特集
ナオキのホンキ!
山下尚輝プロにフォーカス
- JBトップ50第3戦にロックオン
ベテランから中堅、若手まで幅広い布陣のDAIWA BASSのプロスタッフ陣。その中で中川雅偉、青木唯両プロとともに最年少の年代に並ぶのが山下尚輝プロ。7月6日現在で24歳です。
山下尚輝プロは現在、JBのトップカテゴリーであるトップ50をメインに兄の一也プロとともに参戦。歴戦の猛者が居並ぶトップ50において必ず見せ場を作っています。
ここまで2試合を終えた今年のトップ50、年間ランキングではDAIWAの鈴木隆之プロと青木唯プロが1位2位に並んでいますが、山下尚輝プロも16位と健闘しています。
第3戦は7月14日から霞ヶ浦・北浦で開催される予定で、現在はオフリミット(試合フィールドへの立ち入り禁止)期間。そこで今回は尚輝プロにさまざまなお話を伺ってみました。
まずは今シーズンここまでのトップ50の戦いを振り返っていただきましょう。
「第1戦は24位でしたが、最終日まで自分の釣りを押し通したので悔いはありません。第2戦ではウェイインバッグから1.5kgクラスが飛び出てしまうというアクシデントがあり、若干凹みました。あのミスがなければ......、と悔やまれましたが、いまは立ち直って次に備えています」
ナイスウェイトでスタートしたトップ50第1戦の初日(PHOTO:JBNBC)
続けて尚輝プロは第3戦の抱負を語ってくれました。
「これまで夏の霞ヶ浦・北浦はよくわからないフィールドだったんですが、プリプラでエリア全域を回り、全体像は把握できました。感触は悪くありません。試合直前のプラでもう少し煮詰めるつもりです。現在は地元でさまざまな活動を行っておりますが、すべて第3戦を視野に入れています」
- サイズを選べるポッパー
尚輝プロの地元は兵庫県の淡路島。無数の野池が存在する土地柄です。尚輝プロはそんな地の利を生かして、毎日のように時間を作って釣行しています。その目的はルアーのテストや取材がメインですが、前述のようにトップ50の戦略も想定しています。
その時々の釣果はご本人のSNSを通じてレポートされていますが、いずれも素晴らしい釣果です。
「昔はよく釣れた淡路島の野池群も、いまでは場所と釣り方がきちんと合わないと釣れません。けっこう戦略も必要です。逆にいうと、それだけルアーやタックルの優劣が試されるといえます」と現状を解説してくれました。
尚輝プロは以前から「新製品を含めすべてのDAIWAルアーでバスを釣ってやろう」という意気込みで釣行しています。それに応えてくれる野池群が控えているからできる芸当でしょうが、シーズナルなタイミングに合わせてルアーをチョイスしているから結果が出ているのでしょう。
最近は時期的に水面系のSTEEZポッパーやSTEEZペンシル、それにSTEEZスターリングシャッドやガストネードなどが活躍している模様です。
「先日の釣行ではSTEEZポッパー50Fが大活躍してくれました。60Fや70Fでも釣れるんですが、スピニングタックルを煮詰めたかったこともあり、50Fを使いました。間違いなく釣れますね。わかったことはペンシルよりもポッパーで釣れるバスのほうがサイズがいいことです。やっぱりポッパーはポーズ(静止)を挟むことで大きなバスがバイトするタイミングを生み出せるからでしょうね。STEEZペンシルでも釣れるんですが、高速ドッグウォークさせるので小さいバスが先に反応してしまいます」
ポッパーに出る魚はサイズがいい......、尚輝プロの実感です
今の季節のポッパーの狙い目は護岸の際やヒシ藻のまわりですね。ギルやカエルがメインベイトです。釣り方は波動で気づかせて、止めて、次のアクションで食わせる感じです。虫系ルアーを使う釣りに似ています。
さっきも言ったようにペンシルにもメッチャ出ます。チョンチョンチョンとアクションさせるとバコーンと出る感じです。ガストネード55Sも水面直下を引くとよく釣れます。
