特集1
青木唯
JBマスターズ2連勝!!
昨年から4連勝の偉業を達成!!
太平洋の向こうでは藤田京弥プロが華々しい活躍を続け、我々を寝不足にさせていますが、DAIWAチームは日本でもJB、W.B.S.などで縦横無尽に暴れまくっています。
なかでも青木唯プロの活躍には凄まじいものがあります。ご存知のように4月22、23の両日、河口湖で行われたマスターズ第2戦で青木唯プロはぶっちぎりの優勝を見せてくれました。これで2023年のマスターズは初戦の津風呂湖に続いて2連勝。さらに驚くのは2022年の第3戦三瀬谷ダム、そして第4戦の野尻湖でも連勝しており、年をまたいでマスターズ4連勝! これはもう、空前の記録と言っていいでしょう。
JBマスターズ4連勝という記録は恐らく破られることはないでしょう
ちなみに今年のマスターズの結果を見て注目されるのが2日目の爆発。初戦の津風呂湖戦、第2戦の河口湖戦ともに7kgオーバーを持ち込み圧勝しています。実はこの数字に青木唯プロの強さが秘められているのです。
その理由はこうです。
青木唯プロはどういうふうにルアーをアクションさせれば魚が食うのか、初日に釣りをしながらそれを探ろうとします。そしてそのパターンを掴んだら、容赦ない釣りを繰り広げてボコボコに釣る。だから2日目に爆発するのです。今年の2連勝もそのパターンでした。
- その日その日を釣る
トーナメントの翌日、6月のトップ50小野湖戦の準備に余念がない青木唯プロにそのあたりのお話を伺ってみました。
すると青木唯プロはわかりやすく解説してくれました。
「リザーバーに関しては、魚の居場所はだいたい把握しています。この風でこの気温ならどのへんにいるのか、そういったことはわかります。魚はシーズナルパターンで動きますからね。ただし、時間によっても付き場は変わる。しかも湖によっても魚の動きは違う。そういうこともわかってきました。
そんな情報を基に釣りを組み立てるわけですが、青木唯プロが魚の居場所を外すことはほぼありません。ですが、魚を見つけたとしてもそれを食わせなければなりません。
「魚の食い方も湖によって違います。しかも季節や時間帯によっても違ってくる。だからそのパターンを早く把握すれば、釣れる確率が高まるというわけです。つまりは『その日を釣る』ということが大切なのです。今年のマスターズで2試合とも2日目に7kgオーバーを叩き出せたのも、その時その時の魚の食い方を初日の釣りで掴んだからだといえます」
- ドラグが勝利の立役者
青木唯プロはまた、タックルの重要さも力説してくれました。結果を見ると簡単に釣っているように見えて、本人にとっては「いやいや、毎試合ギリギリの展開です」とのことですが、それを支えたのがタックル、とくにリールだと言います。
「私の勝利を支えてくれたのがAIRITY、とくにそのドラグだと言えます。お陰でミスフッキングがなくなりました。PEラインを使っているので、魚を掛けた時の最初のドラグの出方がとても大切なのです。それがスムーズでないと、掛けた時にバーンと弾かれて、一瞬の反動で掛かるはずだった魚も外れてしまいます。
その点、今回新しいAIRITYを動員したことでより万全の態勢を敷くことができました。前作(LUVIAS AIRITY)からドラグがATD TYPE-Lに進化して、フッキングにも一段と信頼性が増しました。魚の掛り方も最高です。ですから躊躇なくアワせることができるのです。アワセのタイミングがジャストでも、ドラグが遅れては獲れません。つまり技術を補足してくれるタックルがないと、勝てないということです。その点、僕は最高に恵まれていると言えます。マスターズ4連勝はそうしたタックルの性能に支えられたといっても過言ではありません」
青木唯プロにとって次のマスターズは7月の霞ヶ浦戦。
「厳しいレイクですが、とても楽しみな試合です。そこでいい結果を出すことに意義があると思っています」
青木唯プロはこう力強く語ってくれました。まずは6月のトップ50小野湖戦、そしてマスターズ霞ヶ浦戦と、青木唯プロの活躍から目が離せない試合が続きます。
なお、マスターズ河口湖戦では同じDAIWAチームの青木大介プロが3位入賞、山下一也プロが11位という好成績でフィニッシュしました。
痛恨の開幕戦からすぐさま日本のトーナメントシーンにアジャストしてきた青木大介プロ。3位入賞で「さすが」という印象を周囲に与えました
特集2
W.B.S.第2戦で
赤羽修弥プロ準優勝!!
橋本卓哉プロ4位入賞!!
