトの試合が続き、全4戦すべて魚を持ち帰ったのは6名しかいなかったほど厳しい1年だったのです。そんなシーズンで橋本プロは1度もノーフィッシュ帰着がなく、最終戦で見せた一発の破壊力に加えて、安定性も際立っていました。
 ちなみに第3戦で準優勝に輝いた時の橋本プロのタックルシステムは以下の通りでした。
ROD:STEEZ C70H-SV・ST FURY 
REEL:STEEZ LTD SV TW 1000H
LINE:STEEZ フロロ X'LINK 14lb
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今年の第3戦、準優勝したタックルを手にする橋本プロ

 10月2日、SDGマリン横利根ベースにおいてW.B.S.年間表彰イベントが行われ、P.O.Y.(パートナー・オブ・ザ・イヤー)やクラシッククォリファイ選手とともに、橋本プロも表彰されました。
 橋本プロはA.O.Y.トロフィーを持ちながらインタビューに答えました。
「霞ヶ浦の釣れ方は時代とともに確実に変わりました。ですから、その時代時代における最新のタックルをサポートしてもらえることは強烈なアドバンテージになり、4回のA.O.Y.獲得の大きな要因です。そういう恵まれた環境に居るわけですから、年々状況は厳しくなってもさらに練習量を増やし、来年もぜひA.O.Y.を目標に集中して前人未踏の5回目を目指したいと思います」
 このように力強く語っていたのが印象的でした。
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表彰式後、赤羽プロ、草深プロらからビールの洗礼を受ける橋本プロ

 橋本プロには今後、10月29、30日のBasserオールスタークラシック、11月19、20日のW.B.S.クラシックというビッグマッチが控えていますが、ぜひとも華々しい活躍を見せてほしいと思います。オールスターには橋本プロだけでなくDAIWAチームから赤羽修弥プロ、奥村和正プロ、清水盛三プロ、並木敏成プロ、藤田京弥プロが参加し、W.B.S.クラシックには年間5位の赤羽プロ、同10位の草深幸範プロが出場します。DAIWAチームへのご声援をよろしくお願いいたします。

 


特集2
青木唯、破竹の勢い!
JBマスターズ第4戦 DAIWA CUP優勝!
JB河口湖Ⅱ・河口湖Aでは完全優勝!!

 橋本卓哉プロがSDGマリン横利根ベースでW.B.S.のA.O.Y.を受賞した10月2日、野尻湖では青木唯プロが大仕事をやり遂げました。JBマスターズ野尻湖戦DAIWA CUPで優勝したのです。これで青木プロは野尻湖でのマスターズ戦を昨年に続いて2連勝、今年のマスターズに関しても三瀬谷戦に続いて2連勝と、まさに破竹の勢いを見せました。

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野尻湖2連勝、マスターズ2連勝の青木プロ。すでに風格さえ感じさせる強さです

 試合を終えて一段落した後、青木プロに野尻湖戦について話を伺ったところ「勝つことしか狙っていなかった」とのこと。続けて次のように語ってくれました。
「プラに入る前はいつも通りフラットに隣接するバンク等を釣る計画でした。ところが、直前のプラで沖のディープに魚を見つけたんです。そんな水深の魚を狙う気はまったくなかったのですが、優勝だけを狙っていたので、沖の釣りを探りながら試合をすることにしました」
 青木プロの釣りは、いわゆるホバスト(アンダーウォーターを含む)やビッグスプーンなどを利用したライブスコープの釣りですが、とくにビッグスプーンをボトムからシャクリ上げる釣りに関しては、本人も「日本の釣りとは思えない」と語っていました。
 この試合ではルビアスエアリティFC LT 2500S-XH-QDやジリオン10.0 SV TW, ジリオンSV TW XH、そして青木プロが絶大な信頼を寄せるスティーズフロロX'LINKなどが活躍したようです。

●JB河口湖シリーズでは7戦7勝の完全優勝!!

 青木プロの快挙といえば9月17日に行われたJBⅡ河口湖で優勝、続く18日に行われたJB河口湖Aで連勝し、2022年のこのシリーズ全ての試合に優勝したことも忘れてはいけません。
 つまりJBⅡは3戦3勝、河口湖Aは4戦4勝、勝率100%というわけです。これは空前にして恐らく絶後の記録といえましょう。
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河口湖Aにおいて4戦全勝をなしとげた青木プロ

 こう書くと青木プロの勝利は誰にも止められない余裕の結果という印象を与えますが、ご本人に感想を伺うと「苦しかった」と言います。
「苦労しました。現に9月18日の河口湖Aも釣ったのは(リミットの)3本キッカリで、とても余裕はありませんでした。それだけに勝てて本当に嬉しいです」
 ちなみにこの試合で4位に入賞したのが藤田京弥プロ。ここでも存在感を示していますね。
 まだすべてのスケジュールを消化したわけではありませんが、青木プロの2022年は素晴らしい一年でした。
「僕自身、今年は何かを残せたと思います。来年はもっと高みを見据えて、努力したいと思います」
 青木プロは確かな口ぶりでそう語ってくれました。ちなみに9月の河口湖シリーズで活躍したのはルビアスエアリティFC LT 2500S XH QDとUVFタトゥーラセンサー×8+Si2スティーズフロロX'LINK 4lbでした。青木プロの今後のさらなる活躍にご注目下さい。