特集
DAIWAのプラチナ世代、中川雅偉。
フェイバリットタックルを語る
例えば女子ゴルフの世界では20歳ソコソコのいわゆる「プラチナ世代」「黄金世代」の勢いが顕著で、業界を大いに盛り上げています。それに刺激されてベテランも奮起する。こうして新旧が鎬を削るとトーナメント内容が充実し、見る者を感動させる。それがまた斯界の発展につながるという好循環を見せています。
バストーナメントの世界でもまったく同じ現象が起きています。ご存知DAIWAチームの藤田京弥、青木唯両プロも20代のバリバリ。山下一也、尚輝ブラザーズも20代で、女子ゴルフに負けずに話題を集中させています。もちろんベテランも黙っているわけではありません。泉和摩プロ、赤羽修弥プロなどもまだまだ現役でトーナメントに燃えています。
アメリカでは2023年のB.A.S.S.エリートで藤田プロと70代のラリー・ニクソンが一緒に戦うというミラクル。まさに新旧入り乱れての戦いといえ、どう考えても盛り上がるしかない展開です。
- DAIWAチームの最年少アングラー
今回はそんなDAIWAチームの若手、中川雅偉プロをご紹介しましょう。すでにご存の方も多いと思われますが、2021年からDAIWAチームに加わったルーキー。2000年生まれですから現在22歳。DAIWAチームの中では最年少です。
生まれも育ちも名古屋空港のそばの愛知県豊山町。釣りを始めたのは小学2年の頃。大人に海釣りによく釣れて行ってもらっていたそうです。そこからコイやナマズなどの川釣りを経て管理釣り場のトラウトにハマり、それがルアーフィッシングの扉を開き、バス釣りに専念するようになって現在に至る、というキャリア。
中京をホームグラウンドに活動しており、大江川、五三川、長良川、入鹿池、高山ダムなどがメインフィールド。釣具店に勤務しながら、休日は陸っぱり・ボートを問わず積極的に釣行しています。
バス釣りに対する情熱は誰にも負けず、探究心も人一倍。10月末のBasserオールスタークラシック(千葉県)にDAIWAプロスタッフの一員として参加した際、帰りに相模湖(神奈川県)に寄り、車中泊して日相園からレンタルボートで出てご覧のバスを釣ったほど。
「メチャメチャ寒かったけど、初めての相模湖では素晴らしい経験をさせてもらいました」
と興奮気味に語っていました。若さ迸るコメントですね。
中川雅偉プロのもう一つのストロングポイントがキャスティング。左右どちらでも遜色なく投げられる両刀使いなのです。プロなら珍しくありませんが、どっちが利き腕か分からないというレベルには稀有なものがあります。当然、足場が限られる陸っぱりでは絶大なアドバンテージになりますね。
ちなみに名前の「雅偉(がい)」とは実にユニークな名前ですが、名付け親はご尊父。「アニメのキャラらしいですよ」とのことでした。外国の人にはとくにウケがいいそうです。
Hey! Nice guy!
という感じでしょうか。
これが相模湖で釣ったナイスバス。BasserオールスタークラシックのDAIWAブースに展示されていた「スティーズプロップ170S」で釣ったようです。「夕方のフィーディングタイムにシャローに差してきたバスを釣ろうと投げたんですが、もの凄い勢いでチェイスしてきたのには驚きました。15回ぐらい追ってきましたね。これはそのうちの一本です」と中川雅偉プロ。ルアーが大きいので魚は小さく見えますが、実はビッグバスの部類に入るサイズです。ちなみにロッドはブレイゾンC611H-SB。リールはタトゥーラTW100
- タトゥーラTW 80の使い勝手に感動!!