青木唯プロがマスターズ4連勝という記録を打ち立てた4月23日、W.B.S.の第2戦が北浦・潮来マリーナを起点に行われ、赤羽修弥プロが準優勝、橋本卓哉プロが4位に入賞いたしました。
3本3,025gというスコアで準優勝した赤羽チーム
北浦スタートのW.B.S.戦におけるエリアは北浦全域、外浪逆浦、常陸利根川、北利根川。霞ヶ浦本湖はエリア外になり、通常の土浦スタートとはまったく別の作戦が要求されます。
時期的に魚の状態はプリ~アーリースポーン。例年は北浦最上流や各ワンドが熱いエリアになりますが、気温の上昇が一段落した4月下旬は、当日も気温7℃と冷え込み、差して来る魚の動きも一段落、春先に釣れるエリアが沈黙するという状況でした。
そんななかで赤羽、橋本両プロがチョイスしたエリアは北利根川。プラ期間中は比較的好調に釣れていたため、多くの選手がこの川でゲームを組み立てました。
赤羽プロがマークしたのは、北利根川中流域のアシ際に水深があるストレッチの、沈み物が点在するスポット。そして消波ブロックでした。
「全体的に非常に厳しい状況でしたが、少し水が増えた北利根川では、それまで水面上に露出していたアシの根が水没して、いい感じでした」
赤羽チームの作戦は北利根川中流域の水深のあるアシを丁寧に攻めるというものでした
赤羽プロの狙いは釣り開始直後に的中。エレキを降ろした10分後にはネコリグに最初の魚がバイトしたそうです。その後、貴重なキーパーを追加して、コアングラー(チームを組むバックシートの選手)がスピナーベイトで掛けた魚と合わせて3本の魚をライブウェルに納めて帰着しました。
結果、記録は3本3,025g。最後まで暫定トップ席で待機していましたが、わずか65g差で準優勝にとどまりました。
トレーラーウエイインで3本のナイスフィッシュを見せてくれた時、会場は最高に盛り上がりました
しかし、多くのチームが撃沈する渋い中、研ぎ澄まされた作戦とベストタックルチョイスで3本の魚を持ち返ったことは「サスガ」と評価されるものでした。
赤羽プロは常にタックルセッティングに細心の注意を払います。今回の試合においても、リグに応じたロッド、リール、ラインの理想的なシステムを組み上げ、それが厳しい中でのバイトにつながり、ミスなく魚を獲ることが出来た最大の要因だと考えられます。
そのシステムは以下のとおり。
【ネコリグ用】
ROD:STEEZ RACING DESIGN 681M/MLFB
REEL: STEEZ AIR TW 500XXH
LINE:STEEEZフロロ クロスリンク10lb.
【ダウンショット用】
ROD: STEEZ RACING DESIGN 681M/MLFB
REEL:STEEZ CT SV TW 700XH
LINE:STEEZフロロ クロスリンク12lb.
「今回の釣りではロッドがキモでした。カバーの釣りにおいて、根掛かりのようで実は根掛かりではない、そんな微妙なアタリを伝えてくれるのがこのロッドなんです。とはいえ今回のように消波ブロックの奥の奥で食わせたケースでは、ラインが水中でブロックに何ヵ所も接していたうえに、水面上のブロックの隙間は植物でふさがっていた。つまり感度を吸収するモノが無数にあって、バイトは非常に不明瞭だったのですが、そうした"アングラーが感じられないバイト"まで、深く食い込ませて掛けることができた。これは感度が高いだけでなく、絶妙なテーパーデザインの681M/MLFBだから成せる業。これだけの超高感度ロッドだと、普通であれば、魚がすぐに違和感を覚えてワームを吐き出しますよ」赤羽プロ談
赤羽プロはこの2タックルをメインにゲームを進めました
こうして赤羽プロは渋い中で魚を獲り、準優勝したのです。
一方、同じ北利根川でも橋本プロは赤羽プロの対岸の通称「階段」を指名。護岸が階段状に水中に落ちているのでそう名付けられたスポットでほぼ一日粘り切りました。
北利根川の「階段」を執拗に攻める橋本プロ
ここに比較的ロングアプローチでリグ(ネコリグまたはダウンショット)を投じ、階段をゆっくりズリ落とすという釣りで2本の魚を獲り、帰着前の北浦で1本追加して3本トータル2,140gというスコアを作りました。
「プリのメスを見失っている状況だったのでローウェイトは仕方ないですね。でも表彰台を確保できたのでマズマズです」
このように橋本プロは語っていました。
表彰台での橋本チーム。ちなみにカメラマンは茂手木祥吾プロ
この「階段落とし」という釣りに貢献したのがタックルシステム。タックルセッティングには常に万全を期している橋本プロが組んだのが以下のタックルです。
【ネコ・ダウンショット用】
ROD: STEEZ RACING DESIGN 681M/MLFB
REEL:STEEZ AIR TW 500XXH
LINE:STEEZクロスリンク8lb.
とくにロッドにはこだわっていました。
「『階段落とし』に求められるのがロッドの感度。階段に沿ってタイトに落とせているかを伝えてくれ、しかも食い上げ気味のバイトをも伝えてくれる感度があるからこそ、2本の魚を獲れたと思います」
「このロッドの感度が『階段落とし』に絶妙なんです」と橋本プロ
こうして準優勝と4位という堂々たる成績で第2戦を終えた赤羽、橋本両プロ。しぶとく8位というポイント圏内を死守した草深幸範プロも含めて、DAIWAメンバーの年間レースがますます楽しみになった、そんなW.B.S.第2戦でした。
しぶとく8位でポイントを確保した草深幸範プロ