Ultimate12月22日号

特集

こうすれば釣れる!! 

宮嶋駿介(ミヤシ)プロが解説する

冬のオカッパリ!!

 

  • 実はオカッパリ大好き人間 

 本日は1222日。一年間、季節に応じて旬なテーマをお届けしてまいりましたこのアルティメットも今回で今年最後の更新となります。いままでのご愛読に対しまして、感謝申し上げます。

 そこで今回は今年を締めくくる特集として、皆さまに最も身近な釣り=オカッパリを、JBトップ50で戦っている宮嶋駿介・通称「ミヤシ」プロに語っていただきました。フィールドは宮嶋プロの地元であり、トーナメントやYouTube「霞ブラザーズ」でも釣り込んでいる霞ヶ浦です。

 宮嶋プロには実際に一日、霞ヶ浦周辺で釣りをしながら解説をしていただきました。それだけに臨場感、説得力も満点。12月から1月、つまり直近の釣りにダイレクトに参考になるお話が満載で、ズバリ「こうすれば釣れる」という内容になっています。

 宮嶋プロは、トーナメントを始めとするボートからの釣りばかりでなく、オカッパリもアクティブに行うアングラー。シーズンオフの現在でも時間を見つけて熱心に利根川水系、霞ヶ浦・北浦に釣行して岸からの釣りを研究しています。東浦を得意としているイメージがあるかもしれませんが、霞ヶ浦・北浦全域、さらに流入河川までも網羅する幅広い水域を知悉しています。つまり同水系における冬のオカッパリを解説していただくには打ってつけの人材といえるのです。

 それでは早速、当日の模様をライブ風に時系列でお届けしましょう。

 

  • 冬の釣りのキモ、それは時間帯 

 1210()630分から冬の人気スポット、土浦市の新川で釣りを始めた宮嶋プロ。しかし、あまりの人の多さに移動を決意、同じくオカッパリの定番スポット、南水路に向かいました。

 すでに時刻は8時過ぎ。この日は非常に暖かく、しかも無風。人間にとっては快適な環境ですが、釣りにはいささか酷な状況。宮嶋プロも「うーん、厳しいでしょうね」と一言。しかし釣りをする目は真剣そのものでした。

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南水路でブラーモを投ずる宮嶋プロ

 

 ここで宮嶋プロに、今回一番聞きたかったこと、つまり冬のオカッパリではどんなことに気を付けたらいいのか、それを伺ってみました。宮嶋プロは水面を凝視して釣りながら解説してくれました。

「冬の釣りのキモは時間帯です。ズバリ、朝と夕方は絶対です。冬が深まれば深まるほど、フィーディングの時間帯が凝縮されます。つまり朝でしたら615分から45分ぐらいまで、夕方でしたら4時から445分くらいまでです。そこが狙い目です。厳しい季節ですが、釣れる可能性が高いのはそこです。朝など、とても寒いですが、絶対に外せないタイミングです。真冬の夕方も風が弱ければフィーディングしますので、シャッドなどで釣れるんです。同時に水温が上がる昼過ぎも悪くはありません。暖かい日並みであれば、越冬場でじっとしているバスにブラーモを試したいですね」

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取材日の数日前に霞ヶ浦で釣ったナイスサイズ。この魚も夕方の一瞬を逃さず仕留めたもの

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ルアーはSTEEZサイレントシャッド60SP MR、カラーはイナッコ。「プレッシャーが高い水域ではサイレントの方がいい気がします。固定重心なので泳ぎ出しも早く、テンポのいい釣りができます」(宮嶋プロ)

 

 さすがに冬も積極的に釣行しているアングラーの言葉は説得力が違いますね。宮嶋プロは、そんな狙い目の時間帯をどのような釣り方で攻めればいいのか、そこに話を進めてくれました。

「朝夕はシャッドですね。それをひたすら巻き続けます。ただ巻きの釣りですから、簡単といえは簡単です。そして水温が10℃を切ったらメタルバイブの出番です。ズバリ、STEEZメタルバイブスリムなんか文字通り鉄板でしょう。そして日中にカバーでじっとしている魚を狙うのならスモラバやリアクションのヘビダン、テキサスなどが効果的です。水深のある水門や消波ブロックの穴などはメタルバイブのリフト&フォールがいいですね。そういった釣りを心がければ、冬でも型を見ることができるのではないでしょうか」

 さらに宮嶋プロは続けます。

「もう一つ重要なのはルアーのカラーです。冬はプランクトンが死んで水がクリアアップするので、霞ヶ浦・北浦でも冬はナチュラル系のカラーがいいです。例えばSTEEZシャッドなら、秋までは水が濁っているのでチャートなどのアピールカラーも欠かせませんが、冬に入って水の透明度が上がったらベイトフィッシュ系やゴースト系が強くなってくる。個人的にはアユ系のカラーがオススメです。この時期のベイトとは無関係ですが、アユ系は全体的にナチュラルな印象でありながら適度にシルエットが出ますし、追星(ワンポイントのチャート)がアクセントになりつつクワセ能力も高い。アユ系カラーには、アメリカで言うところのセクシーシャッドのような万能性があると思っています」

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南水路でボラがシャッドに食って来ました。「これでオデコはなくなりましたね」(宮嶋プロ)