ガストネード55Sでは数釣りが楽しめます
僕はこうして時間があれば近所の野池で竿を出しているわけですが、よく釣れるのでルアーのテストには最高の環境だと思います。アクションのさせ方やポーズの取り方などでバイトの出方が違うことが体感できます。いずれも釣れなければわからないことで、つまり経験値を積み重ねることができるわけです」
- BLAZONのタックルシステムに自信あり
尚輝プロは続けて使用しているタックルについて話してくれました。
「淡路島での水面系の釣りは、実は7月の霞ヶ浦戦を想定しているという側面もあります。この時期の霞ヶ浦でポッパーは十分『アリ』ですからね。PEラインを組んだスピニングのシステムを使って小型のルアーを投げる釣りは、完全にトーナメント仕様です」
こう語る尚輝プロが組んだそのシステムは以下のとおりです。
ロッド:BLAZON S64L
リール:AIRITY LT2500S-XH
ライン:UVF エメラルダスセンサー 12ブレイドEX+Si 0.6号
+X'LINK6lb
霞ヶ浦・北浦のJBトップ50に向けて完全に仕上がったというタックルシステム
尚輝プロはとくにロッド、つまりBLAZONスピニングのS64Lに手応えを感じているようです。
「そうなんです。最近はこればっかり使っています。かなり気に入っています。ソリッドティップモデル(S64L-S)も大好きで、今年の春までメインに使っていたんですが、このS64L(フルチューブラーモデル)を使ってみて、使いやすさに驚きました。全体が綺麗に曲がるロッドで、STEEZポッパー50Fのような小型のプラグもワームも使いこなせる汎用性を持っています。ソリッドティップのロッドにも当然いい面はあるんですが、このロッドには、ソリッドに出来ない部分を補ってくれる能力があります。
たとえばスキッピングする場合、ソリッドティップだとルアーの飛行速度が若干落ちますが、それに比べてティップの反発が強いフルチューブラーなら、ルアーが速く飛ぶのでスキッピングもひと伸びふた伸びします。そしてバラシも少ないのですが、これには二つの要因があると思います。一つは、フルチューブラーで曲がりがキレイなこと。もう一つは、BLAZONのブランクはしなやかな作りなので、シリーズを通じてバラしにくいことです。BLAZONのカーボン含有率は84~92%、つまりどのモデルにも若干のグラスが混合されているのですが、実はこの素材構成がBLAZONの投げやすさやバラしにくさを生んでいるのです。
S64Lは、PE0.6号との組み合わせにもベストで、ズバリ、7月のトップ50霞ヶ浦・北浦戦でもエース的な存在になってくれると思います。
- フィジカルも鍛える毎日
尚輝プロはこうして日々練習を重ね、虎視眈々とビッグタイトルを狙っているわけですが、それだけではありません。実は最近、スポーツに励んでフィジカルも鍛えているのです。
そのスポーツとは......、皆さんお分かりですか? 最近、盛り上がっている種目です。実はバスケットなのです。
尚輝プロは20歳まで熱心にバスケットで汗を流していました。そして4年のブランクの後、今年社会人チームに加わって再開したのです。
「最初はまったく身体が動きませんでしたが、今は完全に戻りました。バリバリに動けます。現在は週に3回、木・金・土と練習しています。スタミナもつきました。ですからバスの試合に出てもまったく疲れなくなりました」
ちなみに尚輝プロはどんなポジションもこなすオールラウンドプレーヤーとのこと。一番得意なのは3ポイントシュートと言います。
こうして心身ともに万全の態勢で臨もうとしているトップ50第3戦。DAIWAの他の選手ともども大いに楽しみになってきましたね。
ちなみに最終日のウェイインは横利根川のSDG マリンYOKOTONEベースで行われます。各種イベントやケータリングもあるそうなので、応援にいらしてはいかがでしょうか。きっと尚輝プロらの雄姿を見ることができると思います。