そんな中川雅偉プロですが、アクティヴアングラーらしくタックルに関するお話をたくさん聞くことができました。 まずリールですが、最近特に愛用しているのがタトゥーラTW 80だといいます。その辺の理由を伺ってみますと、「リールは適材適所でいろいろ使っていますが、最近になってとくに使用頻度が高いのがタトゥーラTW 80。僕は大江川や五三川、長良川などの川に釣行することが多く、そんなシチュエーションで遠投メインの釣り、クランクベイトとかヘビキャロなどでは抜群のパフォーマンスを演じてくれます。立ち上がりが素晴らしいのでよく飛んでくれますし、ボディがコンパクトなのでリトリーブ時にも握りやすい。当然、力を逃がさないのでフッキングも確実に決まります。そしてヘビキャロをズル引いている時には感度の良さも感じますね。すべて軽くてコンパクトなボディが貢献していると思います。
そしてこの素晴らしいパフォーマンスを考えると、コスパは最高だと思いますね」 と語ってくれました。
- ブレイゾンの「この1本」と「もう1本」
中川雅偉プロはブレイゾンを愛用しているようですが、デザイン、アクションともに気に入っていただいているようで「私の釣りを実践するうえで申し分ないスペックを持っています」とのこと。詳しくお話を伺うと
「とくに軽さと扱いやすさが気に入っています。僕は脇に挟み込める長めのグリップが好きなんですが、その点ブレイゾンシリーズのグリップは適度に長く、とても使いやすいと感じています。そしてコルク素材が使われているので軽くて振り抜きがいい。だからブランクにしっかりとパワーを伝えてくれます。
全体的にデザインもイケていますし、ズバリ僕好みのロッドで、釣りをしていてもとても気分がいいです」
と評価してくれました。
続いて中川雅偉プロは強いて挙げるなら、という前置きで「ブレイゾンのこの1本」をチョイスしてくれました。
「やっぱりC610MHですかね。中京地区における僕の釣りでは一番使用頻度が高いロッドです。ほぼ一年を通して使います。川では岸辺のブッシュなどに重めのジグ、テキサスを撃つ釣りが多いのですが、そんな時に6ft.10in.という長さが活きてきます。足場が高い場所などではとくにそのメリットを感じます。しかも長すぎないので取り回しもいい。パワーも十分なのでカバーゲームにおいて主導権を奪われることはありません。
それと最近、「ふく魚」という新しいジョイントベイトをよく使うんですが、そのレベルのルアーも気持ちよく扱えます。ウェイトは約40gですが、問題なく扱えます。ちなみにこの「ふく魚」というルアー、ウォブル主体の動きにロールが入っているので今までになかったアクションを持っています。よく釣れますよ」
と、ルアーの話も含めて語っていただきました。
中川雅偉プロお気に入りのビッグベイト「ふく魚」で釣った魚。ロッドは「この1本」に挙げてくれたブレイゾンC610MH、リールはタトゥーラTW100
ですが中川雅偉プロの話はそこで終りませんでした。
「この1本ということですが、もう1本あるんです。C610MHと同じぐらいに出番が多いロッドなんです」
と前置きして挙げてくれたのがC66M-STでした。
「このロッドもほぼ一年中使います。ハイシーズンはフリーリグやスモラバのスイミングなどに使うんですが、秋からは巻き物にも使います。スピナーベイトやクランクベイトなどですね。なぜそういうルアーに適しているかというと、ソリッドティップが実にいい仕事をしてくれるからです。ちょっと硬めのソリッドなのでラインスラックを出しながら巻くことができる。この『巻き感』が素晴らしいんです。要するに『釣れる巻き方』ができるんです。
そしてもっと寒くなればメタルバイブなどにもいい。フォーリングでのバイトをソリッドが上手く食い込ませてくれる。意外に使用範囲が広いロッドで重宝しています」
こうまとめてくれました。中川雅偉プロの「ブレイゾン愛」が伝わってくる内容ですね。
前述のように中川雅偉プロは弱冠22歳。
「これからも中京に根ざした釣りを行っていきたい。陸っぱりだけでなくボートでの釣りもマスターしたい。そのためにボートも購入しました。ガイド活動も充実させたいし、要するにマルチに活動したいんです」
と夢は尽きないようです。これからの中川雅偉プロに注目しましょう。
マルチアングラーを目指している中川雅偉プロですから、当然スピニングの釣りも得意です。写真は高山ダムにおける一本。パワーフィネスジグSS 3.5g+シュリンピードカットチューンで50up! ロッドはブレイゾンS68MH、リールはタトゥーラLT2500S-XHのパワーフィネスセットでした。
というわけでこのアルティメットも今年最後のUPとなりました。1年間のご愛読、誠にありがとうございました。来年も皆様にとって役に立つコンテンツをお届けしていく所存ですので、ご期待ください。
皆さま、よいお年を!!