 

  • ピリピリ動く4本の足がバスを狂わせる 

 南水路で反応が得られなかった宮嶋プロは、コンビニで飲み物を補給して北水路に向かいました。そこのピンスポットを攻めるようです。宮嶋プロは細かなスポットの引き出しをかなりたくさん持っているようです。そこはやや水深があったのでブラーモに0.45gのネイルシンカーを挿しました。

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フックセッティングはこんな感じ。カラーはマッディウォーターに効果的なダークシナモンブルーフレーク。ラメがいい感じで光ります。フックはバザーズワームフックWOS♯1

 

 宮嶋プロはブラーモを使いながら、その開発話を聞かせてくれました。

「実は昔、ワームにラバーを挿して爆釣していたことがあったんです。そこから話が始まって、タクヤさん(橋本卓哉プロ)やヤッピー、ちゃんしょなど、いわゆる霞ブラザーズ=カスブラの連中と一緒に開発したのがこのブラーモなんです。

 一番の特徴は4本の足、それぞれが自発的にピリピリ動いてくれるのでアピール力が凄く強いんです。同時にこの足はワームを水平にフォールさせるための抵抗でもあるんです。だからゆらゆらと前傾したり後傾したりしないし、ロールもしない。最近は、そういう動きが入るとバスに見切られてしまう傾向があります。水平姿勢をキープして、足をピリピリさせながら落ちていく。その動きがバスを狂わせるんです。なかなかないですよ、こういう動きをするワーム。

 ブラーモは基本的にエビをイメージしたワームですから、ノーシンカーのフォールのほかにも、エビが逃げ惑う様を演出する表層連続トゥィッチなども効果的です。またキャロやフリーリグ、ダウンショットなど、幅広いリグにも対応してくれます。

 時期としてはやっぱり5~7月あたりのアフタースポーニングの頃、そして9~11月もいけます。要するにエビが動いている時期ならいつでもOKです。一番向いていないのは......、今頃(冬)です。けれど先ほど述べたように、暖かい日並みの日中に、越冬場をスローにねらう手段としては大アリです。狙うスポットはどこでもOK。オープンウォーターでもカバーでもオールマイティ。ボートからでもアシ撃ち、石積みや護岸など、場所を選びません。利根川水系に限らず、桧原湖や野尻湖のスモールにもいいです」

 

  • お気に入りのロッドはBLAZONのソリッドティップ 

 宮嶋プロは北水路から与田浦、そして霞ヶ浦本湖とラン&ガン。STEEZシャッドとブラーモを駆使してバイトを探りましたが、好反応は得られませんでした。 

「こうなったら夕マズメに賭けるしかないですね。本湖で勝負します!!

 冒頭で紹介したように、直前の釣行で夕方、STEEZシャッドでナイスサイズを釣ったので、その一瞬に夢を託すようです。そんな宮嶋プロがこの日使っていたタックルは以下のとおり。

 

[ブラーモ]

ROD:BLAZON S61ML-ST

REEL:TATULA LT2500S-XH-QD

LINE:STEEZフロロ X'LINK 4lb.

HOOK:バザーズワームフック WOS1

「このシステムではとくにロッドが気に入っています。硬めのソリッドティップがいい仕事をしてくれます。ブラーモ全般、これを使っています。ズル引きで何かにスタックさせるときも、そこから外すときも、とても操作性がいいんです」

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ブラーモにはソリッドティップのBLAZONスピニングモデルを愛用。ちなみにハンドルは右巻きです

 

[シャッド]

ROD:BLAZON C64L-ST・BF

REEL:ALPHAS AIR TW 7.1R

LINE:STEEZフロロ X'LINK 8lb.

「シャッドにもソリッドティップ搭載のBLAZON(ベイトフィネスモデル)を使っています。冬のシャッドは外掛りも多いのですが、そんな時でも"ロッドが我慢して"、バレずにランディングさせてくれます」 

 そして時刻は午後430分。宮嶋プロはSTEEZシャッドを投げ続け、「最後に勝負を賭ける」と意気込んだ和田エリアのアシ際からシーバスを引き抜いてこの日の取材は終りました。

「これが最後の一投です」

 と言ってから30回は投げたような......。前述したようにこの日は晴天無風。釣りにはかなり厳しい状況でしたが、宮嶋プロはそんな中でもなんとか型を見ようと精一杯の努力を見せてくれました。

 それにしても宮嶋プロのキャストは素晴らしい。トップ50プロですから当たり前といえば当たり前ですが、シャッドなどもワンハンドで軽く投げているだけで低くシャープな軌道で飛んでいきます。

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STEEZシャッド54 SP SRでシーバスを釣ってこの日の取材は終りました。ちなみにカラーはナチュラルゴーストシャッド

 

「クソー、明日リベンジします」

 片付けながら宮嶋プロはこう宣言しました。借りは必ず返す。これがプロのプロたる所以です。そして我々取材班はライトアップされた霞ヶ浦総合公園の風車を見ながら帰途につき、心に染みるラーメンをいただいて一日を終えました。冬の釣りの楽しさ感じさせてくれる、いい取材でした。というわけで宮嶋プロ、そして読者の皆様、よいお年を!!